【記事】ラッコは生態系のエンジニア | Eco Engineers

 本日は雑誌BBC Wildlife2016年6月号より、Eco Engineersをお届けします。
生態系におけるラッコの役割、直面する脅威など完結にまとめられた記事です。

北米西海岸ではラッコが劇的な復活を遂げ、ケルプの森や他の絶滅危惧種の生息地が生まれ変わった。秘密?魚介類を食べることだとイサベル・グロックは語る。

北アメリカのラッコは沿岸生態系に大きな影響力を持つ。ビーバーが陸上で生態系に影響を持つのと同様だ。写真はカリフォルニア州モントレー湾で、母親と生後3日の赤ちゃん。Photo by Suzi Eszterhas
北アメリカのラッコは沿岸生態系に大きな影響力を持つ。ビーバーが陸上で生態系に影響を持つのと同様だ。写真はカリフォルニア州モントレー湾で、母親と生後3日の赤ちゃん。Photo by Suzi Eszterhas
カリフォルニア州モスランディングの発電所の前で、のんびりしているラッコの群れ。ここはラッコを見るのにベストな場所の一つだ。Photo by Suzi Eszterhas
カリフォルニア州モスランディングの発電所の前で、のんびりしているラッコの群れ。ここはラッコを見るのにベストな場所の一つだ。Photo by Suzi Eszterhas

過去30年間、ジェーン・ワトソンは海の中が尋常でない変化を遂げるのを目撃してきた。ワトソンは毎年ブリティッシュコロンビア州のバンクーバー島の西海岸の同じ海に潜っているが、「ウニ砂漠」と言われていた場所が美しい長さ2メートルのケルプの森に変貌していくのを見ている。その2つの環境の差は歴然としている。

ワトソンはバンクーバーアイランド大学の生態学者で、特にケルプの森に関心がある。ウニ砂漠を探検する度、ワトソンはピンク色の世界に浮いている感じがする。ピンク色の石灰藻が覆いつくしているからだ。ウニやアワビ、ヒザラガイ、ナマコなどの無脊椎動物は遮るものがないため容易く目につく。「草原のような感じです。むき出しになっている環境だからです」とワトソンは言う。全く対照的に、ゆらめく茶色のケルプの中を潜るのは若い魚たちと一緒に森の中をハイキングするようなものだ。

こうした変化の拝啓には、写真写りのよい食欲旺盛な生物がいるーそれがラッコ(学名Enhydra lutris)だ。ラッコは北米西海岸から東アジアにかけて生息し、sea otterという名前から分かるように完全にウ海の生物だ。(紛らわしいが、海の沿岸に住むotter類はラッコだけではない。ユーラシアカワウソ(Eurasian otter,学名Lutra lutra)などもまた海のそばや入り江で見られる)

ウニはラッコの大好物だ。ウニに占領された場所にラッコがやってくると、ラッコは早速仕事にとりかかる。「ウニがラッコに食べられてしまうと、2週間ほどでケルプが再び成長を初めます。そのプロセスは非常に速いものです」とワトソンは説明する。ウニの数をコントロールする捕食者・ラッコがいなければ、草食性のウニは瞬く間にケルプを食べ尽くしてしまう。ブリティッシュコロンビアでウニ砂漠ができたのは、ラッコが乱獲により一掃されてしまったからだ。ラッコがいなければ、ケルプの森もない。

他の多くのotter類とは異なり、ラッコは群れを形成することがある。通常は数十頭からなるが、記録では最大2,000頭の群れがいたというから、壮大な光景だ。Photo by Suzi Eszterhas
他の多くのotter類とは異なり、ラッコは群れを形成することがある。通常は数十頭からなるが、記録では最大2,000頭の群れがいたというから、壮大な光景だ。Photo by Suzi Eszterhas
ラッコは水面で食べるため研究が容易だ Photo by Suzi Eszterhas
ラッコは水面で食べるため研究が容易だ Photo by Suzi Eszterhas

