本日は2014年11月25日付のUniversity of California Santa Cruz Newscenterから、"Sea otter at UC Santa Cruz's Long Marine Lab turns 21 years old"をお送りします。海洋研究で有名なカリフォルニア大学サンタクルーズ校で研究に協力しているラッコ、テイラーが21歳を迎えました。
赤ちゃんの時に浜に打ち上げられていたラッコ、テイラーが今月、カリフォルニアラッコの平均寿命よりはるかに長生きである21歳を迎えた
カリフォルニア大学サンタクルーズ校、ロングマリン研究所のラッコ、テイラーが11月、21歳を迎えました。飼育員の知る限り、カリフォルニアラッコで最高齢を記録するとのことです。研究所にいる間、テイラーは野生のラッコの将来を良くするための努力に、しっかりと貢献してきました。
「テイラーはラッコ大使です」とボウ・リヒター氏は述べました。リヒター氏は、カリフォルニア大学サンタクルーズ校の生態学・進化生物学教授テリー・ウィリアムズ氏率いる海洋哺乳類生理学プロジェクトのトレイナーです。
テイラーは2005年から実績ある一員で、科学分野、教育分野で積極的に参加してきました。しかし、ここ数年は事実上、目が見えなくなっていました。とリヒター氏は述べています。「健康状態は素晴らしいです。行動的には少し落ち着いていますが、それでも活動的です」
11月9日、テイラーは飼育員のチームが作った特別な食べ物で誕生日を祝いました。(ビデオ参照)テイラーは1993年、まだ赤ちゃんの頃にペブルビーチの浜に打ち上げられているところを保護されました。当時、左目に廃油ボールがあり、両目とも結膜炎になっていました。モントレーベイ水族館のラッコ保護プログラムがテイラーの治療とリハビリを行いましたが、野生に帰す試みは上手くいきませんでした。
野生生物の担当局がテイラーを野生から引き戻すことを推奨したため、テイラーは1998年にロングマリン研究所へ初めてやってきました。研究所では研究員たちとともに仕事をすることや、飼育下で生きていくための基本的な訓練を受けました。その後コロラド州デンバーのオーシャンジャーニー(現、ダウンタウン水族館)のラッコの展示の一員として約6年間を過ごしました。そして2005年、テイラーはロングマリン研究所へ戻ってきました。
テイラーがロングマリン研究所で参加したプロジェクトで最も重要なものは、カリフォルニア州の魚類野生生物局との協力による研究でした。その研究の結果、原油流出後のラッコの洗浄とリハビリの技術が劇的に進歩しました。またテイラーは様々な心拍数に関する膨大なデータを提供し、心拍数のモニタリングに頻繁に、一生懸命協力してくれました。とリヒター氏は語ります。
「テイラーはカリフォルニアラッコの自然史を私たちが知るうえで非常に素晴らしい貢献をし続けてくれています。また、学部生たちが海洋生物の取り扱いや一緒に働いていく方法を学ぶ手助けをしています」
カリフォルニアラッコ(Enhydra lutris nereis)は国によって絶滅危惧にリストアップされています。過去には人間の飼育のもとで18年生きたカリフォルニアラッコがいました。2015年には、数頭のカリフォルニアラッコがその年齢を超えると見込まれています。アラスカラッコ(Enhydra lutris kenyoni)の中には人間のケアのもとで20歳を超えるものもいくらかいます。それでも、テイラーはカリフォルニアラッコの中では長老なのです。
現在南極でウェッデルアザラシを研究しているウィリアムズ氏は、1994年、ロングマリン研究所で海洋哺乳類生理学プロジェクトを立ち上げました。データ収集に自発的に協力するために訓練された動物たちとともに研究し、そのプロジェクトはイルカやアザラシ、そしてラッコを含む海洋哺乳類の膨大なエネルギー的、生理学的、生体力学的な要素を調査しています。最終的なゴールは、変化しつつある環境の中で海洋生物が生きていくためにはどのくらいのものを要するのかを理解するということです。それは、海においてこうした動物たちが生きていくために必要な資源を守るための努力に対して、重要な情報を与えてくれるのです。
University of California, Santa Cruz
Sea otter at UC Santa Cruz's Long Marine Lab turns 21 years old
November 25, 2014 By Tim Stephens
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