【記事】ラッコが直面する脅威 | Saving sea otters: Continued threats

本日は2017年9月13日付のPatricia Newmanのブログから、"Saving sea otters: Continued threats”をお届けします。

私の1か月にわたるラッコ啓蒙週間のお祝いに関する3番めの投稿を読む準備はできていますか?今日はアメリカ魚類野生生物局のカリフォルニアラッコ回復・海洋保全コーディネーターのリリアン・カーズウェルがラッコが直面する脅威について語ります。

投稿その3:ラッコの未来とラッコが直面する脅威に関するリリアンの話

パトリシア・ニューマン:ラッコはどのような脅威に直面し続けているのでしょうか。ラッコ保全の世界における何か新しいことについてお聞かせただけますか。

 

リリアン・カーズウェル:ラッコは原油流出には非常に脆弱です。また、有毒な藻類(シアノバクテリアブルーム)や海へ流れこむ陸由来の病原体、漁網に絡まったり網にかかったりすること、船との衝突、銃撃などにより健康被害をうけたり死んだりしてしまいます。しかし、ひときわ死因を大きく占めるのはホホジロザメによる噛みつきです。カリフォルニアの沿岸で回収されたラッコの死体の半数以上から、サメの襲撃にあった証拠がみられました。

 

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なぜサメによる噛みつきがそんなに増えているのかということについては、私たちは実はほとんどわかっていません。サメがラッコを食べるということはほとんどなく、むしろ、ラッコをほかのものと間違えたケースです。サメは実際、ゾウアザラシやアシカなど脂肪の多い鰭脚類(ききゃくるい)をターゲットにしています。沿岸のアザラシの繁殖地の数の増加や規模拡大するなど鰭脚類の回復が、かつてはあまり重要ではなかったカリフォルニアラッコの生息域の一部へ新しくおびき寄せていることが考えられます。また、1990年代半ばにグリルネットが禁止されるようになってから、若いサメが魚を食べるコザメから哺乳類を食べる成体のサメになる移行期間を生き延びることができるようになったことも考えられます。他の仮説としては、大規模な気候変動の結果も考えられており、気候変動がサメの分布を変えてしまったのではないかというものです。どの要因が、あるいはどのような要因の組み合わせが働いてこの結果になっているのかはわかっていません。

 

分かっているのは、カリフォルニア沿岸沖の海洋生態系は1700年代後半から猛攻撃を受けており、少なくとも毛皮交易や捕鯨、乱獲、混獲などの結果その後200年間それが続き、そうしたことが海洋哺乳類や大型魚類の個体群に大きなダメージを与えてきたのです。ラッコやホホジロザメや他の海洋生物を保護する州法やランドマークとなる海洋哺乳類保護法や絶滅に瀕する種の保存に関する法律のような連邦法ができた結果、回復を目にすることができています。種ごとにその回復度合いは異なっていますが。歴史的にラッコがホホジロザメの噛みつきによる被害を受けていたとしても、かつてカリフォルニア水域にいたほど(約16,000頭)の数のラッコが現在はいないので(約3,200頭)、個体群にとっては大きな脅威になるのです。更に悪いことに、ホホジロザメによる死は、本来生息域拡大のため個体密度が多くなければならない本土生息域の北端・南端で最も多いのです。生息域拡大は絶滅に瀕する種の保存に関する法律のもと、持続可能な回復をするためどの種にとっても必要なもので、海洋哺乳類保護法の目的、つまり海洋哺乳類の個体数を自然生息域における生態系機能を取り戻せるレベルまで回復させるということを達成することが確実に必要なのです。

 

カリフォルニアの河口域はこのシチュエーションにおいてラッコにとっては安全な場所です。なぜなら、ホホジロザメの攻撃から守られ、荒天から逃れることができる場所を与えてくれるからです。しかし現在のところ、ラッコはカリフォルニアでは唯一モスランディングにあるエルクホーン湿地帯だけに再入植しているだけです。かつて数千頭が生息していたサンフランシスコ湾にラッコが最終的に再入植できた時には、カリフォルニアラッコはより確固たるものとなり、サンフランシスコ湾もこのキーストーン種の回復により生態系的に利益を受けることになるでしょう。

 

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次の月曜日は:環境に対するラッコの影響力

ラッコが関わる生態系の謎を解明した科学者、ブレント・ヒューズ博士が、ラッコがどのように海の生き物や私たち人間のため生態系を守ってくれているかについて話してくれます。

それまで待てない?

次の投稿までもっと知りたいと思う方は、私のSea Otter Heroesのウェブサイトで私が書く過程については若い作家の皆さんへのアドバイスを知ることができます。

 

[Featured photo credit: Lilian Carswell/USFWS]

Patricia Newman

Saving sea otters: Continued threats

Sep 13, 2017