本日は2019年1月31日付の90.3 kazuから、"Rescued Sea Otters Return To The Monterey Bay"をお届けします。海洋哺乳類センターでリハビリを受けていたラングリーとスプラウトがモントレー湾にリリースされました。順調に適応できるかどうか、今後2週間が正念場です。
海洋哺乳類センターによると、ホホジロザメによる噛みつきは、カリフォルニアのラッコの最多の死因だ。ラングリーと名付けられた子どものラッコがセンターでのケアを受けることになったのも、これが理由だ。
「サメは、お気に入りのエサであるアザラシやアシカとラッコを間違えます。そして残念なことだですが、こうした攻撃の多くはラッコにとって致命的なのです」海洋哺乳類センターの獣医師、カーラ・フィールドは言う。
ラングリーは昨年5月、サンルイスオビスポ群のビーチで発見された。ラングリーの母親はサメに噛まれてしまったのだ。
「母親が座礁した時、ラングリーは母親にしがみついているところを発見されました。ラングリーはまだ生きており、状態もかなり良かったのです。母親は救助の途中に死んでしまい、子どもはまだひとり立ちする準備ができていませんでした」とフィールド博士は言う。「そこで、私たちはラングリーを引き受け、食べさせ、ゆっくりと成長し、エサを獲ったり一人前のラッコとなる方法を学び始めるのを手助けしていたのです」
リハビリテーションの間、ラングリーは座礁していたスプラウトという名の別の若いラッコと仲間になった。スプラウトはモントレーベイ水族館近くのデルモンテビーチで保護された。火曜日、2頭はボートに乗せられ、海へ向かった。
「キャナリー・ロウ沖のケルプ床へ向かいます。すぐそこで、港の北西です」とカール・メイヤーがボートを操縦しながら言う。メイヤーはモントレーベイ水族館のラッコ実地対応コーディネーターだ。
ケージのドアが開けられると、2頭はモントレー湾に飛び込んだ。
スプラウトとラングリーにはタグと追跡装置が付けられている。どちらも、徳衛の周波数にプログラムされている。ラッコが水面にいる時は、ボートにある無線受信器がピコピコ鳴る。また、航空機とパイロットがラッコからの信号を空から追跡できるよう、スタンバイしている。陸では、スタッフらがラッコからの信号を聞いたり、望遠鏡で観察したりしている。このような集中的な観察は、今後2週間行われる。
「通常、リリースされて最初の1週間以内に、順調にいくかあるいは再度捕獲する必要がでてくるかの展望がかなりはっきりします」とメイヤーは言う。
この2頭のために、かなりの尽力がされてきた。また、この時点までにかかった費用は、1頭当たり1万千ドル(約160万円)にのぼる。ラッコじゃ、ムラサキウニやカニ、イカなどの海産物を毎日体重の4分の1も食べるからだ。
ミシェル・ステッドラーは2頭が野生でうまく行くことが重要だという。ステッドラーは水族館のラッコプログラムのマネージャーだ。カリフォルニアラッコは今でも絶滅危惧種だ。その個体数は1930年代の50頭余りから、ゆっくりと成長し、今日は約3000頭になる。
「昔は、カリフォルニア沿岸には1万頭以上のラッコが生息していたのですが、そうした光景を見ることができれば本当にいいだろうと思います。当時のラッコは乱獲で絶滅寸前になりました。毛皮をとるためです」とステッドラーは言う。
今日、ラッコにとって最も大きな脅威はサメによる噛みつきだ。しかし、スプラウトとラングリーにとって最も直面している懸念事項は、生きていくために必要なエサを十分に取ることができるかということだ、とステッドラーは言う。
もしラッコたちがかなり苦戦しているようなら、リハビリを続けるために連れ戻されることになる。しかし、自然環境に適応できていれば、野生に帰ったとみなされることになる。
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