【記事】モロベイのラッコたち | Sea Otter Savy

本日は2017年8月2日付のMORRO BAY LIFEより、"Sea Otter Savy”をお届けします。
モロベイはモントレーから車で2時間半ほど南下したところで、港沿いのエンバカデロという道からラッコの親子を間近に観察することができます。

モロベイのフワフワの仲間たちが絶滅の危機から復活

モロベイのエンバカデロ通りを歩くと、観光客は面白いものを見ることができる。吠えるアシカ、頭上を飛ぶ欲張りなカモメ、深くまで潜るペリカン。ほとんどの人たちが尋ねる最もワクワクする動物の一つがカリフォルニアラッコだ。モロベイには湾内に常に1~2頭のラッコがいたが、この人気ものの海洋哺乳類はここ数年ここモロベイにより多く住み着くようになった。

 

ラッコは人間と共生するという点では厳しい時代を過ごしてきた。かつては数十万頭がバハ・カリフォルニアからアリューシャン列島に至る範囲に生息していた。ロシア人やアメリカ人やスペイン人の毛皮貿易商がその密度の高い毛皮の価値を見出すまでは、ラッコはカリフォルニアの中央沿岸部にも生息していた。1740年から1911年までの間に100万頭のラッコが殺されたと推測されている。カリフォルニアの沿岸ではラッコは絶滅したと考えられていたが、1938年にビッグ・サーのビクスビーブリッジの河口で小さな群れが発見された。

 

ラッコは皮下脂肪に依存せず、分厚く豊かな茶色の下毛でできた毛皮と、銀色のガードヘアが散らばったトップコート毛により体温を保持している。1インチの皮膚にはおよそ65万本の毛が生えている。それらの下毛は非常に密度が高く空気の泡をとらえてこれが毛皮の断熱の質を高めている。ラッコがくるくると何度も開店して毛皮をグルーミングしているのを頻繁に見ることができる。これは毛皮の間に空気の泡を加えるのに役立つのだ。この泡により、ラッコは浮きやすくなってもいる。ラッコの皮膚は非常にたるんでおり、これにより頭の後ろ以外の体の隅々まで届くようになっている。頭の後ろは、手や足でグルーミングを行う。

 

代謝が高いため食欲も旺盛で、ラッコはグルーミングや昼寝をしていない時は常に食べているようだ。集中して食べる時間帯は通常早朝と午後遅くだ。エサをとる際は60フィート(訳18m)ほどまで潜り、ウニ、貝、カニ、ロブスター、タコ、ムラサキガイ、ヒザラガイなどを見つける。一度の潜水で約90秒潜れる。ラッコは殻のついた生き物を開けるのに石を見つけ、ポケットに石をいれて仰向けに浮かぶ。石に殻をぶつけて貝やカニを開け、中身を食べる。何度も潜る間、脇の下のたるんだ皮膚にその石を入れる。

 

ラッコはケルプが生息している場所もしくはその近くで見られ、大きなケルプの切れ端に出たり入ったりして泳いで楽しんできる。ジャイアントケルプ(オオウキモ)は約80フィート(約24m)の海に生息し、岩の多い海底に仮根を付着させて成長する。ラッコもまた、ケルプの森をサメやシャチのような捕食者から穂がれるために利用している。ラッコがケルプ床が好きな大きな理由の一つは、仰向けになって寝ている間ケルプに包まるのを好むということだ。ケルプは錨のようにラッコが波にさらわれるのを防ぐ役割を果たしている。

 

かつて乱獲される前にはラッコはアザラシやアシカのように浜で子どもを産んでいた。しかし現在はいかなる理由があろうともめったに浜に上がることはない。猟師にとって浜にいるラッコを捕獲するのはたやすいことだったが、ラッコは事情をすぐに呑み込み、身を守るため海へ戻っていった。現在ラッコの子どもは海の中で生まれる。

 

6月がラッコの出産期だというガイドもいれば、冬だという人もいる。モロベイでは年間を通じて子どもが生まれているようだ。湾内で母子のラッコをよく見かける。赤ちゃんは浮きやすく、幼い時は潜ることができない。母親がエサを取りに潜る間、子どもは時にケルプに包まって水面に浮かんで待っている。母親はあまり遠くへは行かず、すぐに子どものところに戻ってくる。

 

大きな群れで見られることもあるが、ラッコは実際は長い間夫婦として行動を共にすることはない。オスのラッコはメスをつかみ、鼻に噛みついて交尾するため、メスにとって交尾は痛みを伴う経験となる。茶色とピンクのまだらで痛そうな鼻のラッコがいたら恐らくはメスだろう。交尾の後は1頭の子どもが生まれ、子どもは約1年母親に依存する。

 

ビッグ・サーでラッコが再発見された後、カリフォルニアラッコは1977年の絶滅に瀕する種の保存に関する法律で保護され、また海洋哺乳類保護法でもカバーされることもになった。ラッコはケルプの森にとって非常に有害なウニを食べるという点でキーストーン種と考えられている。

 

1980年代、カリフォルニアラッコの個体数は1700頭を記録した。その数は2,300頭に増え、そのまま何年も停滞した。しかし、うれしいことに州全体でラッコの数は増加してきている。ハーフムーンベイのすぐ南からガビオタ州立ビーチまでの範囲に3,500頭以上のラッコがカウントされた。モロベイのエンバカデロのサウス・T・ピア付近を歩くと、そこに大きなラッコの群れを見ることができるだろう。他にも、モロロックの向かいのターゲットロック近くのケルプが生えているところにもラッコたちがいる。カリフォルニア魚類野生生物局のシニア環境科学者、マイク・ハリスによると、2010年にはモロベイにはラッコが10頭ほどだった。昨年は成獣が36頭、子どもが9頭カウントされている。

MORRO BAY LIFE

Sea Otter Savy

AUGUST 2, 2017