本日は2016年9月19日付のShedd Aquarium Blogから、"Ellie: Look at Her Now!"をお届けします。カリフォルニアで保護され、今年1月にシェッド水族館へやってきたエリー。
すくすく成長し、年の近いルナとは良い遊び友達になっているようです。
保護されたラッコ、エリーは今年1月にシェッド水族館を永住地としました(訳者注:【記事】ラッコ719号がシェッド水族館へ到着)。エリーは今や、シェッドのラッコたちの一員となっています。他の4頭のラッコたちとともにアボット・オーシャナリウムのリージェンステイン・シーオター・ハビタット(ラッコの展示コーナー名)の展示水槽で、また裏で跳ねまわっています。エリーはまだ一番小さく、色も濃いですが、それもすぐに変わっていきます。
前回エリーの最新情報を掲載してから(訳者注:【記事】エリー、仲間のラッコに会う)、エリーは更に10パウンド(約4.5kg)増え、体重は31パウンド(約13.95kg)になりました。(比較すると、2歳のルナは40パウンド(約18kg)、一番大きいメスの成獣マリは55パウンド(約24.75kg)です)エリーはもうエサを切ったり細かくしたりしてもらう必要はありません。先月、手のひらほどの大きさのカニをまるごと(ゆっくりちぎりながら)食べることができました。エリーはカニや貝、シシャモ、白身魚、イカ、エビが同じくらい好きなようです。
トレーニングはエサの時間に協力して行われ、エリーは自分用の形、赤い丸を覚えつつあります。トレーナーがその形を水際で持っていると、エリーは泳いで近づいてきます。少し早いやりとりのセッションの準備です。これが、悪名高いほど集中力のないラッコをトレーニングする唯一の方法なのです。そうした行動の中でも、エリーは現在、移動用のケージに入る練習をしています。これは獣医師が、守られた状態でラッコを直に検診することができるようにするためのスキルです。また、合図でトレーナーから別のトレーナーへ泳いでいく練習(AtoB)も行っています。
こうした活動が全て終わると、お昼寝の時間です。ラッコは夜間に長い時間眠るほか、午前中と午後にも昼寝します。
「お昼寝の前に、エリーや他のラッコたちはグルーミングをして毛をふかふかに乾かします」とペンギン・ラッコ・犬のマネージャーであるラナ・ヴァナガスムは言います。ラッコは非常に身体が柔軟なので、後ろ足をまげてお腹に付けて、水に浮いている時に熱を温存することができます。ラッコたちは、水の中でも外でも、ケルプを模した洗車用の布切れに身体を巻き付けるのが好きです。
ラナによると、エリーもルナも寝るときに手を口に入れるのだそうです。
昼寝が終わると、エリーは遊ぶ準備をします。他の年上のラッコたち(メスのマリ13歳とキアナ11歳、オスのヤク17歳)は子どものようにわんぱくに遊ぶよりは、グルーミングをしたり、昼寝をしたり自分のお気に入りのオモチャで一人で遊んだりトレーナーとやり取りをするのが好きなようだとラナは言います。
エリーはここしばらく、お気に入りのオモチャ、プラスチックのドーナツ状のオモチャの穴から出たり入ったりして一人で楽しんでいますが、絶好の遊び相手、ルナを見つけました。ペンギン・ラッコのスーパーバイザー、クリスティ・スターリングは「ルナは子どもながらのエネルギーがあります。ルナとエリーは双子のようにそっくりです。小さな姉妹を見ているようです。遊んだり、じゃれあったり、とてもわんぱくです」
2頭を見ているのは楽しい。そして、元気に生きているのも、心が温かくなります。どちらもカリフォルニア中央部の海岸で発見された絶滅危惧種のカリフォルニアラッコで、どちらも母親と離れ離れになってしまいました。甲高い声が通行人に届いて、その人が野生動物レスキューに電話していなければ、死んでしまっていたでしょう。
エリーは嵐の時に母親と離れ離れになってしまった、生後4週間の元気な子どもでした。(上の写真左がエリーで、下の写真で貝のペーストでルナと書いてあるラッコ啓蒙週間のオモチャに近づいているのがルナ)ルナは2パウンド(約900g)の生まれたばかりのラッコで、保護される16時間以上前に母親はルナを離れて何らかの理由で戻ってこなかったようでした。ルナはレスキューが保護した中でももっとも幼いラッコのうちの1頭で、カリフォルニアで数週間、集中的なケアを受けなければなりませんでした。
年齢や成長度合いが違っても、2頭はシェッドで長期にわたる24時間のケアを受けてきました。もし野生にいたら、母親から受けたであろうケアと同じものです。更に、座礁したことにより健康に影響がないか、獣医師により注意深く見守られていました。
シェッド水族館のトレーナーたちは2頭に対し、母親が教えるはずだった日々の生活に必要なスキルをマスターする手伝いをしています。しかし、ケアを受けながら人間との間に信頼関係が築かれるということは、つまりそのラッコたちは自然に帰ることができないということを意味します。そのかわり、エリーとルナは人を惹きつけ、愛さずにはいられない絶滅危惧種のラッコ大使として、1年52週間、ラッコについて啓蒙活動をしているのです。
Shedd Aquarium Blog
Ellie:
Look at Her Now!
September 19, 2016 Karen Furnweger
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