【記事】ラッコの回帰か? | The return of the sea otter?

本日は2015年6月4日付のオレゴン州のメディア、The Daily Astonianより"The return of the sea otter?"をお届けします。アメリカ西海岸で唯一ラッコの回復計画が失敗しているオレゴン州。先日のワシントン州でのラッコの死体発見を受けての記事です。

Google マップは現在の Cookie 設定では表示されません。「コンテンツを見る」を選択し、Google マップの Cookie 設定に同意すると閲覧できます。詳細は Google マップの[プライバシーポリシー]をご確認ください。Cookie の利用は、[Cookie 設定]からいつでも変更できます。

前回コロンビア川とウィラパ湾でラッコが一般の人に目撃されたのは、まだライト兄弟が飛行機を飛ばそうとしたり、タイタニック号の沈没が大きな話題になっていた頃のことだった。


ラッコが静かに絶滅の淵に追い込まれたのは、金のために乱獲され、ほとんどいなくなるまで気に留める者がほとんどいなかったからである。


最近ワシントン州ロングビーチの浜で残念なことに2頭のラッコの死体が発見されたが、あれから100年がたった今、ラッコがアメリカ本土西海岸に沿って、絶滅から少しづつ回復を遂げつつあるといえる。


この2頭のラッコはその地域に住んでおり、何等かの問題にぶつかったのかもしれないが、生物学者たちはワシントン州北部沿岸に住むラッコが回復してきたものの一部で、カリフォルニア海流に乗って死体が南の方へ流されてきた可能性があると推測している。


2009年、1頭もしくは2頭の生きたラッコがコロンビア川河口で目撃されたが、それもただ通り過ぎていっただけであったのではないかと疑問視されている。


1969年と1970年に数十頭のアラスカのラッコがワシントン州の水域に移殖されてから、その数は1,000頭以上に増えた。回復計画では、ワシントン州で約2,700頭までになることを想定している。この2頭のラッコは目標からの一時的な後退に過ぎない。全ての野生動物と同様、ラッコも自然に死んでいくからだ。十分に生息地が広がり、原油流出や伝染病などの災害に対して生き延びていけるだけの遺伝的多様性を持つ自立した個体群になることが目標だ。


カリフォルニア州ではカリフォルニアラッコという別の個体群が約3,000に達した。


オレゴン州では、ラッコの回復は成功しているところがない。ここでは1970年代、再導入計画は原因不明で失敗に終わった。過去数年の間、何度か目撃情報があったが、ワシントン州もしくはカリフォルニア州から若い成獣が冒険のためにやってきたようだ。


 www.oregonwild.org/wildlife/otter-watchでオレゴンワイルド(オレゴン州の自然保護団体)はオレゴン州のラッコを復活させる努力を続行すべきだと議論している。オレゴン州に生息していた最後のラッコは1907年に殺されてしまった。


「海洋生態系の関わりは広く影響を及ぼしています」オレゴンワイルドはこのようにみている。「ラッコはキーストーン種です。つまり、その存在の有無が環境に大きな影響を及ぼします。ラッコは海の生息域でウニの数を調整することにより、バランスを保っています。ラッコがいなくなれば他の種が餌や棲家として依存しているケルプの森がウニに食べ尽くされてしまいます。オレゴンではケルプの森が減少してきたため、メバルや他のケルプの森に依存する種を維持できなくなってきています」


ラッコはかつてアストリアとチヌックの先住民にとって経済の主柱だった。その高価な毛皮はチヌックに絹や他の高級品をもたらし、アメリカやイギリス、ロシアや他の貿易商がそれを売って金に替えた。ラッコの乱獲で利益を得てきた私たちにとって、今がラッコがかつて生息していた水域に戻ることができるよう助ける時なのだ。


オレゴン州魚類野生生物局はラッコの回復計画に取り掛からなければならない。

The Daily Astonian

The return of the sea otter?

June 4, 2015 11:07AM