本日は2016年1月7日付のTHE SQUAMISH CHIEFから、"Do wolves hunt sea otters? "をお届けします。バンクーバー島のカイウクォット湾で研究を行っている研究者が、沿岸に住むオオカミがラッコを捕食している証拠を発見しました。
クエスト大学のノイフェルト、イーグル・フェスティバルの講演で「奇妙な」証拠について語る
クエスト大学の講師クリス・ノイフェルトはもともとラッコを観察するために人里離れたカイウクォット湾で行動生態学の授業を行っていたが、彼らの発見により研究に新しい道筋が与えられることになった。
「私たちは、オオカミがラッコを食べている証拠を見つけました。これは実に奇妙なことです」とノイフェルトは言う。彼は1月17日、ブラッケンデール・イーグル・フェスティバルのナショナル・ワールド・レクチャー・シリーズで発表を行うことになっている。
バンクーバー島北西部にあるその地域の沿岸に住むオオカミは、鮭、ミンク、小型のカニ、フジツボ等の海の生物で陸上での食生活を補っていることが知られているが、5月に行われたこのクラスのフィールドトリップで、ラッコの死体の一部が食べられ、内陸部へ動かされているものがあるという新発見があった。
ノイフェルトと学生らはオオカミの糞を研究室に持ち帰り、何を食べていたのか分析を行った。
「私たちはかなりの証拠を見つけました。ラッコであることが分かりました」とノイフェルトは言う。
しかし、彼らの研究はまだ初期段階であり、仮説が成り立つかどうか調べるためにもっと多くの証拠を集めている。
一番いいシナリオは、ラッコを食べているオオカミを捉えることだが、カメラを設置してもオオカミがラッコを獲っている映像をとることができていない。
ノイフェルトによると、この島のオオカミは2年半前に本土から泳いで渡ってきたそうだ。春には8頭の子どもが生まれ秋まで生き延びており、個体数がわずかに増えていると言う。
オオカミは目の前に現れたものを狩るという日和見主義であると長い間知られてきた。何頭かがエサを狩る目的で島の周囲を日に1~3周しているとノイフェルト言う。「オオカミたちはなんとかしてラッコを獲ることができているようです」
ラッコがわずかに陸に上がっている間にオオカミたちが待ち伏せしている、というのが仮説だ。
もともといたラッコは18世紀から19世紀の間、毛皮貿易の時代に消滅してしまっていた。1960年代に、問題になっている地域のすぐ北のほうにアラスカからラッコが再導入されてから、その地域のラッコの数が再び増えてきており、ラッコはオオカミにとって恐らくぴったりの獲物だろう。
ノイフェルトはもともと植物学を研究するつもりだったが、沿岸生息域に興味を持ち始めてから、専門を海洋生物学に変更した。ビクトリア大学で大学院を修了してから、生態学の博士号をとるためアルバータ大学へ進んだ。大学は海に面していない場所にあったが、彼自身はほとんどの時間をバンクーバー島の西海岸で海洋生物が異なる環境にどのように反応するかを研究して過ごしていた。
ノイフェルトの発表は、1か月にわたるコンサートや美術展を含むイベントであるブラッケンデール・ウインター・イーグル・フェスティバルの中で行われる。
発表者らは複雑な生態系が自然環境にどのように作用しているのか意識を高めるため、経験をシェアする。他にも、1月10日にカナダと数か国の古生物学についてをブライアン・チャタートンが、1月24日に気候変動がどのように動物を脅かしているかについての専門家キンバリー・ドウが、1月31日にスカミッシュ川で発見された先住民の儀式で使用された古代の石の鉢についてを考古学者のルビー・ライマー/ユンクスが発表する。講演は全て、ブラッケンデール・アート・ギャラリーにて午後8時から行われる。
THE SQUAMISH CHIEF
Michaela Garstin / Squamish Chief January 7, 2016 06:00 AM
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