【記事】ラッコ啓蒙週間:モントレーベイ水族館の代理母ラッコたち | Otter Pup Alert! How Our Sea Otters Make a Difference

本日は、2018年9月25日付のMonterey Bay Aquariumのラッコ啓蒙週間専用ニュースレターより、"Otter Pup Alert! How Our Sea Otters Make a Difference"をお届けします。
モントレーベイ水族館に展示されているラッコたちはさまざまな事情から野生に帰ることはできませんが、水族館のバックヤードで保護されたラッコの代理母あるいは教育係としての役割を果たし、野生のラッコの繁栄に大きく寄与しています。

30年以上、成獣幼獣合わせて700頭以上がモントレーベイ水族館のラッコプログラムにやってきました。1984年に当館が初めて座礁した赤ちゃんラッコのケアを始めるまで、赤ちゃんラッコが親からはぐれてしまった場合どうやったら赤ちゃんを生かしてあげられるのか、だれも知りませんでした。

 

当館のスタッフが座礁した赤ちゃんラッコを保護すると、赤ちゃんラッコは当館の展示水槽にいる野生に返すことができないラッコのうちの1頭に引き合わされます。展示水槽のラッコたちは交代で、表に見えないところで代理母の役割を果たしています。代理母ラッコと子どものラッコに絆ができると、代理母ラッコは子どもにグルーミングやエサ取りなど野生で生きていくのに必要なスキルを教えます。

 

素晴らしいスタッフ、ボランティア、インターン、獣医師、そして展示ラッコたちによるチームのおかげで、このプログラムは発展してきました。このラッコプログラムにより保護され、育てられた親を失ったラッコたちは、野生で育ったラッコと同じように生きています。更によいことに、リリースされたメスのラッコたちは成熟し出産して自分の子どもを育てているのです。

私たちはこうして代理母に育てられたラッコたちを何年も地道に追跡し、どのくらい生きるのか、また何頭くらい子どもがいるかなどのデータを集めています。私たちが学んだことは、非常に励みになるものでした。ラッコプログラムはエルクホーン湿地帯のラッコの個体群に大きく貢献してきました。現在湿地帯で暮らすラッコの6割近くが、私たちの代理母プログラムの直接あるいは間接的な子孫なのです。良いニュースはそれにとどまりません。湿地帯にラッコを放流することで、単なるラッコの個体群というだけでなく、影響を与えてきたのです。

 

今日のラッコ:ローザ

ローザは当館で最年長のラッコです。ローザは1999年9月、サンタクルーズ郡のサンセットビーチとマンレサ州立ビーチの間で座礁しているところを発見されました。当時、生後わずか4週間で、体重は5パウンドを少し超えたところでした。2000年の4月に野生に放流されそこで2年を過ごしましたが、ダイバーに近づいたりカヤックによじ登ったりするようになりました。ローザにとって、また人間にとっての潜在的な危険があるため、国の野生生物当局はローザを野生に返すことができないと判定しました。

 

ローザは2002年6月に当館の展示水槽に加わりました。水族館では、何年も母性本能を仕事に活かしてきました。ローザは現在展示水槽にいるラッコの中で最も多くの赤ちゃんラッコを育てています。ローザは体が大きく、白い顔と白いぶち模様があるので判別できるでしょう。フィーディングの後、水槽の真ん中の窓からローザが水に浮かんでいるのを見ることができるかもしれません。ローザはその名前をジョン・スタインベックのトルティーヤ・フラットという茶ナリー・ロウを舞台にした最初の小説の登場人物からもらいました。

Monterey Bay Aquarium
September 25, 2018