【記事】ウォリーを忘れない | Remembering Wally

 本日は2015年12月10日付のバンクーバー水族館のブログAquablogから、"Remembering Wally"をお届けします。

ウォリーは海洋哺乳類保護センターへ来た時には酷い状態だったが、素晴らしい回復を遂げ、その中で多くの人々の心を射止めた
ウォリーは海洋哺乳類保護センターへ来た時には酷い状態だったが、素晴らしい回復を遂げ、その中で多くの人々の心を射止めた

2013年10月に私たちの海洋哺乳類保護センターへ到着してから、ウォリーの物語は来場者や支援してくださる皆さま、会員の皆様の心に響いていました。


トフィーノの海岸で銃創に苦しんでいるところを発見されたウォリーは、その傷が原因で失明したため、野生に帰すことができなくなってしまいました。ウォリーの保護により、多くの寄付をいただき、そのおかげでバンクーバー水族館海洋科学センターでのウォリーの最後の数年は、幸せで心地よいものになりました。ウォリーは12月9日の未明、眠りのうちに息を引き取りました。享年15歳から17歳と推定されますが、これはラッコとしてはかなり高齢です。


わたしたちはウォリーを失ってしまった深い悲しみの中にありますが、ウォリーはその悲しみと同じくらい、人々の支援という世に知られるべき希望ある遺産を残してくれました。

ラッコ水槽で初めて会ったときのウォリーとタヌ
ラッコ水槽で初めて会ったときのウォリーとタヌ

「つまりは、これは人間が素晴らしい動物にたいしてそれほど酷いことをしてしまえるのか、そして、多くの素晴らしい人々がウォリーの役に立とうとどれほど懸命になったかということを示しているのです」とバンクーバー水族館の主任獣医師、マーティン・ハウリナ博士は言います。「ウォリーは引きつづき、多くの人々にインスピレーションを与え、私たちが日々行っているたぐいまれな仕事の例となるでしょう」


同様に、子どもからお年寄りまで多くの人々から寄付をいただき、その寄付によりウォリーの最後の数年間、素晴らしいケアを施すことができました。失明のほか、ウォリーは足ヒレの一部を切断や犬歯を守るための根管治療(神経を抜く治療)が必要になる重症を負っていました。しかし、ウォリーは健康を取り戻し、当館のラッコ水槽を住まいとし、他のメスのラッコたちに定期的に紹介され、交流してきました。またウォルターは、人間と接触が皆無であった野生のオスのラッコにしては驚くべきことなのですが、スタッフが検診身体に触れることを許してくれました。こうした日々、多くの皆さんがウォリーの物語に感動し、ウォリーが年齢を重ねる間、ケアを続けるために多くの善意を寄せてくださいました。

わたしたちはきっとウォリーを忘れることはないでしょう。また、多くの皆様の素晴らしいお力添えにより、ウォリーの最後の数年間を素晴らしいものにすることができたことへの感謝も忘れることはないでしょう。


バンクーバー水族館海洋哺乳類保護センターはポートメトロバンクーバーが提供し、ティーカイシッピングに援助を受けています。自主財源による非営利組織で、保護した動物たちやリハビリの必要な動物たちを24時間体制でケアするための補助金は受けていません。保護センターへの寄付が、ウォリーのような保護され、リハビリを受けている動物たちにどのように役に立っているのかを知ってください。

らっこちゃんねるより

これはウォリーの物語でもありますが、同時にそれを支える多くの人々の物語でもあります。

1頭のラッコの死は悲しいものですが、それは同時に、瀕死の状態であったウォリーを、最後の数年間を穏やかに生きることができるまでに回復させ、ケアを行ってきた水族館のスタッフの皆さんや、ウォリーのために寄付を行ってきた多くの人々(バンクーバー水族館の寄付ページには、「ウォリーへ寄付」という項目を選ぶことができました)の大きな支えがあったことを示してもいます。らっこちゃんねるも、僅かではありますがウォリーのために寄付をさせていただいておりました。それが晩年のウォリーの人生に少しでも役立ったとしたら、それほど嬉しいことはありません。

ハウリナ博士の言葉通り、傷つける人間もいればそれを救うのもまた人間です。
同じ人間であれば、傷つけるより、助けるほうの人間でありたいと、改めて思いました。

Aquablog

Remembering Wally

by Vancouver Aquarium Dec. 10, 2015

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コメント: 1
  • #1

    ウォーリー、安らかに (火曜日, 22 12月 2015 10:28)

    こんばんは。

    たまたま見たYoutubeで、ウォーリーが銃弾を受けて重症を負っていること、
    目が見えなくなっていること、治療後はバンクーバー水族館で過ごしている
    ことを知り、少しでも役にたちたいと思い、寄付もさせていただきました。

    定期的に色々なサイトでウォーリーの様子をチェックしていましたが、水槽や
    岩に鼻をぶつけたせいか、鼻先の傷が痛々しく、見ていて辛かったです。

    なんとか、長生きをして欲しいと思っていましたが、12月に亡くなったことを
    知り、涙が出てきました。

    ありがとう、そして、さようなら。

    ウォーリー、安らかに。