本日は2015年10月10日付けのPeninsula Clarionの記事から、"Spike in otter deaths in Kachemak Bay"をお届けします。アラスカのカチェマック湾付近で発見されるラッコの死体の数が増加しているようです。
先月、カチェマック湾の海岸で死んだラッコや、死にかけたラッコがより頻繁に目撃されている。
この時期、通常生物学者らが身動きができなくなったラッコを見かけるのは週に3、4頭だ。ホーマーのアメリカ魚類野生生物局の副保護マネージャー、マーク・ウェバーによると、今年は1日に3頭から4頭だと聞いているとのことだ。
これは、予想の約5倍多いとウェバーは言う。
直ちに最も注目すべきことは、見つかったラッコたちの多くがやせ衰えていなかったということだ。浜に打ち上げられる海洋哺乳類のほとんどは骨ばり、いかにも病気のように見え、体重の大部分を失っているとウェバーは言う。
「8月の終わりにこうしたことが起こり始めたとき、私たちは、ラッコの多くが全く何も悪いところなどないように見えるということに気がつきました」とウェバーは言う。「ラッコたちは死んでいるということ以外は、非常に健康そうに見えたのです」
ウェバーによると、ホーマーでは閉鎖になったビーチはない。ラッコたちは明らかに何か問題があるため、ウェバーは市民にラッコに近づいたり、ペットを近づけたりしないよう周知を急いでいる。病気のラッコは凶暴になる可能性もあり、また犬に感染する病気を持っている可能性もあるとウェバーは言う。
「アラスカでは野生生物の猟をする人が多く、生計を立てるためにラッコ猟を行なう人も多いですが、浜にいるものは健康でないことがほとんどです」とウェバーは言う。「ラッコは通常、捕食者になるものが近づけない場合、浜に上がってきますが、もしラッコを見たら、何かおかしいというシグナルだと認識する必要があります」
ウェバーとボランティアらはラッコを保護・回収し、スワードにあるアラスカシーライフセンターへ運んできた。
ラッコは生きていれば回復の見込みがあるかみるため、獣医が担当する。もし死んでいれば病理学者のもとへ送られ、死因の特定が試みられる。
魚類野生生物局とシーライフセンターは死因の特定を試みるために協同して検死を行なってきた。
生体標本の多くはまだ検査中ではっきりした死因は断定されていないとアンカレッジの魚類野生生物局の公務専門家、アンドラ・メデールスは言う。
「調査は進行中です」とメデールスは言う。「どの病原体が死をもたらすのかという結論にはまだ至っていません。まだ関連性については結論がでていません」
2015年、今のところカチェマック湾の海岸で報告された死んだラッコ及び生きているラッコは200頭以上になるとシーライスセンターと魚類野生生物局の合同のニュースリリースは伝えている。
シーライフセンターのスタッフ獣医、キャリー・ガツ博士は、毎年主な死因は外傷と細菌による感染症だと言う。
博士は、外傷は比較的見つけやすく、細菌による感染症で死んだラッコは慢性的に病気である傾向があると言う。今年回収されたラッコは見かけは健康だが、身動きが取れなくなっている時は瀕死の状態にある。反応もなく、動くこともできないと博士は言う。
「明らかな死因が見当たらず、何が起こっているのか理解することを制限してしまうのです」ガス博士は言う。
シーライフセンターは多くラッコを引き受けたが、助けることができなかった。しかし、なんとか2頭の赤ちゃんラッコを助けることができたが、非常に幼いため自然に返すことはできないと博士は言う。
博士によると、関連している3つの組織(魚類野生生物局とシーライフセンター、そしてアラスカ獣医病理学サービス)はよく協同できている。解剖、つまり死んだラッコの分析の多くはアンカレッジの魚類野生生物局の施設で行なわれるが、シーライフセンターもいくつか協力してくれていると博士は語った。
最近数ヶ月間、カチェマック湾において、ナンワレックとセルドビア地域の海鳥やフジツボを含む複数の種の動物の死に関する報告が増えている。ウミガラスについては、明らかに餓死と思われるものが浜で見つかっていると地元の環境オブザーバーネットワークが言う。
ガツ博士は、ウミガラスの死因については餓死だと思われる以外の原因についてははっきりしないと言いつつも、今年の夏アラスカでは多くのウミガラスの死に関する報告があったと述べた。また、死んだクジラについての数も増えているが、残念なことに容易に近づいて検査することができないと言う。
博士は、カリフォルニアからアラスカ南部にかけての太平洋沿岸はアオコの大発生の真っ只中だと言う。研究者たちはまだはっきり分かっていないが、そのアオコの大発生は有害な毒物を生み出す。しかし、現在調査中だと言う。
ウェバーによると、原因についての最新情報と将来的に起こされる行動については市民に発表されるだろうとのことだ。その間、死んだ動物や死にかけた動物を目撃した場合は、シーライフセンターの海洋哺乳類ストランディングホットライン(888-774-7325)に電話をするようすすめている。
「私たちに情報をくれているのは、浜に出かけていっている市民のみなさんです」とウェバーは言う。「その情報が、今何が起こっているのかを、私たちが知る助けになっています」
Peninsula Clarion
Spike in otter deaths in Kachemak Bay
By Elizabeth Earl Posted: October 10, 2015 - 8:30pm
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