本日は2019年2月4日付のMonterey Bay Aquarium Newsroomより、"Monterey Bay Aquarium Sea Otter Gidget Has Died"をお届けします。座礁していた赤ちゃんだったギジェットに再起のチャンスを与えてくれた水族館と関係者のみなさんに感謝です。
ラッコ展示の人気者、バックヤードでは代理母、そしてラッコ遺伝子の基準
モントレーベイ水族館は、謹んで10歳のメスのラッコ、ギジェットの死をお知らせします。ギジェットはラッコ展示水槽の人気者であり、代理母でもありました。またギジェットのDNAは、ラッコの遺伝子配列を行うために使われました。
ギジェットは腰に慢性骨関節炎を患っており、先週体調が急激に悪化したため、獣医やラッコ飼育担当からなるチームが力を尽くしましたが、その病状を覆すには至りませんでした。ギジェットはバックヤードで治療を受けていましたが、日曜日の晩、息を引き取りました。
正確な死因を知るため、今後死体解剖が行われる予定です。
「ギジェットは、その美しさ、魅力、そして元気でイタズラ好きの性格で、何百人万人もの人々の心に感動を与えてきました」と水族館の獣医師、マイク・マリー博士は言います。「ギジェットは、ここでケアを受けるラッコや野生のラッコたちのために、何故私たちがこのような尽力をするのかを示すよい例です」
ギジェットは、2008年10月、生後10週間の時にサンルイスオビスポ郡のモロ・ストランド州立ビーチで座礁しているところを発見されました。海洋哺乳類センターのボランティアとカリフォルニア州魚類野生生物局の生物学者により救助され、当館へ搬送されケアを受けました。
ギジェットは米国魚類野生生物庁から野生に返すことができないと判定され、カリフォルニア州ロングビーチにあるパシフィック水族館へ引っ越し、ラッコ展示の一員として育てられました。2013年1月21日、ギジェットは再びモントレーベイ水族館へ戻って展示ラッコの一員となり、保護された赤ちゃんラッコの代理母となりました。4頭を育て上げた後、健康上の理由から、その任務から引退しました。
ギジェットの血液はカリフォルニア大学の研究者により、始めてラッコの遺伝子配列を行うために使われました。(参考記事:【記事】血液、骨そして能力:ラッコのDNAを探る | Blood, bone and brainpower: A deep dive into sea otter DNA)「ギジェットは将来のカリフォルニアラッコのゲノム研究の基準点になるのです」カリフォルニア大学ロサンゼルス校生態学・進化生物学専攻で研究を主導するアナベル・ベイヒマンは言っていました。
遺伝子配列は、絶滅に瀕しているカリフォルニアラッコの回復に貢献するものです。このようにして、「ギジェットはラッコという種全体の保全に貢献しているんです」とアナベルは語りました。
モントレーベイ水族館のラッコプログラムは、1984年以来、絶滅に瀕しているカリフォルニアラッコの調査や回復を推し進めてきました。今日まで、当館は800頭以上の病気やケガをしたラッコを保護し、その多くを野生に返してきました。代理母プログラムは座礁したラッコの子どもを育て野生に返すために続けられ、野生に返せないラッコはモントレーベイ水族館もしくは北米の他の認可を受けた水族館に展示されています。
モントレーベイ水族館について
モントレーベイ水族館は、海洋保全をインスパイアするという使命を持ち、米国で最も好まれている水族館であり、また科学教育をけん引し、海洋科学や市民政策に関する理解プログラムを通じた海洋保全の代弁者でもあります。私たちが行う仕事は全て、この青い地球の未来を守るために行われています。詳しくはmontereybeyaquarium.orgをご覧ください。
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らっこあら (金曜日, 08 2月 2019 08:49)
数年前モントレーベイ水族館へ行ったとき、展示水槽にギジェットがいました。
また会いたかったのですが、とても残念です。