本日は2016年3月12日付のMonterey Herald Environmentから、"Monterey Bay marine wildlife: Don’t get too close "をお届けします。新聞でもこのような啓蒙記事がどんどん出ているのが救いではありますが、実際ハラスメントを行う人はこのような記事には全く関心がないのです・・・。
モントレー>>モントレー湾でカヤックをすると、ラッコがケルプの森で昼寝をしているところを見つけることがあるかもしれない。カヤックに乗った人が近づくと、ラッコが見上げる。カヤックを近づけると、携帯電話を取り出す。写真を撮った時には、ラッコはすでに動揺している。
「その時にはすでに、ハラスメントの境界を越えているのです」モントレー湾国立海洋保護区の連邦施行監査コーディネーター、スコット・キャシーが言う。「殆どの人は故意にラッコを邪魔することはありませんが、その影響は積み重なっていきます」
最近の生物学者ナンシー・ブラックの事例では、人間と海洋哺乳類が近い地域で共生することの難しさを示していた。ここ数年、より多くの住民や観光客がラッコやアシカなどの動物を見ようとし、ソーシャルメディアでシェアする写真を撮るために近づこうとしている。しかし、こうした相互作用は動物たちの邪魔であり、また連邦法に抵触する。
ブラックは2月、モントレーハーバーでラッコの母子に近づき過ぎたところを撮影されていた。罰金2,000ドルを科され、以前の事件の執行猶予期間が延長された。
「もし動物たちが行動を変えたり泳いで逃げていったりしたら、それはあなたが動物たちの邪魔をしたということになります」保護区のボランティアでモニタリングコーディネーターのリサ・エマニュエルソンが言う。エマニュエルソンは、人々に安全な距離を保つよう、働きかけている。法的には少なくとも50ヤード(約45m)、そうすれば、動物たちが人間と干渉せずにすむからだ。
エマニュエルソンはチームオーシャンとベイ・ネットで何十名ものナチュラリストやボランティアのネットワークを率いている。そのグループはモントレーのカナリーロウ(訳者注:モントレーの観光地)からエルクホーン湿地帯において、敬意を持った動物観察や海洋哺乳類の保護をプロモートしている。ベイ・ネットのボランティア、マージ・ブリガディアはブラックがラッコに接したところを浜から撮影し、その事件を通報した。
「あなたが近づいたり写真を撮ったりすることが、その動物にとってはそれが今日初めてのことではない、ということを心に留めなければなりません」エマニュエルソンが言う。「それは、1000回も切られて死に至るようなものです」
低いレベルのハラスメントも繰り返されることにより、大きな影響を及ぼす。「ラッコは特に脆弱です。あまり脂肪を持たないからです」とキャシーは言う。ラッコはエサを食べ続けることと、エネルギーを節約することでバランスを取らなければなりません。通りすがりの人や写真を撮りたがる人たちを避けるために使う余分なエネルギーなどありません」
「ラッコは、わずかな生存の可能性の隙間に生きているのです」そうキャシーは付け加えた。
1972年に制定された海洋哺乳類保護法では、人々は動物から少なくとも50ヤード(約45m)離れることを求めている。動物たちが浜で日向ぼっこしていようと、ドックに座っていようと、ピアや船やブイの上でのんびりしていようと、連邦法は人々が動物の邪魔をしたりハラスメントをしないために十分な距離をとることを求めてる。泳ぐ人、サーファー、船に乗る人もまた、ハーバーの中では動物たちと距離をとらなければならない。死んでしまった動物をいじったりすることもまた、法に抵触する。
アメリカ海洋大気庁はアシカ、アザラシ、クジラ、イルカを法で規制しており、魚類野生生物局がラッコを規制している。100年前、ラッコはほぼ絶滅寸前まで乱獲されてしまった。連邦法による保護の結果もあり、ラッコの個体数は近年再興しつつある。
法を犯した者や動物を邪魔した者はまず警告を受ける。繰り返し犯行に及ぶ場合、罰金を科され、また場合によっては懲役刑となる。そうした対応はまた、動物たちが結果どうなったかにもよる、と海洋大気庁海洋漁業局のモニカ・デアンジェリスは言う。
今や携帯電話は誰でも持っており、人々はソーシャルメディアで動物との自撮りをシェアしたがる。そのため、動物たちに近づこうとする気持ちがより強くなっているとデアンジェリスは言う。通常の携帯電話で高品質の写真を撮るために、非常に近づいてしまうー確実に50ヤード(約45m)以内に。何か反応させようと、例えば手を叩いたり、アシカを突いたりする人もいる。
しかし、ソーシャルメディアにはそのような違反者の動画をシェアする人もおり、動物やその子どもにハラスメントする記録を提供し、起訴に至る場合もある。「今は誰でもカメラを持っていますからね」とデアンジェリスは言う。
研究や垂ぞ間、写真や動画撮影などで動物に干渉する必要がある場合は、許可を得なければならない。動物を邪魔することがないよう、アップ写真はプロフェッショナルに任せておいたほうがよい、とキャシーは言う。
Monterey Herald Environment
Monterey Bay marine wildlife: Don’t get too close
By Ramin Skibba POSTED: 03/12/16, 6:26 PM PST
コメントをお書きください