本日は2015年9月22日付のバンクーバー水族館のブログから"A Sensible Article on Sea
Otter Senses"をお届けします。
ラッコにも五感がありますが、生きていくためにどのように使っているのでしょう。
あなたは、バンクーバー水族館の手つなぎラッコの動画を見た2,100万人の中の一人ですか?ラッコはフワフワでぷかぷか浮かんで寝ているだけではありません。バンクーバー水族館のラッコ啓蒙週間は9月19日から27日ですので、この間、ラッコたちが日々周囲を探検している際に使っている五感についてお話ししましょう。
視覚
他の海洋哺乳類と比べて、ラッコは比較的水の上も中もよく見えます。ラッコが水陸両生の海洋哺乳類であることからも、なるほどと思いますね。ラッコはみな周囲の物に対して注意深い性質を示します。実際、朝、最初のスタッフもしくは来場者が到着すると、ラッコは周囲で起こることに対して機敏に反応します。心も体も活動的に維持できるよう、ラッコたちは毎日エンリッチメントのアイテムやおもちゃを与えられますが、ラッコたちには「お気に入り」のおもちゃがあるのだということがわかります。トレーニングセッションの際も、視覚の鋭敏さがはっきりわかります。ラッコたちはトレーナーたちを区別できますし、トレーナーたちがラッコに特定の動作をさせるための視覚的な合図やハンドシグナルを理解することもできます。
聴覚
研究によると、ラッコは水の上では非常に鋭い聴覚を持っていますが、水中ではそれほどでもありません。ラッコはほとんどの時間を海の上で浮かんで過ごしていますが、ワシやシャチなどの捕食者が近づいてくるのが聞こえるのです。ここバンクーバー水族館ではラッコたちは水の上ではトレーナーの声が聞こえているだけではなく、自分の名前が呼ばれるのが分かるのです。4頭のラッコたちはみな水の上にいるときは鋭い聴覚を示しています。トレーニングセッションの際、それが分かる場面に出くわすこともあるでしょう。
触覚
私たちが周囲のものを触るように、ラッコたちも周囲の環境を感知し様々な手触りのものを手やヒゲ(洞毛と呼ばれる)を使って特定することができます。ウォーリーを観察していると、触覚がどのようなものかはっきりわかります。銃で撃たれた怪我がもとでウォーリーは全く目が見えません。トレーナーの声は聞こえますが、しばらく眺めているとウォーリーが自分の周囲を注意深く触っているのに気が付くでしょう。泳いでいる時、ウォーリーは頭の上に手を伸ばしガラスや岩を触っています。また、ヒゲもよく使っています。ウォーリーは水槽で生きたカニを見つけることもできますし、ものすごい勢いで食べることもできるのです!ヒゲは1本1本繊細な神経が繋がっており、エサを見つけるのに海の底にヒゲを滑らせます。
嗅覚
ラッコの鼻はかわいい顔の上にちょこんとのっているサクランボのようなものであるだけでなく、役に立つものです。ラッコの嗅覚は非常に鋭敏です。他の施設での研究によると、この鋭い嗅覚によりラッコは汚染された貝と安全な貝を見分けて食べるそうです。鋭い嗅覚を持つことはラッコにとって重要で、ラッコは様々な匂いをかぎ分けているようです。独特な強いにおいのある物に対しては、ラッコはより強い反応を示します。例えば、エルフィンは他の匂いよりもコーヒーの匂いにより強く反応をするようです。
味覚
最後に、味覚について忘れてはいけませんね。もし動物に生まれ変わらなければならないとして、あなたが海産物が好きなら、ラッコに生まれることをお勧めします。ラッコは毎日、二枚貝、イカ、エビ、ホタテ、カニ、タラなどの海産物を体重の4分の1の量食べます。ラッコは海洋哺乳類の中で唯一、食べ物を噛んで食べます。他の海洋性哺乳類はまるごと飲み込む前にエサをくわえるために歯を使います。エサを味わっているのかどうか知ることは難しいですが、この大食らいの毛むくじゃらのラッコは海産物を非常にたくさん食べるため、1頭当たり1日90カナダドル(約8100円)、年間3万カナダドル(約270万円)かかります。海産物を食べるのは高くつきますね。
エルフィン、ウォーリー、タヌ、カトマイはみな保護され、野生に帰すことができないラッコです。海で生きることはできませんが、このラッコたちの棲家であるバンクーバー水族館で五感を働かせて生きています。このラッコたちの協力を得て私たちは日々ラッコの研究を続けており、最も大切なのは、このラッコたちが来場者のみなさんやわたしたちスタッフに、畏敬の念をかんじさせてくれたり、海やそこに住む動物たちのことをもっと知りたいと思わせてくれるのです。
バンクーバー水族館へ寄付することで、保護されたラッコたちのケアや、海産物をたくさん食べる旺盛な食欲をサポートすることができます。
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