本日は2015年7月26日付のGIZMODOから、"Sea Otters Use Tools, and Archaeologists Are On the Case"をお届けします。先日のラッコの道具の使用に関するハカイ研究所の記事についての記事を分かりやすくかみ砕いてあります。
長い間、私たちは道具を使うことでわたしたちが人間たりえることができたと考えてきたが、そうした能力は他の霊長類や、カラスやラッコのような驚くべき動物にもあるのだ。ラッコの道具についての研究に興味をもつ考古学者もいる。
考古学者たちは、わたしたちの祖先が残した物質的なものを通じて人類の道具の使用の歴史を何十年も研究してきた。近年、考古学者たちはチンバンジーが捨てた道具や道具を作る歳に残したゴミなどから、チンパンジーの道具の使用を研究するという同じ方法を使い始めた。現在、霊長類を研究している考古学者の中の小さいグループが、ラッコに注目しようとしている。
ラッコは道具を使う数少ない霊長類以外の動物の一つだ。巻貝の柔らかな身を食べるために石を使って開けることを幼い頃から学ぶラッコがいる。
近年、生物学者たちによるとラッコがどのくらいの頻度で道具を使うか、あるいはラッコが道具の使い方を学ぶかどうかが分かってきた。それは、それぞれの地域で最もよく食べられているエサの種類と関係があるようだ。例えば主にウニを食べているようなラッコは、巻貝を主に食べているラッコに比べて道具の使い方を学ぶ傾向が低い。つまり、ラッコは地域ごとに文化のようなものを持っているかもしれないというのだ。
生物学者たちはまた、ラッコが知識をすぐにその個体群に属するラッコたちの間に広めるということがわかった。あるラッコが例えばその地域では目新しい魚を食べたり、船の船体で巻貝の殻を割ったりというような新しい方法を発見すると、数週間、数か月後には他のラッコが同じ行動を学ぶようになる。それは、道具を使うということが単に本能的なものではなくもっと複雑なものであるということを示している。(とはいえ生物学者たちは道具の使用を学ぶにあたり本能も機能していると考えてはいる)
だから考古学者たちは興味をもっているのだ。研究者たちがどうやって、いつ、なぜ道具が使われるようになり他の仲間に広まっていったのかを知ることで、チンパンジーやカラス、ラッコやその他の動物たちが共通して持っているもの、そしてわたしたちとは何が違うのかを知ることができるのだ。
しかし、考古学者たちにとってラッコの研究は非常に困難だ。ラッコは用が済んだら石や割った貝を海に捨ててしまう。海の底では、貝を割るのに使われた石は他の幾多の石に紛れてしまう。
そのため、考古学者たちは海における道具の使用の進化を研究するために太古のラッコの骨格に目を向けるようになったのだろう。巻貝の殻はラッコが歯で噛み砕くには硬すぎる。骨の同位体分析により研究者たちはラッコがかつて何を主に食べていたのかを知ることができ、また巻貝を食べていたラッコの歯が欠けていなかったのは恐らく道具を使っていたからだろうという結論を導くに十分な論理なのだ。
[Hakai]
GIZMODO
Sea Otters Use Tools, and Archaeologists Are On the Case
Kiona Smith-Strickland 7/26/15 7:09pm
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