【記事】シェッド水族館、カシロフのお世話のお手伝い | Shedd Responds to an Otter in Need

本日は2017年9月29日付のShedd Aquarium blogより、"Shedd Responds to an Otter in Need"をお届けします。世界中がラッコ啓蒙週間をお祝いしている間も、座礁したラッコたちのお世話は続きます。

シェッド水族館の来場者やスタッフがラッコ啓蒙週間をお祝いしている時、当館の動物対応チームのスタッフの一人はアラスカの地で緊急対応を必要としているラッコの赤ちゃんのお世話を手伝っていました。

 

最近、私たちはパートナーであるスワードのアラスカシーライフセンターから、生後3か月のアラスカラッコの24時間ケアのお手伝いを依頼する電話を受けました。アラスカシーライフセンターは座礁した海洋哺乳類に対する認可を受けた唯一の施設です。シェッド水族館は30年近くの経験からこうした脆弱なラッコの子どもたちのケアを行う専門性を持つ、アメリカの水族館や動物園の中でも数少ない施設の一つです。

 

9月7日にアラスカシーライフセンターの野生生物対応リハビリテーションプログラムに受け入れられた時、このラッコはセンターの獣医師から生後2か月と推定されていました。このオスのラッコはキーナイ半島のカシロフの浜でひとりでいるところを発見されました。飢えて脱水症状を起こしており、また断熱の役割を果たす毛の状態も悪かったため、そのまま放置しておくと生命に危険を及ぼす低体温症になる恐れがありました。

そのラッコはセンターですぐに栄養豊富な調合ミルクなど水分補給を受け、柔らかいタオルに寝かせられ、状態が安定してくるとカシロフという名前をもらいました。生き延びるために必要なスキルがなく、長期的なリハビリテーションが必要なため、アメリカ魚類野生生物局はそのラッコを野生に返すことができないと判定しました。

現在、シェッド水族館のラッコ専門家の一人であるトレーナーのマウラ・レディングはスワードでカシロフの注中ケアを手伝っています。3時間ごとにミルクを哺乳瓶で与えたり、魚や貝を細かく切った固形のエサを与えたり、薬を与えたり、水槽を掃除したり、カシロフの行動を観察したり、体毛を整えるためグルーミングを行ったりしています。

 

自分でグルーミングができるようになれば、カシロフはセンターの"ISeaU"エリアに移り、引き続きケアを受けます。マウラはアラスカに今後数週間滞在予定で、その後ラッコチームのマネージャーであるラナ・ ヴァナガスムがカシロフのリハビリを引き続き行うため、マウラから引き継ぎを行います。

回復してくると、カシロフのケアにはグルーミングや泳ぎ、潜水、エサ取りなど、ラッコが生まれてから9か月間母親から学ぶであろう必須のスキルを与えるトレーニングも含まれてきます。

 

ラッコは種としては、世界の動物や植物の状態について信頼ある理解と評価を行っている国際自然連合(IUCN)のレッドリストに絶滅危惧種(絶滅危惧IB類)として掲載されています。亜種であるアラスカラッコはアラスカに3つの個体群がありますが、 準節滅危惧種となっています。

 

ラッコ啓蒙週間の間にこのラッコのケアに加わることになった偶然に心を打たざるをえません。この週は最も小さく、そして明らかに最も可愛らしい海洋哺乳類を祝うだけでなく、排水に含まれる陸由来の病気や、食料をめぐる水産業との競争の増加、また常に存在する大規模な原油流出の可能性などラッコたちが直面する様々な脅威や問題に関して関心を高める週でもあるのです。

 

 

当館の動物対応チームへは、シェッド水族館への寄付を通じて協力することができます。また、ラッコを象徴的に引き取ることにより、当館の5頭のラッコたちをサポートしたり、当館のラッコや野生にいるラッコたちに有益な研究をサポートすることができます。ラッコ養子プログラムには、ラッコのぬいぐるみ、養子にしたラッコの写真、証明書や四半期ごとに送られるE-メールが含まれています。

 

アラスカシーライフセンターのカシロフについては成長に伴って最新情報をお届けします。

Shedd Aquarium Blog

Shedd Responds to an Otter in Need

SEPTEMBER 29, 2017