本日は2018年5月13日付のThe Mercury News紙より、"Otterly adorable at the Monterey Bay Aquarium"をお届けします。以前参加したラッコ保全ツアーの様子はこちらでお読みいただけます。
ふわりと浮かぶ芸術作品のように青い水の中を漂う真珠色のクラゲ。魅惑的な形で渦巻状に連なる銀色のイワシ。視線をくぎ付けにし、目を真っすぐにのぞき込むタコ。
モントレーベイ水族館の魅力は尽きないが、ラッコほご可愛らしいものはないだろう。北米で最も小さい海洋哺乳類であり、海にいる子犬のようなこの動物は展示動物の中のスターで、にぎやかな来場者が海の泡の中でラッコたちが遊んでいるのを見に来る。水族館の来場者はもちろん、この可愛らしいラッコが水槽の中を跳ねまわったり、追いかけっこをしたり、フィーディングタイムにエサを食べる様子に見とれることができる。
しかし、もしラッコを家のバスタブで飼いたいと思うことがあるような人なら、ラッコ保全ツアーをおススメしたい。洞察に満ちた、約1時間の水族館のラッコ保全プロジェクトのバックヤードを見ることができるこのツアーは、6歳以上にぴったりだ。
「私は、ラッコたちは海のもふもふ大使だと思っています」とラッコ中心のツアーを長年行っているボランティアのラリー・ヒルは言う。「ラッコは非常に愛すべき動物なので、みんな海のことを学びたくなるのです」
実際、水族館が保護してきたラッコの赤ちゃんは人間との絆が強すぎたため、ラッコが人間を好きにならないように、スタッフらはダースベーダーのような黒いヘルメットで変装することになってしまった。こうすることで、ラッコの子どもが最終的に野生で自由になった際に信任を得られるのだ。
シルのような、お話し好きで物知りのガイドがいれば、日に体重の25%を食べるラッコのライフサイクルについて大いに楽しませてくれるだろう。しなやかなアクロバット師のように、ラッコは常に水の中で跳ねまわるが、ほとんどの時間足ヒレや鼻は水の上に出している。ラッコが丸くなって仰向けになり、眠っている子猫のようになるにがそういうわけだ。足を濡らさないでおくのが好きなのだ。
ラッコはケルプの中のクマとも呼ばれてきた。フワフワなのと同じくらい獰猛だからだ。かつてはシベリアコートとして高くもてはやされ、毛皮目的で絶滅寸前まで乱獲されたラッコは、大きくは水族館のパイオニア的な保全活動により、回復を遂げてきた。史上初めてのプログラムとして、水族館は1984年以来800頭の赤ちゃんラッコを助けてきた、野生には約3,186頭のラッコがいるが、モントレーのエルクホーン湿地帯に集まるラッコの少なくとも半分は、このプログラムの直接の子孫たちだ。
メスラッコの中には子育てに興味を示さないものもいるが、すぐに新しい子どもと絆を深めるものもいる。メスラッコたちは子どもに泳いだり潜ったり貝の開け方を教えたりする。腹にフワフワの子どもを乗せることすらある。Uberスタイルのラッコだ。波にゆれて絡まるように見えるラッコの群れは、ラフトと呼ばれる。
モントレーベイ水族館のラッコは、展示水槽で来場者の前で跳ねまわっているか、あるいはバックヤードで保護されたラッコの子どもに野生で生き抜く術を教えている。ラッコの子どもは深い青い海に出て自力で生きられるようになるために少なくとも育てるのに1年かかる。
バックヤードツアーに参加すると、怪我をしてひとり浜で座礁していた子供を育てるシングルマザーのローザのようなラッコのことを深く知ることができる。この子どものラッコはサメの襲撃により親を失ってしまった。このラッコは808号と呼ばれる元気な男の子で、順調に回復し代理母から生きるための命綱を学んでいる。
念のためだが、参加者はツアーの中でラッコの豊かなベルベットのような毛皮に触ったりエサをやったりすることはできない。私の7歳の子どもはそれにたいそうガッカリしていた。だが、水族館の屋上にある水槽をモニターで観察することはできる。
その後、30秒ごとに600ガロンの水が降り注ぐ心臓がどきどきするようなウエーブクラッシュから、よちよち歩くカッコいいペンギンまで、啓蒙的な水族館の海に関する残りの展示を見ることができる。
魅惑的な海の生き物を見せてくれる窓から離れる前に、水族館の裏のデッキに行くことを忘れないで欲しい。ここには、外海と水族館の守られた海が交わるところだ。野生のラッコの母親が岩の上で出産するところを見られるかもしれない。それほど真剣に見る人でなくても、拍手喝さいだろう。ラッコ好きなら、忘れられない思い出になる。
ラッコ保全ツアー
モントレーベイ水族館は約1時間のラッコ保全ツアー($12~$15)を毎日、6歳以上を対象に行っている。水族館自体はモントレーのキャナリー・ロウ886番地で午前10時から午後5時まで営業している。入場料は$30~$50。水族館やラッコのフィーディングのスケジュール、ラッコ保全ツアーの詳細についてはwww.montereybayaquarium.orgを参照いただきたい。
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