【記事】アラスカ~氷の王国で生きるラッコ~| Alaska: Earth's Frozen Kingdom: Episode 1

今回は、BBCで放送中の3回シリーズのドキュメンタリー番組"Alaska:Earth's Frozen Kingdom: Episode 1"から、アラスカの厳しい冬から春にかけてのラッコに関する部分を抜き出して書き起こしました。イギリスにお住まいの方はこちらから動画を見ることができます。

BBCの公式ウェブサイトでは全編を見ることができます(イギリスにお住まいの方のみ)

公式ではありませんが、動画サイトなどにアップロードされているものもあります。

北極圏付近では、冬が遠ざかるということはありません。

常に風向きが変わります。

 

北大西洋からの風は、海の上を吹き荒れます。

風は水分を吸収し、ブリザード(ひどい吹雪)を引き起こします。


このラッコたちにとって、これ以上大変な季節ありません。

氷点下20度。

母親ラッコは赤ちゃんを歯で咥え、凍えないように守ろうとしています。

この小さな赤ちゃんはまだ生まれて数日しかたっていません。

運が悪ければ、春を迎えることはできません。

中には、そのような冬の嵐を避ける方法を見つけ出すラッコもいます。

 

ここはバルディーズ。アラスカにある、雪の多い町です。

 

他の港と同じように、冬の間ここは放置されています。

誰も、このような天候のときに漁をしたいとは思いません。


・・・そうですね、全員というわけでもなさそうです。

穏やかな水の中で、雄のラッコが一人で貝を採っていました。

ラッコは1日に体重の4分の1を食べます。

少し雪が降っていますが、大丈夫です。

動物の中で最も密度の高い体毛を持っているからです。

近くで、雌のラッコが自分だけの場所を見つけました。

産まれて数日の赤ちゃんを連れています。

母親はすべての面倒をみなければなりません。

母親は、子どものラッコを暖かく、乾いた状態にしておかなければなりません。

そのために何時間も費やします。

体毛の中に、空気を吹き込みます。

毛がふわふわになればなるほど、子どもは暖かく過ごすことができます。

子どもを育てている間、母親は通常の2倍食べなければなりません。

もう間もなく、母親は子どもを置いてエサを採りにいかなければなりません。

しかし、その子どもはまだ泳ぐことができません。

除雪することにたいして、我慢強い人はあまりいません。

二度と暖かくならないようにも思えますが、太陽が戻り海が穏やかになります。

漁師たちが、アラスカの漁の季節のため、船の準備を始めました。

 

港が忙しくなってくるとラッコたちも動き始めますが、こうした隠れ家で過ごすことで、命を守るのです。

母親のラッコが大きくなってきた子どもを連れて外海へ出ていきます。

子どもにちょっとしたサプライズを用意しているようです。


子どもは急に独りぼっちになってしまいました。

しかし、どこへ行くこともできません。

母親が毛をふわふわにしてくれたので、水に沈むことはありません。

子どもは、何もできません。ただ、水に浮かんで円を描いているだけです。

自分でエサを食べると、母親は子どものところへすぐに戻り、子どもにも食べさせます。


母親は、このようにして、更に6か月間子どもを育てるのです。