【記事】記録的な数のモロ湾のラッコ、観光の目玉に | ‘They’re so cute’: Record sea otter population delights tourists in Morro Bay

本日は2017年3月4 日付けのThe Tribuneから‘They’re so cute’: Record sea otter population delights tourists in Morro Bayをお届けします。ラッコが観光の一つの目玉になることで、地元の経済にもプラスになることが予想されます。人が増えるとハラスメントも増えます。どうか静かに、ラッコたちを見学してください。

子連れを含め約30頭のラッコがモロ湾のサウス・Tピアを訪れる。2017年3月。Photo Joe Johnston The Tribune

3月の金曜、明るい午後、モロ湾ハーバーで記録的な数となっているラッコたちが泳いだりエサを獲ったりグルーミングをしたりしているのを見て、カナダからの旅行者ブレイン・バイガー、マリエット夫妻は二人とも微笑んでいた。

 

アメリカ西部をずっとトレッキングしているバイガー夫妻はひどい天候の中、ユタをハイキングしてきた。そしてサン・ルイス・オビスポ群のサウス・Tピアの近くでラッコの群れに偶然出くわしたのだ。

 

「ラッコは水族館では見たことがありますが、一か所にこれほどの数のラッコがいるのを見たことがありません。とってもかわいい。お母さんラッコが子どもを胸の上に乗せているのを見て。向こうで子どもが遊んでる。くるくる回りながら泳いでる」とマリエット・バイガーは言う。

ラッコは水族館では見たことがありますが、一か所にこれほどの数のラッコがいるのを見たことがありません。とってもかわいい。お母さんラッコが子どもを胸の上に乗せているのを見て。向こうで子どもが遊んでる。くるくる回りながら泳いでる。

マリエット・バイガー カナダからの旅行者

モロ湾や他の南部沿岸に生息するカリフォルニアラッコは、近年のラッコの個体数の増加に伴い、より目に見えて観光客向けの娯楽になりつつある、とラッコ研究者でカリフォルニア州魚類野生生物局の上席環境科学者のマイク・ハリスは言う。

 

5月のモロ湾における調査では、成獣が36頭、子どもが9頭にのぼり、現れるのが5頭未満が常であった2000年代初めと比較するとその数は目覚ましく増加している。

 

「5月の調査では、ラッコの数は過去最高でした」とハリスは言う。「目標は、全てのラッコの数を数えることですが、天候や水面の風により、全ての個体を数えることができません」

 

毎年、アメリカ地質調査所がサンタクルーズの北部のピジョン岬からガビオタ・ステイト・ビーチまでの本土カリフォルニア中央沿岸部沿いと、4月にはカリフォルニア南部のサンニコラス島でラッコの個体数調査を行っている。

 

過去3年のカリフォルニアにおけるラッコの個体数平均は3,272頭だ。

 

1982年にこの指数が採用されて以来、3,090頭を超えるのは初めてのことだ。これはアメリカ魚類野生生物局が絶滅に瀕する種の保存に関する法律に基づく絶滅危惧種のリストから外すかどうか決定するためのしきい値となる数だ。リストから除外されるためには、少なくとも3年連続そのしきい値を越えなければならない。10年前は、個体数指数は2,800頭を超える程度だった。

 

「このようにラッコの個体数が増加したのは、おそらくヒトデの個体数が激減したことによるものだろうと考えています」とハリスは言う。「ヒトデはウニをたくさん食べますが、ラッコもウニを食べます。ヒトデがいなくなったためラッコが食べられるウニが十分になり、ラッコの個体数が増加したのです」

 

「ウエスティング・シンドローム」という謎の病気のため、膨大な数のヒトデが死んでいる。

このようにラッコの個体数が増加したのは、おそらくヒトデの個体数が激減したことによるものだろうと考えています」とハリスは言う。「ヒトデはウニをたくさん食べますが、ラッコもウニを食べます。ヒトデがいなくなったためラッコが食べられるウニが十分になり、ラッコの個体数が増加したのです。

マイク・ハリス カリフォルニア州魚類野生生物局

たくさんのラッコが見渡せるこの場所は、ラッコを見る多くの観光客を引き寄せてきた。

 

「ラッコがキーキー鳴くんですよ」ハーバー内のボートツアーを提供しているティキ・ポートのオーナー、トマス・ポーリーは言う。「ラッコはTピアのやってくる人たちをひきつけます。ラッコたちはそこで仰向けになって浮かんでいるのが好きなようです。これまで60~70頭見ました」

 

ハリスによると、メスは集まってグループになり、縄張りを持つオスのラッコと交尾する傾向があるが、交尾の際は群れを離れることが多い。

 

モロ湾港湾局長のエリック・エンデスビーは、ラッコは賑やかになることがあるという。特に母親と子どもが離れ離れになった時、甲高い声を上げるのだ。港湾局は最近、漁網にかかってしまったラッコを救出した。

 

「ラッコたちは人間やボートに慣れています」とエンデスビーは言う。「人間と共存しようとしているのです」

 

しかし、当局はラッコとは距離をとるように注意している。

 

「ここではラッコの活動が盛んなのですが、ラッコに近づいたり、触ろうとしたりする人もいます」とエンデスビーは言う。「しかし、ラッコは休んでいるかもしれません。母親と子どもが離れ離れになってしまうかもしれません。十分距離をとることが一番よいのです」