【記事】ワシントン州のラッコ資源評価 | Northern sea otter bounces back in Wash.

本日は2018年1月16日のGreenwireより"Northern sea otter bounces back in Wash."をお届けします。ワシントン州では順調にラッコの個体数が増加しています。

科学者らによるとアラスカラッコは回復してきている。Ryan Wolt/Marine Mammal Commission
科学者らによるとアラスカラッコは回復してきている。Ryan Wolt/Marine Mammal Commission

アラスカラッコがワシントン州沖の海で回復傾向にあると研究者らが報告している。

 

魚類野生生物局は現在、この海域には少なくとも1,806頭のラッコが生息していると推計している。これは前回2008年の推計1,125頭から60%の増加になる。

 

新しいワシントンのアラスカラッコの評価報告は、正式には明日Federal Registerで公表されることになっているが、ここ10年ほどで初めてであり、1980年代後半に始まった個体数増加傾向が継続していることを示している。

 

海洋哺乳類保護法による保全が成功した例として目下のところ挙げられているが、個体群の拡大は一方で新たにラッコの管理の実施に拍車をかけることになる可能性がある。

 

「海洋哺乳類保護法の目標の一つは、合衆国管轄区の海において、海洋哺乳類が最適な持続可能な個体数を下回る状況を引き起こすような、人間が原因となる死や深刻な怪我などにあわないように守ることです」と魚類野生生物局は本日話した。

 

かつてアリューシャン列島からオレゴン州にかけて見られたラッコは、1700年代から1800年代にかけて毛皮のために狩猟の対象となってほぼ一掃されてしまった。ワシントン州に生息するラッコの個体群は1900年代初めに根絶されてしまいました」と魚類野生生物局は言う。

 

しかし1969年と1970年、59頭のラッコがアラスカ州アムチトカ島で捕獲され、ワシントン州おりんピンク半島沖のグレンビル岬とラプッシュ付近で放流された。現在ワシントン州に生息するラッコはこれらのパイオニアの子孫なのだ。

 

特に虐待されるようなことがなければ、アラスカラッコは15年から20年生きられる。ラッコは最も小さい海洋哺乳類だ。

 

ワシントン州の古来郡は連邦法である絶滅に瀕する種の保存に関する法律のリストには掲載されていないが、ワシントン州では「州において絶滅危惧種」となっている。別の個体群であるアラスカのラッコは連邦法で保護されている。

 

ワシントン州においてラッコが増加すれば、全体の個体数に影響がない範囲で水産業や他の活動によりアラスカラッコが失われる可能性も高くなる。研究者らはこうした数を「生物学的許容採捕量(注)」として定めているが、そうした管理方法も強まっている。

 

魚類野生生物局はワシントン州のアラスカラッコの生物学的許容採捕量を現在18頭と定めている。2008年には11頭だった。

 

当局は2008年の資源評価報告の見直しを2011年に行い、見直しは不要との結論に至った。2016年のフォローアップの見直しでは、魚類野生生物局は個体数推定値や分布の変化のため、見直しは正当」と主張している。

 

訳者注:生物学的許容採捕量とは「米国海棲哺乳類保護法(Marine mammal protection act)において使用される人為的死亡の許容基準で,個体群を、自らの有する生産力を最大限利用可能な水準(K/2)以上に維持することを目的とした、強い保全的指向を持った管理方策」。水産資源学における統計モデリング - 統計数理研究所の説明より

Greenwire

Northern sea otter bounces back in Wash.

January 16, 2018