本日は先日の記事(【記事】ラッコの毛の秘密 | The Fantastic Fur of Sea Otters)の中で紹介されていたKQEDの動画、"The Fantastic Fur of Sea Otters"の書き起こしをご紹介いたします。内容はほぼ同じですが、動画のほうが分かりやすいかもしれません。
北カリフォルニアの海岸を一言で表すとー「冷たい」。
人間がウエットスーツを着ないでこの波の中に入れば、たちまち低体温症になってしまいます。
しかし、ラッコがここでどうやって生きていくことができるのかが判明しました。
この小さなラッコが、体内温度を華氏100度(約摂氏37.78度)に維持しなければならないことを考えると、驚くべき方法です。
このラッコが泳ぐ水の温度の、約2倍の温度です。
もちろん、クジラも体温を維持しています。アシカもそうです。しかし、これらの哺乳類は海での生活にに適応するため、何千万年もかかったのです。
進化的な話で言うと、ラッコは数百万年前に海に進出した新参者なのです。
他の海洋性哺乳類とは異なり、ラッコには脂肪層がありません。
身体が小さいことは、絶えず熱を失うということを意味しています。
そんなラッコの奥の手、それは体毛です。
ラッコは地球上でもっとも密度が高い体毛を持っています。1平方インチあたり、100万本ほどになります。(1平方センチメートルあたり約155,000本)
ラッコが生きていけるのは、そのおかげなのです。
その毛皮は、ラッコを死に追いやってもきました。さかのぼること19世紀、ラッコたちは帽子やコートを作るために狩られ、絶滅寸前にまで追い込まれました。
しかし、ラッコを保温しているのは、体毛そのものではありません。空気なのです。
毛皮は皮膚の近くに空気を溜め込むのです。まさに、羽毛布団と同じです。
ラッコの体毛は非常に密なので、基本的には水をはじきます。皮膚の近くの毛が乾いていることが分かります。
ラッコが水の中で回ると、空気の層で毛がきらきらして見えます。
赤ちゃんラッコはどうでしょうか。赤ちゃんラッコの毛は非常に空気を多く含むので、水の上に浮きます。ふわふわの毛のおかげで、浮きやすくなっているのです。赤ちゃんの毛が生え変わり、泳ぎを覚えるまでの間です。
しかし、この素晴らしい断熱材にはそれなりの対価を伴います。
水に潜るたびに、毛の中に蓄えられた空気が押し出されてしまいます。泡が見えますね。そのため、ラッコはまた空気を入れるために、体中をグルーミングしなければならないのです。
もう少し体毛を拡大してみてみましょう。
ご覧いただくとお分かりのように、ラッコの体毛は2種類の毛で成り立っています。断熱の役割を果たすアンダーファー(下毛)と、保護する役割を果たすもう少し長いガードヘアです。
顕微鏡で見ると、毛の1本1本がうろこ状になっており、でこぼこしているのが分かります。
その、でこぼこが重要なのです。
毛幹から出ているトゲ状のものが体毛をひとかたまりにするのです。
その中に、空気が取り込まれるのです。
比較のために、コヨーテの体毛を見てみましょう。もちろん、寒い海に住んでいるわけではありませんので、コヨーテの毛にはトゲがありません。コヨーテは陸上では温かいですが、海に入れば乾燥を保つことができません。
さまざまな点でラッコは陸上の動物と共通点がありますが、何百万年も前にラッコは冷たい海へと大きな進化の一歩を踏み出しました。
そして現在、それが上手く機能するようになっているのです。
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アヤト (木曜日, 10 8月 2017 19:14)
よくわからん
チョコ� (木曜日, 19 4月 2018 08:37)
意味不ww