本日は2016年10月24日付のThe Washington Postから"Saving sea otters is just part of her normal day at work"をお届けします。
アラスカ州カチェマック湾でラッコが大量死していますが、原因をさぐる調査が引き続き行われています。
アラスカで生物学者として活動するナタリー・ラウスは9時から5時までずっとオフィスに腰かけていることはない。アラスカシーライフセンターで病気になったり怪我をしたりしている海洋哺乳類のケアを手伝っている日もある。また別の日にはセンターの研究所で仕事をしたり、海鳥の数を数えたり、ヘリコプターに飛び乗り、遠隔地で死んだクジラの調査に向かったりする。また地元に住むアラスカラッコを助ける鍵になる可能性もある調査も行っている。
「冒険が好きなんです」とラウスは言う。「それから、毎日新しいことを学べるということも」
ラウスは34歳で、ネブラスカで育ったが、夏の仕事として絶滅危惧種であるベルーガのモニターのために来て以来、アラスカに滞在している。野生生物やライフスタイルが好きで、現在は雪をかぶった山々に囲まれたリサレクション湾(アラスカ南部キーナイ半島にある海)近くに住んでいる。夕方や週末には山をハイキングしたり、湾の中をカヤックに乗ったりする。時には好奇心旺盛なシャチに囲まれることもある。
ラウスは時間を2つに分けている。一つは水族館と海洋哺乳類のリハビリ施設を兼ねたセンターで働く時間で、もう一つはアラスカ大学アンカレッジ校の生物学の修士プログラムの一環でラッコの調査を行っている。
調査は、最近の悲しい傾向について行われている。アラスカ州ではアラスカラッコがここ10年以上、通常より高い比率で死んでいる。2015年には、かなり多くのラッコの死が報告された。研究者らはバクテリアが原因ではないかという。この調査では、ラッコに病気をもたらしているバクテリアがどこにあるかを特定するため、様々な場所で水や貝(水をろ過することで環境に関する鍵を示す)を集めている。
調査が終われば、おそらく来年になるが、ラウスは報告書を書いて分かったことを発表するだろう。それまでにこのプロジェクトに4年費やしてきたことになる。
ラッコはその環境において重要な指標動物だ。研究者らはラッコの健康状態から生態系全体の健康状態について多くを知ることができる。毛がふわふわで、ひれ状の足を持つイタチ科の水棲動物であるラッコは、非常に可愛らしい動物でもある。また非常に賢い。
「ラッコの賢いところも好きなんです」とラウスは言う。「問題を解決するのが本当にうまいんです。例えば、野生で、岩の狭いところにある貝を獲りだしたり」
ラウスの調査はラッコを救うことでもある。しかし、ラウスはその調査にはもっと大きな意味があるという。
「この調査は、世界をもっとよく知ることでもあるのです」とラウスは言う。「そして、ラッコに影響を与えているものは海の他の生物、しいては人間に対してすらも影響を与えている、ということを私たちに思い出させてくれるのです。生態学的な視点からみると、私たちはみなつながっているのです」
The Washington Post
Saving sea otters is just part of her normal day at work
By Kitson Jazynka October 24
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