本日は2015年12月28日付のKBBIより、 ”Streptococcus Syndrome Main Cause of Sea Otter Deaths”をお届けします。アラスカ州カチェマック湾で起こっている謎のラッコの大量死の原因がストレプトコッカス症候群という連鎖球菌によるものであることが明らかになりました。更なる研究結果が待たれます。
カチェマック湾で死んだラッコの検査結果が戻ってきた。アメリカ魚類野生生物局の生物学者によると約82%のラッコはストレプトコッカス症候群を持っていたということだ。レスリー・スレイターはホーマーにあるアラスカ海洋国立野生生物保護区のアメリカ魚類野生生物局の生物学者だ。
「この浜でも、今200ヤード(約180m)ほど歩いてきましたが、今まで1歳ほどの死んだラッコと、それから若いオスのラッコも死んでいました」とスレイターは言う。
ホーマーの砂嘴にある黒い小石の浜沿いで、私たちはランスエンドホテルやコンドミニアムのすぐ下で凍っているラッコに近づいてみた。
「大きさと歯の摩耗具合が非常に少ないことから、このラッコが若いラッコであることが分かります。とても白い歯ですね。それからこのラッコはこの形で凍ってしまったようです。皮膚が胸郭に覆いかぶさっているのが見えますが、恐らく餓死したのだと思います。このラッコが実際どうしたのか知るには、解凍して検死しなければなりません」とスレイターは言う。
夏以降、カチェマック湾では300頭以上のラッコの死体が発見されている。アンカレッジにあるアメリカ魚類野生生物局海洋哺乳類管理オフィスのジョエル・ガーリッチ=ミラーは、今でもラッコの死体が見つかっていると言う。
「数は少し減っていますが、今でも週に3,4頭、主にホーマーの海岸エリアで通報があります」とガーリッチ=ミラーは言う。
ガーリッチ=ミラーは、最近確定された検査結果によると、殆どのケースでラッコの死因はストレプトコッカス症候群によるものだという。
「これは、連鎖球菌感染という細菌感染による症候群で、弁膜心内膜炎や敗血症、脳炎といったような様々な師症状で現れます。今年回収したラッコのうち、かなり高確率で、約82%になりますが、この症候群の検査で陽性が現れていました」
ほとんどのラッコは急激に悪化し、脳炎に屈してしまうのだと言う。
魚類野生生物局はしばらくの間カチェマック湾エリアのラッコにおけるストレプトコッカス症を追跡しているが、感染しているラッコは通常目に見えて具合が悪そうで、衰弱している。しかし8月以降死んでいるラッコはもっと見た目に健康そうなのだ。
ラッコの死の主な死因はストレプトコッカス症候群のようだが、ウイルスにも感染していた形跡があるラッコもいるとガーリッチ=ミラーは言う。
生物学者のレスリー・スレイターは、もし浜で死んだラッコを見つけたらどうすべきかについて説明している。
「一番いいのは、もし発見したら海洋哺乳類ストランディングホットラインへ電話することです。生きていても死んでいてもいいです。そうすれば、町から担当者が来てその死体を調査し、更に病理学的な調査が必要か判断してくれます」
生物学者らは、こうした研究が、ウイルスが今年のラッコの大量死と関係があるのかどうかに光を当ててくれるのではないかと期待している。
ラッコの死体、もしくは瀕死のラッコ、もしくは他の海洋哺乳類を見つけたらアラスカシーライフセンターの海洋哺乳類ストランディングネットワークホットライン(電話888-774-SEAL (7325))へ。
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