叩いて掴む

ラッコは道具を使う

ラッコは霊長類以外で道具を使う数少ない動物の一つだ(他にはイルカ、カラス、タコなどがいる)。このラッコたちは石を振りかざし、ハンマーや金床のように使い、無脊椎動物の固い殻などを砕いて開ける。潜る時には、気に入った道具を脇の下にしまうこともある。ラッコは水面に戻って仰向けになり、エサを食べるため、研究者らは容易にラッコたちが道具を使う様子を観察することができる。

最近の研究によると、ラッコが道具を使うかどうかはエサの種類に影響されることが分かった。カリフォルニアラッコはエサに占める巻貝の比率が最も高く、巻貝を砕くのに主に道具を使うため、道具を最もよく利用する。

「道具を使わなければ、巻貝を食べて生きていくことが難しいのです。非常に難しく、エネルギーを消耗し、最後には歯がだめになってしまいます」とアメリカ地質調査所の生物学者で論文の執筆も多いティム・ティンカーは説明する。「しかし、道具があればすぐに身を食べることができるのです」

絶滅の淵からの復活

19世紀までの毛皮貿易によってブリティッシュコロンビアのラッコは一掃されてしまった。しかし1960年代後半から70年代にかけて、89頭のラッコがアラスカからバンクーバー島西海岸へと再導入された。それ以来ラッコは繁殖を続け生息域を拡大し、当地のラッコの個体数はおよそ7,000頭強になっている。実際、ここではラッコが順調に回復しているため、カナダはラッコを「絶滅危惧種」から「特別な懸念が必要な種」へとダウングレードした。

ラッコはただ存在することだけで、劇的な生態系の変化の引き金となった。他の海洋哺乳類とは異なり、ラッコには寒冷な太平洋北西部で体温を保つための脂肪層を持たない。その代わり、ラッコは断熱を厚く豪華な体毛で(動物の中では最も密度が高い)に依存している。こうやって独自に適応した結果、非常に高いエネルギーを必要とするようになってしまった。毎日体重の33%を食べなければならないのだ。

生態学者はこのキーストーン種でもあるラッコが広範囲な恩恵をもたらすことを発見しつつある。ある研究では、バンクーバー島西岸でラッコがウニを食べ尽くしたところでは、ケルプの森の規模が20倍になったことが分かった。ケルプの森はメバルの幼魚のような魚にとって繁殖に適した多様性のある生息地になる。また、潮の流れを緩やかにすることで、アワビのような無脊椎動物の幼生が定着できない場所に流されてしまわないよう、ケルプの中に留まって成長できるようにしている。ケルプの森はまた沿岸の崩落を防ぐ手助けをし、大気中の二酸化炭素をコントロールする役割も持つ。

19世紀までの毛皮貿易によってブリティッシュコロンビアのラッコは一掃されてしまった。しかし1960年代後半から70年代にかけて、89頭のラッコがアラスカからバンクーバー島西海岸へと再導入された。それ以来ラッコは繁殖を続け生息域を拡大し、当地のラッコの個体数はおよそ7,000頭強になっている。実際、ここではラッコが順調に回復しているため、カナダはラッコを「絶滅危惧種」から「特別な懸念が必要な種」へとダウングレードした。

ラッコはただ存在することだけで、劇的な生態系の変化の引き金となった。他の海洋哺乳類とは異なり、ラッコには寒冷な太平洋北西部で体温を保つための脂肪層を持たない。その代わり、ラッコは断熱を厚く豪華な体毛で(動物の中では最も密度が高い)に依存している。こうやって独自に適応した結果、非常に高いエネルギーを必要とするようになってしまった。毎日体重の33%を食べなければならないのだ。

生態学者はこのキーストーン種でもあるラッコが広範囲な恩恵をもたらすことを発見しつつある。ある研究では、バンクーバー島西岸でラッコがウニを食べ尽くしたところでは、ケルプの森の規模が20倍になったことが分かった。ケルプの森はメバルの幼魚のような魚にとって繁殖に適した多様性のある生息地になる。また、潮の流れを緩やかにすることで、アワビのような無脊椎動物の幼生が定着できない場所に流されてしまわないよう、ケルプの中に留まって成長できるようにしている。ケルプの森はまた沿岸の崩落を防ぐ手助けをし、大気中の二酸化炭素をコントロールする役割も持つ。

