あなたにできること | Take Action
ラッコ啓蒙週間(Sea Otter Awareness Week)に毎日ひとつづつご紹介した、「ラッコ啓蒙週間(と毎日)ラッコのためにできること7つ」をまとめました。
ラッコは、日々様々な脅威にさらされています。(詳しくはこちらをご覧ください)
自分にできる範囲のことでも構いません。一人一人が「学ぶ、知る、行動する、広める」を行うことが大切です。
1.ラッコとその生息域について知る
もっとも簡単で単純なこと、それはラッコやその生息域について知ることです。
なぜラッコは重要なのか。なぜ私たちはラッコを助けなければならないのか。可愛らしいから?それだけが、多くの人がラッコ保全のために力を尽くしている理由ではありません。
人間がラッコを絶滅寸前まで追い込んでしまった
ラッコの保全により、生態系の再構築が起こり、沿岸生態系が健全になり多様性が実現している
というのが大きな理由です。
らっこちゃんねるの「ラッコ百科」を一通りご覧いただくか、以下のウェブサイトなど(全て英語)でラッコについて、またなぜ私たちにはラッコが必要なのかを知ることができます。
Friends of the Sea Otter
Monterey Bay Aquarium
ラッコ啓蒙週間のオフィシャルサイトも忘れずに!
http://www.seaotterweek.org/ (リンク切れ)
2.ボランティアをする
同じ志を持つ人と時間を過ごしたい。そういう人にはボランティアがおすすめ。多くの団体では調査やケア、水族館ガイドなどのボランティアを受け入れています。詳しくは各団体にお問い合わせください!
啓蒙活動
Sea Otter Foundation and Trust
ラッコの保護・リハビリ
Monterey Bay Aquarium
Marine Mammal Center
ラッコを飼育する水族館
こちらのページご覧ください
上記団体のようにラッコに直接かかわらななくとも、海洋環境保全団体などが主催しているコースタルクリーンナップ(浜辺のゴミ拾い)などのイベントに参加するのもよいでしょう。
3.ラッコのために働く人をサポートする
ラッコ保全のために働く人たちを支えることもまた、ラッコを助けることに繋がります。
★寄付する
多くの団体は非営利団体で、皆さんからの寄付金(税金の控除の対象になることが多い)はそうした人々にとって大きな助けになります。どんなにわずかな金額でも役立ちます。
カリフォルニアにお住まいの方は、州税の申告の際、カリフォルニアラッコ基金へ寄付することもできます。
★団体の会員になったり、施設を訪問する
ラッコ保護などの団体の会員になることでサポートすることもできます。多くの団体は様々な会員資格を用意しています。また施設への入場料やラッコツアーへの参加費も動物のケアや研究に使われます。
★ラッコの里親になる
ラッコの里親プログラムを用意しているところもあります。実際にラッコをそばに置くことはできませんが、里親になることでサポートすることもできます。いくつかの団体は里親キット(ぬいぐるみや本など)を用意しています。
4.環境に優しくなる
海の汚染の殆どは陸地での活動に由来していることを知っていましたか?
