陸で休んでいたラッコの親子が、水に戻っていきました。
子どもをゴロゴロ転がしている間も、辺りを非常に警戒しています。
撮影日:2015年1月2日
撮影地:Moss Landing, CA
撮影:らっこちゃんねる
私たちがよくラッコを観察しているモス・ランディング・ハーバーにはラッコがたくさんいますが、そのほとんどは雄です。雌は、そこから続くエルクホーン湿地帯の奥で別に群れを作って住んでいます。
以前、【記事】ラッコの母親業は楽じゃない |Motherhood is no picnic for
sea otter mumsでもご紹介しましたが、子育て中の母親ラッコは栄養不足とストレスから、非常に弱っています。その結果、生き延びるために仕方なく子どもを捨ててしまうこともあります。
そんな母親たちにとって、外海のように荒れることもなく一年を通じて穏やかで、上がって休む場所もあるエルクホーン湿地帯は子育てするのに最適なところなのでしょう。
雌の中には、エルクホーン湿地帯の奥からわざわざ河口付近のモス・ランディング・ハーバーへやってくるものもいます。潮の流れが強い河口付近のほうが、餌が多いからかもしれません。カヤックで行ってもそれなりに大変な距離ですが、子どもをお腹に乗せてわざわざ時間をかけて移動してくるのです。
この親子は最初、砂浜に上がって休んでいました。ちょうど、カヤック乗り場の向い側です。
母親は、水面のほうから自分の子どもが見えないように後ろに隠していました。近くにはアザラシの群れが同じように休んでいて、あまり目立たなかったからか、ラッコの親子であることに気が付かないで通り過ぎる人も多かったようです。しかし、一人が気づいて親子の前で止まると、他のカヤッカーたちも寄ってきます。みな間近でラッコの親子を見ることができて興奮しているのでしょう。気持ちは分かります。でも、あまりの興奮に、カヤックを借りる際にサインした契約書に必ず書いてある「動物とは最低15フィート(5メートル)離れなければならない」「動物にカヤックの鼻先を向けない」という約束をすっかり忘れてしまうのです。
子育て中のラッコは非常に警戒心が強く、このラッコも水に戻っていきました。
しかし運が悪いことに、相手のカヤックも水の上で、写真を撮ろうと必死に追い回してきます。この親子は、カヤックの追跡から逃げるため、ハーバーの中をぐるりと1周して戻ってきました。その一部始終を見ていて、非常に憤りを覚えました。
Youtubeの動画説明欄(英語)にはかなり手厳しいことを書いてしまったのですが、ラッコがかわいいと思うのであればどうしてラッコの生活をもっとリスペクトできないのでしょうか。あくまで相手のホームにお邪魔している立場なのだということが分からない人が多いのであれば、いっそのこと、カヤック禁止にすればいいのに、と思ってしまいます。
この親子が、余計なストレスを受けずに生き延びてくれたらいいのですが。
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