本日は、少し前の動画になりますが2016年9月19日付のMonterey Bay Aquariumの動画から、
"Sea Otters in Elkhorn Slough: A Conservation Success Story"をお届けします。
モントレーベイ水族館では、表からは見えないところでたくさんのことが行われています。
当館のラッコが展示水槽にいない時は、座礁してしまい、一人では野生で生きていけない子どものラッコを育てています。
産みの母ではありませんが、このラッコたちは子どもたちを教育し野生のラッコとして育て上げます。
野生ではラッコの子どもは通常長い間密接に母親に依存します。
サバイバルに必要なスキルという点では、非常に脆弱です。
潜ることも、自分の毛をグルーミングすることもできません。
そのため、子どもは母親のそばから離れません。
親子は通常、平均訳6~7か月間離れることがありません。
ここモントレーベイ水族館の代理母プログラムはこうした繋がりの強い期間から発展したものでした。
私たちは、子どもが自力で野生で生き延びていく準備ができるよう、かなり長い間母親代わりをしなければならないことがわかっていました。
このラッコたちは、野生のラッコたちと同様に生き延び、同様に繁殖し、野生のラッコと同様に個体群の繁栄に貢献するのです。
従って、こうしたラッコたちをバッドエンドから救うだけでなく、ラッコたちが必要としている場所に置いてあげることで、ラッコの個体数の増加に貢献し、この生態系に有益なものをもたらすのです。
代理母に育てられたラッコのリリース場所としてエルクホーン湿地帯が選ばれるのは、一つはここにラッコの小さい個体群があり、ラッコに適切な交流環境を与えることができる可能性があるためです。
ここはエサがある程度豊かで深さもあまりなく、エサを探すのを学び、飼育下から野生へ移るのものも比較的容易だからです。
20年前、エルクホーン湿地帯には20頭ほどしかラッコがいませんでした。そしてそれはすべてオスでした。
よどんで、濁っており、活気の乏しい生態系でした。
今日、エルクホーン湿地帯には140頭ほどのラッコが生息しており、約60%がモントレーベイ水族館の代理母プログラムの血を直接ひいたラッコたちです。
ラッコの数が増加するにつれ、エルクホーン湿地帯がドラマチックに変わるのを私たちは見てきました。
アマモの成長を阻害していた捕食者をラッコが食べることで、水は透き通り、魚や、巻貝など他の無脊椎動物たちの生息地が広がり、土地の崩落も減りました。
代理母プログラムの基準の中で最も重要なものの一つは、リリースされた後にそのラッコが生き延びることができるということだけでなく、最終的にはそうしたラッコたちが野生のラッコの個体群の繁栄に寄与してくれるということです。
そしてまた、代理母に育てられたラッコたちが実際にエルクホーン湿地帯のラッコの個体群にとって有益な影響を与えているということは、こうしたプログラムがカリフォルニア中のラッコの保全活動を推し進めるうえで非常に価値のあるものだということを示しているのです。
代理母プログラムはうまく機能しています。
エルクホーン湿地帯で行ってきたこの実験は、ここを20頭ほどの小さな個体群から、今日140頭ほどまで成長させており、様々な変化や生態系への有益な影響をもたらしているのです。
今、このプログラムを別の場所でも実行できる可能性があるとわかっています。
別の場所でも挑戦し、何十年、何百年とラッコがいなかった場所にラッコを再導入することで近いうちにカリフォルニアの沿岸を再生し、活力を与えることができるのです。
Monterey Bay Aquarium
Sea Otters in Elkhorn Slough: A Conservation Success Story
released September 19, 2016
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