【記事】ラッコ啓蒙週間:野生に帰ったラッコが生態系を再構築 | What’s behind the cute? How sea otters are restoring an ecosystem.

本日は、2018年9月26日付のモントレーベイ水族館のラッコ啓蒙週間専用ニュースレターより、"What’s behind the cute? How sea otters are restoring an ecosystem."をお届けします。代理母に育てられ野生に帰っていったラッコたちは、湿地帯でもりもり食べ、環境を改善しています。

モントレーベイ水族館の養母に育てられたラッコが湿地帯の再構築に貢献

昨日、モントレーベイ水族館の展示ラッコたちが裏で親を失った子どもを野生にリリースできるまで我が子のように育てているというお話をシェアしました。今日は、そうしたラッコたちが、環境に素晴らしい影響を与えてきたというお話です。

Credit: Emily Simpson
Credit: Emily Simpson

ケルプの森では、ラッコはキーストーン種の捕食者として良く知られています(翻訳済み:【記事】ラッコとケルプの森と海洋環境の転換点 | Kristen Weiss: Sea otters, kelp and ocean tipping points)。ラッコはウニの数をコントロールするためケルプが繁茂することができ、他の生き物の生息地を提供しています。

 

エルクホーン湿地帯では、食物網はケルプの森と比べて少し複雑です。ラッコはカニを食べ、カニは草食生物を食べ、草食生物は海草についた藻を食べ、海藻が繁茂できます。カニの数を減らすことで、ラッコは草食生物が海草をきれいにするのを助けるのです。大規模で健全な海草棚は、湿地帯において多くの魚や無脊椎動物の生息地となるのです。

 

当館がエルクホーン湿地帯にラッコを放流するようになってから、湿地帯の海藻棚は急速に広がっていきました(翻訳済み:【記事】アマモの庭師、ラッコ | Sea otters—gardeners of the eel grass)。ラッコが湿地帯の生態系を再構築する力を持っているという証拠です。

ラッコが増えればカニが減り、草食生物(ウミウシ類)が増え、藻類が減り、海草が増える
ラッコが増えればカニが減り、草食生物(ウミウシ類)が増え、藻類が減り、海草が増える

協力者たちとともに、私たちは代理母に育てられたラッコたちを、毛皮貿易がラッコを一掃してしまう前の生息域の一部に放流するメリットを模索しています。

保全の成功物語について詳しくはこちら(翻訳済み:【記事】代理母に育てられたラッコ、湿地帯の再構築に貢献 | Our surrogate-raised sea otters are helping restore a wetland)をお読みください。-そして、私たちの代理母らっこたちが活動しているのをご覧ください。

保全の成功物語について詳しくはこちらをお読みください。(訳者注:翻訳済みの記事にリンクしています)-そして、私たちの代理母らっこたちが活動しているのをご覧ください。

 

今日のラッコ:アイビー

アイビーは2011年11月にサンルイスオビスポ郡のカユコス州立ビーチで座礁しているところを発見されました。当時生後2週間でした。7週間ラッコプログラムでケアを受け、水族館で当時最も経験豊かなラッコのトゥーラに引き合わされました。リリースの際に様々な問題があり、アイビーは米国野生生物庁から野生に返すことができないと判定されました。

 

アイビーは2012年12月、ちょうど1歳を超えた頃に正式に展示水槽に加わり、現在代理母として裏で子育てしています。展示水槽の中では若いラッコで、トレーニングの際元気なことから、水族館のスタッフから「やんちゃなこども」というニックネームが付けられています。アイビーの名前はジョン・スタインベックの「怒りの葡萄」の登場人物からとられています。

Monterey Bay Aquarium

What’s behind the cute? How sea otters are restoring an ecosystem.

September 26, 2018