「ラッコが人間を必要とするよりももっと、私たちはラッコを必要としているのです」とアメリカ地質調査所の生物学者ティム・ティンカーは言う。「海洋生態系で機能する要素であるラッコを復活させることは、生態系にとっても、私たちにとってももよいことです。わたしたちは生態系にいろいろな面で依存しているからです」

ティンカーはカリフォルニアでラッコを研究している。カリフォルニアもまた、毛皮貿易に打ちのめされた。かつてカリフォルニア州には15,000から20,000頭のラッコが生息していたが、20世紀の初めには、ビッグ・サー沖のわずか50頭に激減した。

今日、およそカリフォルニア沿岸には3,000頭のラッコが生息しており、その数が増えるにつれ、ラッコのもつ影響力の大きさにティンカーは驚いている。この勤勉な生態系のエンジニアは住む場所にこだわり、食欲は旺盛で、一生を小さな範囲で過ごす。そのためラッコはその場所の生態系に、予測のつかない大きな影響を与えることができるのだ。「ラッコは、やってくるといくつかの鍵となる種の個体数を完全に減らすことができる捕食者の一つです」とティンカーは言う。

Photo by Suzi Eszterhas
Photo by Suzi Eszterhas

ラッコの子育て:

世界中の12種のotter類の中でも、ラッコは特別で水の中で出産を行う。母親は仰向けになって浮かび子育てをし、胸に抱きかかえて授乳する。幼獣は5か月から8か月間、ほぼ成獣の大きさになるまで乳を飲む。

ラッコの母親はしんどい。一度に1頭しか出産しないのもそのためだ。2頭産むこともあるが、まれだ。毎年出産するわけでもない。乳を出さねばならないのに加え、母親はエサを探すのに余分な時間を割かなければならない。最近の研究によるとカリフォルニアではラッコの母親が直面する1日のエネルギー需要は、出産後17%増加することが分かった。幼獣が自立する頃までには、母親のエネルギー需要は96%も高くなる。

ラッコの母親は衰弱し、「授乳末期症候群」になってしまう危険性がある。これは病気などにかかりやすくなるため命にかかわることだ。「母親の中には子育てにエネルギーを費やし過ぎてその後回復できないものもいます」とカリフォルニア州魚類野生生物局のメリッサ・ミラーは言う。「ガス欠になるようなものです」

ラッコの母親は間違いなくこの地球上で最も献身的で働き者の母親の一つだろう。

沿岸生態系の復興

この良い例をエルクホーン湿地帯で見ることができる。エルクホーン湿地帯はカリフォルニア州モントレー湾にある大きな河口域で、写真家スージー・エスタハスはこのページにあるような素晴らしい写真の多くをここで撮影している。数年前ティンカーとその同僚たちはこの湿地帯のアマモ(海草の一種)が非常に健全で緑が美しいことに気が付いた。河口域の多くではアマモ棚は縮小していたが、その原因の一部は栄養分を多く含む農業排水にあり、それがアマモの表面につく藻類の繁殖を促しているからだった。しかし、エルクホーン湿地帯は違う。ティンカーとそのチームはラッコの復活に端をなす食物網の連鎖を発見した。

ラッコは大量のカニを捕まえた。カニが少なくなれば、その代わりウミウシ類のおうな藻類を食べる無脊椎動物が増え、海草の葉に付着する藻類を食べるため、完全に海草生態系全体に活力を与えたのだ。「私はずっとラッコは沿岸沖の捕食者だと思っていました」ティンカーは言う。「しかし、エルクホーン湿地帯では、私たちが考えもしなかった河口域におけるラッコのキーストーン種としての役割を示してくれたのです」

ラッコがカイツブリを捕食する珍しい場面。スージー・エスタハスは数年にわたる撮影プロジェクトの際、この珍しい行動を撮ることができた。Photo by Suzi Eszterhas
ラッコがカイツブリを捕食する珍しい場面。スージー・エスタハスは数年にわたる撮影プロジェクトの際、この珍しい行動を撮ることができた。Photo by Suzi Eszterhas