★オーガニック製品を使う
日本とアメリカではオーガニックの基準が異なっていますが、日本のJAS規格(有機栽培)では
・化学肥料を使わない
・禁止されている農薬を使用しない
・遺伝子組み換えの種を使用しない
などが規定されています。
農場からの排水には窒素やリンが多く含まれており、これらが海に流れ込んで富栄養化し、アオコや赤潮発生の原因の一つとなっています。こうした藻類が成体毒素を算出し、それを吸い込んだ貝類を通じてラッコをはじめ多くの生き物に健康被害を及ぼします。
オーガニック製品を選ぶことは環境に配慮して生産された食品を選ぶことでもあり、そのような農家を応援し、更に多くの農家が同じ取り組みを始めるきっかけづくりにもなります。
★環境に優しい製品、持続可能な方法で作られた製品を選ぶ。
電化製品であれ車であれ、環境に配慮した製品や省エネルギーの製品を選びましょう。企業が環境マネジメント関連の認証(ISO14000シリーズ)を取得しているかどうかも製品の選定基準の参考にしましょう。
日本では持続可能な方法で採取された魚介類かどうかを判断する機関は存在しないようですが、そのような基準がきちんとできることも期待したいですね。
★リユース、リデュース、リサイクル。
リサイクルできるからといってペットボトルの飲料をたくさん買うのでは、本当に環境に配慮したとはいえません。お茶などは自分で作って水筒で持ち歩きましょう。
日本では使えるものがたくさん捨てられています。自治体などで、使える家具や電化製品のリサイクルや個人売買を助ける活動をしているところもあります。捨てる前に、誰かがそれを必要としていないか、ちょっとだけ探してみましょう。
★使い捨てビニル袋にNO。
自治体のいくつかでレジ袋を有料としているところもあります。最近はおしゃれなエコバックや、小さく折りたためるもの、保冷機能のあるエコバックなどもたくさんあります。世界中で年間に何十億枚ものレジ袋が使われ、捨てられ海へ流れていくものが少なくありません。死んだウミガメやイルカなどの胃からビニル袋やプラスチック製品が多く見つかっています。きちんと捨てることも大切ですが、数分でゴミになるものをあえてもらう必要もないかもしれません。できるだけ再利用できるエコバックを使いましょう。
★ゴミはゴミ箱に捨てる。
地面に落ちたゴミ、河川敷や海岸に捨てられたゴミは海へ流れ込みます。
毎年膨大ばゴミが海へたどり着き、それはまた浜辺に流されてこなければ、ずっと海を漂うか、海の底に沈んでいくことになります。海は広く深いため、膨大はゴミを吸い込んでも私たちはなかなか気が付きません。でも、確実にそうした汚染は、生物などを通じて人間にも跳ね返ってきます。
こうした行動一つ一つが、ラッコが生息する環境を良くする手助けとなります。
5.ネコのふんをトイレに流さない
ネコの多くはトキソプラズマという寄生虫に感染しています。この寄生虫は宿主であるネコ自身には何の害も及ぼしません。この寄生虫はオーシストという特殊な形態を持ち、この形態では酸や乾燥などの過酷な条件下でも生き延びることができます。ネコのふんに交じって排出されたトキソプラズマはこの形態で水の中に溶け込み、海に流れ着いて貝などの生物に蓄積し、それをエサとするラッコや他の動物に感染していきます。
カリフォルニアでは回収され検死を受けたラッコの6割にトキソプラズマの感染が見られました。
ネコには何の害も及ぼさないトキソプラズマはラッコには脳症や神経障害などの致命的な病気を引き起こします。また、この感染による異常行動が、サメを誘因し、サメの噛みつきの原因の一つになっているという説もあります。
ネコの砂には、トイレに流すことができる便利なものもあります。
しかし、それがトキソプラズマを海へ流してしまう大きな原因となります。
面倒でも、ネコのふんは紙袋などに入れ燃えるゴミとして捨ててください。
日本の沿岸にもラッコが帰ってきています。せっかくかえってきたラッコたちが病気にならないよう、特に北海道の太平洋沿岸部にお住まいの方には、ご理解とご協力をお願いします。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
【記事】ネコの寄生虫がラッコを殺すまで
6.ラッコをそっとしておこう
ラッコを見る機会があったら、ラッコの邪魔をしたりびっくりさせたりしないでください。ラッコは人から逃げるたびにもとに戻るまで15分かかります。1時間に4度邪魔されたら、まったく休めないのと同じです。休むことはラッコにとって非常に重要です。高い代謝を維持するため、エネルギーをセーブしなければなりません。アメリカではラッコハラスメントは法にも抵触します。カヤックやパドルボード5つぶんの距離を取り、ラッコが陸に上がっているときは決して近づかないでください。
ラッコを見る際のガイドラインについてはこちらをご覧ください。
7.ラッコの素晴らしさ、大切さを広める
ラッコのためにできることをこれまで6つ、ご紹介してきました。
1.ラッコを知ろう
2.ボランティアをしよう
3.ラッコのために働く人をサポートしよう
4.環境に優しくなろう
5.ネコのふんはトイレに流さない
6.ラッコをそっとしておこう
私たちにとっては毎日がラッコ啓蒙デー。
7つめのリストは、
7.ラッコの素晴らしさ、大切さを広めよう
周りの人が、ラッコを守るために学び、行動できるよう、お手伝いしてください