【記事】野生のラッコが近づく写真はシェアしないで | Wildlife advocates ask companies not to advertise up close encounters with otters

本日は2019年2月1日付のKSBW8から、"Wildlife advocates ask companies not to advertise up close encounters with otters"をお届けします。ソーシャルメディアで流れている写真や動画が、本当は問題があるものである可能性があります。そうしたものを安易にシェアすることが、結果的に無理解を広め、動物や人間自身にも悪影響を及ぼします。こうしたものはシェアしない、誰かがシェアしても自分はしないと心がけてください。

アーバン・ディバージョン・アドベンチャー社は写真をカヤックイベントを宣伝するために使った ソース:Urban Diversion Adventures

カリフォルニア州モスランディング—ラッコ啓蒙活動家らは、ベイエリアのソーシャルクラブに対し、イベントの宣伝のためにラッコと間近に接した写真を使うのをやめるよう、圧力をかけている。

 

アーバン・ディバージョン・アドベンチャー社の最近の写真には、カヤックに近づくラッコが写っている。同社によると、社員の一人がエルクホーン湿地帯でのカヤック旅行の際に撮影したという。

 

モントレーベイカヤック社のショーン・フューリ―は、ラッコが近づいてくることはまれだが、そうしたことが起こった際、近づいたラッコの写真は宣伝目的で使うべきではないと話す。

 

「こういうことが起こらないわけではありませんが、私たちはそれを宣伝材料にしたくありません。非現実的な期待を生むことになりますし、それが野生生物へ危害を加えることになる可能性があるからです」とフューリーは言う。

 

フューリーや他のスタッフらは、カヤックに乗る客全員に対し、野生生物に接近することは許されていないとはっきり説明している。客はみな、そこに住む動物たちを邪魔することとはどういうことか、動物たちと距離を保つにはどうすべきか、また動物が急に近くに現れた際はどうすべきか、レッスンを受ける。フューリーは海洋哺乳類保護法では動物から100ヤード(約90m)離れることが定められていることや同法を破った場合国から罰金を科されることも説明している。

 

シーオターサビー(Sea Otter Savvy)のジェナ・ベントールは、人間の干渉がラッコにとって悪影響なのは、ラッコが人間に対して鈍感になってしまい、それがラッコを大胆にしてしまうからだと話す。ベントールは他の者と何度もアーバン・ディバージョン・アドベンチャーに対しラッコが近寄ってきた写真を使わないよう依頼をしているが、同社はその写真を使い続けている。

 

「人々は、その写真を見て、そうした出来事を期待するようになり、その場に行った際に人々が同じ行動をとるようになってしまう可能性があります」とベントールは言う。

 

アーバン・ディバージョン・アドベンチャー社は、全米で様々な有料ツアーを企画している。金曜の午後(訳者注:2019年2月1日)、同社は「ラッコとカヤック!赤ちゃんラッコが来る!」と題したFacebookのイベントから写真を削除したが、ウェブサイトやツイッター、インスタグラムには1日午後5時15分現在、まだ写真が掲載されたままだ。

 

Facebookのメッセージで、同社は次のように述べている。

 

「当社は誤解を招く可能性のある写真を削除しました。私たちは、参加者のみなさんに、海へ出る前に常に野生生物に対してどのように敬意を示すかトレーニングを行っています。しかし、ご指摘いただいたことには感謝申し上げます。私たちは、Sea Otter Savvyからいただいたガイドラインにも必ず従います」

 

ベントールは、こうした写真に関して団体に連絡を取るのは初めてではないと言う。モントレー湾国立海洋保護区が過去に写真を削除するよう通達をしたことがあるが、無視されただけだったと話す。

 

動物に近づきすぎることは、野生生物に対して有害なだけでなく、人間にとっても危険だ。ベントールはラッコが大胆になると、噛みつく可能性もあるという。

 

「ラッコはどの方向へも向けるので、深刻な噛み傷を人間に与えることもあります。ラッコは貝をかみ砕くようにできた顎を持っているため、噛まれると深刻です」とベントールは言う。

 

長い間ラッコの啓蒙活動に携わる人によると、人間に噛みつくと問題動物とのレッテルが貼られてしまい、野生の群れから引き離される選択がとられることがあるため、こうしたことは特定のラッコに対して悪い結果になってしまうと話す。

 

このような写真を見ると、皆同じような体験をしたくなるため、ソーシャルメディアでこうした写真使用することの影響について広くしってもらいたいとベントールは話している。