本日は2015年11月30日付のThe Daily Astorianより、"See Otters?"をお届けします。北米西海岸で唯一ラッコの定住が確認されていないオレゴン州。ラッコが本格的に戻ってくる日を夢見る、オレゴン動物園の飼育員さんへのインタビューです。
お気づきの通り、See Otters?というタイトルは Sea Ottersのだじゃれです。
2008年から2014年まで、オレゴン州沿岸でラッコの目撃報告は25回
オレゴン動物園のラッコ飼育員、フィリップ・フェンステラーは、昨年オレゴン州沿岸に再びラッコが現れるようになったと聞いた時、非常に驚いた。
1世紀以上にもわたる毛皮貿易の後、オレゴン州沿岸における最後のラッコは1907年にいなくなってしまった。それ以来、ラッコはアラスカ州、ワシントン州、そしてオレゴンの南、カリフォルニア州に生息している。
エサの供給が十分なところから離れてオレゴン州沿岸へ移動することは、妄信することに近いとフェンステラーは言う。
ここ数年、それを乗り越えてやってくるラッコが増えている。2008年から2014年までにオレゴン州沿岸におけるラッコの目撃回数は25回にのぼる。
「またオレゴンにラッコが住み着くようになってくれるのではないかと思っています」とフェンステラーは希望を持っている。「通り過ぎるだけでなく、住んでくれるラッコたちが」
フェンステラーはオレゴン動物園でステラーコーブ(ラッコのいるコーナー)が2000年にオープンして以来、ラッコの世話をしており、先週アストリアに対しラッコについて語ってくれた。
避けられたオレゴン
1970年代、ラッコが太平洋沿岸の複数の場所に再導入された。その努力により、ワシントン州ではラッコの数がゼロから1,100頭まで増え、アラスカでは10,000頭以上に達した。カリフォルニアは3,000頭に及ぶ。
しかし、オレゴン州の再導入プログラムは失敗してしまった。
フェンステラーによると、オレゴンに再導入されたラッコは北や南に逃げたり、もしくは海岸で死んでしまっていた。
野生生物の管理当局はオレゴンの何が問題だったのか分かっていないのに、再導入の前にも期間中も後も一切野生生物管理計画が何も実施されず、さらに、何が起こったのか理解するための科学的な調査が何も行われなかった、と草の根啓蒙団体オレゴンワイルドのマリエル・カウディンは話す。
オレゴンワイルドは、オレゴンにラッコが帰ってくるよう、ラッコ復活計画を進めるため、啓蒙活動やオレゴン州野生生物局に対する圧力をかけている。
「オレゴン州沿岸でラッコの目撃情報があることに胸が躍ります。しかし、これはラッコが帰ってくることを保証するものではないのです」とカウディンは言う。
可愛いだけじゃない
可愛らしく、毛がふわふわで水の上に浮かび仰向けになってエサを食べることで知られるだけでなく、ラッコは実際海洋生態系において非常に重要な役割を果たしているのです、とフェンステラーは言う。
ラッコは最も小さい海洋哺乳類で、キーストーン種としても知られている。ラッコの好物はウニであり、ウニは主にケルプを食べる。ウニを捕食する動物がいなければ、ウニはケルプを食べ尽くしてしまう。その結果、ケルプに依存している多くの生物がいなくなってしまう。
「キーストーン種がいなくなってしまうと、多様性の多くが失われてしまうのです」とフェンステラーは言う。
フェンスてラーは、オレゴン州沿岸の住民に対し、ラッコが現れないか注視するよう訴えている。もし海でラッコを見かけたら、最寄りの野生生物局へ連絡するようにしてほしいとのこと。
ラッコは海の上でカワウソとは違う体勢をとります。カワウソは海でお腹を上にして寝ることはありません、とフェンステラーは言う。
「オレゴンに定住しているラッコを見つけたのは私です、と言える人物になりたいですね」とフェンステラーは言う。
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