ティンカーは現在河口域でラッコと塩性湿地の関係性について研究を行っている。ティンカーは穴を掘るカニをラッコが食べると、塩性湿地は健全になっていくことを発見した。こうした発見はカリフォルニアの他の河口域にラッコが復活すると、危機に瀕している生息地を復活させる重要な役割を果たすことになることを示唆している。

ラッコはまた別の方法で人間の役に立っている。ラッコは人間が好んで食べる魚介類と同じものを食べるが、そうした魚介類は海洋汚染に対して敏感なため、沿岸の健全性に対する歩哨動物としての役割を果たしている。「ラッコは鏡のようなもので、私たち人間が水に排出しているものの影響を見せてくれるのです」とカリフォルニア州魚類野生生物局の野生生物病理学者メリッサ・ミラーは説明する。

数年前、ミラーは21頭のラッコがミクロシスチン中毒により死んだことを発見した。この毒素はアオコ(藻類の大発生)によりつくられるもので、もともとは淡水湖にあるものが海へ流れ込み、貝類などに取り込まれそれをラッコが食べるのだ。この発見は水質管理をする専門家らにとって目を覚まさせるものとなり、ラッコの研究家から提供された科学的データにより湖の浄化のステップを促進させることとなった。

ライバル

写真上:カリフォルニア州エルクホーン湿地帯ではラッコは浜に上がってくることがあるが、陸上では足取りがおぼつかない。左:日差しを防ぐため、手で覆っている。右:ティム・ティンカーが長期研究の一環で捕獲したラッコの歯を調べている。Photo by Suzi Eszterhas
写真上:カリフォルニア州エルクホーン湿地帯ではラッコは浜に上がってくることがあるが、陸上では足取りがおぼつかない。左:日差しを防ぐため、手で覆っている。右:ティム・ティンカーが長期研究の一環で捕獲したラッコの歯を調べている。Photo by Suzi Eszterhas

ラッコと人間の関係はよいことばかりではない。ラッコの復活が環境における素晴らしいサクセスストーリーだとみなす者も多い一方で、この愛すべき動物が引き起こした生態系の変化は水産業の犠牲のもとにあるのだ。

ラッコの個体数が歴史的に少なかった頃、アワビや貝、カニ、ウニの数が急増したが、それは北米の先住民や商業漁業関係者に大漁をもたらした。現在、アラスカ州からカリフォルニア州に至るラッコの個体数が増加している場所全てにおいて、ラッコの旺盛な食欲が経済的にも文化的にも魚介類に依存している人々との間で軋轢を生じさせている。「ラッコが戻って来ると2年で何も獲れなくなります」そう話すのは太平洋ウニ漁協会の代表、マイク・フェザーストーンだ。「2年目には割れたウニしかなくなります。採取的にはウニ漁自体がなくなってしまう。ラッコは海のネズミのようなもので、何でも食べ尽くしてしまう。ラッキーなことに、ラッコは可愛らしいですが」

特に、アワビ漁業との間の緊張は高い。ブリティッシュコロンビアではカムチャッカアワビが、カリフォルニアではクロアワビが絶滅危惧種に指定されている。アワビ漁業はアワビがとれなくなったのはラッコが原因だと言うが、これらの無脊椎動物が苦境に立たされた主な要因は乱獲によるものだと考えられている。

研究者らは、ラッコがアワビを絶滅させることはないと示してきた。ラッコはエサとなる動物の豊富さやサイズ、行動に影響を与えてきたのだ。ラッコがいなければアワビは大きく成長し目につきやすいところに留まるため人間が収穫しやすくなる。しかしラッコがアワビを獲ると、アワビは食べられないよう深いところへ移動したり岩の隙間に隠れたりする。そして時がたつにつれ、隙間に合うよう薄くなっていく。

カリフォルニアではティム・ティンカーによる研究で実際ラッコが長く生息する場所ではクロアワビの個体密度が高いという結果が出ている。この予想外の結果は、ラッコがウニを食べてケルプの成長を促し、間接的にケルプを食べるアワビにより多くのエサを供給しているということから説明がつくかもしれない。

