本日は2019年2月11日付のSea Otter Savvyの記事より、"Sea Otter Society: The Single Moms' Club"をお届けします。ラッコの母親はシングルマザーの代表。こちらにシングルマザーの支援をしているNPOがあるのですが、ラッコの母親をマスコットにしています。
シングルマザーの会:1年に子ども1頭育て上げることは賞賛に値する
子育てがフルタイムの仕事だということは、秘密のことではありません。死ぬまで毎年赤ちゃんを産むと想像してみてください。ラッコの母親はそんな人生を送っているのです。(平均的にですが)毎年子どもを産むだけでなく、子どもを大きくなるまで育てなければならないのです。人生で何頭も子どもを持つということに加え、ラッコの母親はたった一人でそれをやってのけます。ラッコの母親は、チャイルドサポートもなければ父親が子育てを手伝ったりもしてくれない、本物の「シングルマザー」なのです。求愛行動ののち交尾が行われると、オスの姿はなくなり、母親は6か月間子どもの世話をする唯一の存在になるのです。こうした母親が抱える大変な負担を助けてくれる乳母も、ベビーシッターもおじいちゃんおばあちゃんもいません。
母親ラッコは海で出産し、何もできない毛の塊のような赤ちゃんが海で独り立ちできるようになるまでの6か月から8か月の間、生まれた子どもを24時間休みなく世話することになります。母親は育ちざかりの赤ちゃんに栄養たっぷりのミルクを与え、生後数週間にあると固形のエサを分け与え、食べられるものやその食べ方を教えます。どの親もそうですが、このように子どもを養っている期間はとくに肉体的にも負担で、ラッコの母親は子どもが自立するころまでには、生き延びられるぎりぎりのところまで追いやられることになります。そうして、こうした出産・子育てのサイクルが毎年繰り返されます。発情、妊娠、出産、子育て、子どもの自立、発情・・・母親が死ぬまで。母親は、世界に自立したラッコを無事送り届けるために、自分のすべてをささげるのです。
人間社会と同じように、一目みただけでは、個々のラッコが親としてどのような状態にあるのかははっきり分かりません。皆さんがカヤックに乗っているときにそばを泳いでいくラッコや、ケルプの中でぐっすり眠っているラッコは、シングルマザーの会のラッコかもしれません。子どもを養っているかもしれないし、あるいは次に生まれる子供を身ごもっているかもしれません(ラッコが妊娠しているのは見た目からは分かりづらい)。もしかしたら発情期で、生きていくのに必要なエサを獲っている時にしつこく追ってくるオスと戦っているのかもしれません。
私たち人間が、母親が必要としていることを尊重するように、距離を十分とることでラッコの母親は世界に次の世代のラッコをもたらすという、重要な役割を果たすことができるのです。野生のラッコを次に見る機会があれば、そうした母親たちのことを考えてあげてください!自撮りを獲るためにそうした母親に近づくのではなく、そうした母親のすべてに敬意を払い、離れて撮影してください。次に会うラッコにとってのヒーローとなり、休息を尊重してあげてください。
子どもが固形のエサを食べ始めるのはいつ?
母親ラッコは子どもがまだ生後数週間の時に固形のエサを与え始めます。子どもは母親からエサについて学びます。エサとして何を持ってくるのか、トゲや固い殻、カニのはさみなどをどう扱うのか。子どもが自立できる頃になるまでには、母親はとってくるエサの3分の1ほどを子どもに分け与えるようになっています。
子どもはいつまで産み続けるの?
ラッコのメスには生殖老化がなく、15年から20年の生涯にわたり、毎年子どもを産みます。
ラッコはどうやって授乳するの?
母親は、子どもが巣立つその日まで、約6か月間、ミルクを与えています。栄養豊富なミルクを作り出すのは、非常に多くのエネルギーを必要とします。
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