「アワビとラッコは敵同士ではなく、実際は共に発展し、依存し合っているのです」カリフォルニア州魚類野生生物局のラッコ生態学の専門家リリアン・カーズウェルはそう述べる。短期的にはラッコによって負けを喫するかもしれないが、長期的にはラッコがもたらしてくれる恩恵が、今は苦い思いをしている人々の痛みを覆ってくれるだろう。「ラッコが戻って来たときの環境の変わりようは、人々にとてはショッキングです」とカーズウェルは言う。「しかし、時がたてば人は許し、忘れ、前に進むことができるのです」

ここカリフォルニアのモスランディングハーバーで、カリフォルニアアシカと一緒に写っているラッコのようにラッコは時に近づきやすくなる時もある。Photo by Suzi Eszterhas
ここカリフォルニアのモスランディングハーバーで、カリフォルニアアシカと一緒に写っているラッコのようにラッコは時に近づきやすくなる時もある。Photo by Suzi Eszterhas

古代の証拠

ビクトリア大学の人類学者イアン・マケシュニーはブリティッシュコロンビアで毛皮貿易のはるか以前、先住民とラッコがバランスをとって暮らしていたことを示す証拠をを探して、過去を見つめている。5,000年前にさかのぼるラッコの骨を調べ、先住民らがラッコを狩り、集落に近い沿岸の特別な魚介類を獲る場所にラッコを近づけなかった。

「これらの人々は積極的にラッコを狩り、貝を掘る浜がラッコの標的にされないようにしていました。放っておくとラッコが貝を食べ尽くしてしまうからです。庭に入って来るシカのようなものです」とマケシュニーは言う。突然現れたラッコと共存していく方法を見つけるのに、こうした伝統的な習慣がきっと先住民を導いてくれるだろう。

今日、ラッコが劇的な復活を遂げているという現実に人間は順応しているが、ラッコたちはまた様々な脅威に晒されている。油に汚染されたラッコを助ける施設はあっても、大規模な原油流出は大災害となるだろう。「そんなことがあったら恐ろしい悲劇となります。油に汚染されたラッコを助けられたとしても、その数は僅かでしょう」とカーズウェルは言う。

また海水温の上昇が藻類の大発生を引き起こし、ラッコがドウモイ酸に晒され、命に係わることがより多くなるという脅威もある。カリフォルニアでは一方、ラッコの死の主因はサメのかみつきによるものだ。ここ10年で、カリフォルニアラッコの生息域南部におけるサメのかみつきは激増した。「これがラッコの回復にとって実に障害になっているのです」とカーズウェルは話す。

こうした問題はあるが、ラッコが回復し、ラッコがもつ生態系エンジニアとしての大きな可能性もある。カーズウェルはラッコがかつての生息域に再度生息するようになったらどうなるだろうと夢みている。「ラッコが戻ってくると、私たちには想像もつかないようなあらゆる生態系の繋がりが生まれてくるのです」とカーズウェルは言う。「私たちに足りないものは何でしょう?ラッコが以前の生息域に戻ってきたら、どんな繋がりが再構築されるでしょう?」

ラッコを見るには
・自分の目でラッコを見たいなら、カリフォルニアではモントレー湾が最も良い場所だ。特にモントレーベイ水族館付近、エルクホーン・スルー・ナショナル・エスチュアリン保護区、モスランディング・ハーバー、カーメルのポイントロボス州立海洋保護区がよいだろう。もう少し北のワシントン州ではオリンピック国立公園でラッコをみることができるが、遠くからのみ見られる。
・モントレー湾では野生生物ツアーの会社がラッコウォッチングを提供している。地元のツアー会社のほか、Naturetrek、Speyside Wildlife(いずれもイギリスの会社)等。
・カナダやアラスカでは、水上からラッコを見るのが最適だ。Reef & RainforestやWildlife Worldwideなどの会社がクルーズを提供している。もしくはKingfisher Wilderness Adventures等がカヤックツアーを提供している。

BBE ONEのBig Blue Liveで関連動画を見ることができます。

http://bbc.in/24InCtr

BBC Wildlife
Eco Engineers
June 2016