本日は2018年8月14日付のSeattle Aquarium Blogより、"INSPIRING SEA OTTER CONSERVATION—FROM AN INLAND STATE"をお届けします。
Sea Otter Foundation & Trustは、2013年からコロラド州を本拠地として活動している非営利団体で、ラッコ研究や保全、教育活動などに資金提供を行っています。ビジネスに直接結びつく工学などは企業などからの援助が多い一方、野生生物の保全は直接カネを生まないため、その活動資金を得ることは難しいのです。こうした、ラッコに関する活動を資金面でサポートする団体があるのは素晴らしいことです。
「私は1996年にシアトル水族館へ来ました」とダイアン・トムセックは言う。「ラッコが好きになったのはその時です」そして、ラッコへの愛はダイアンにSea Otter Foundation & Trust (SOFT)を海のない内陸のコロラドの真ん中に設立させることになった。
少し先走ってしまったようだ。「私はずっと動物が好きでした」とダイアンは言う。「シアトル水族館は私のラッコへの愛と大きく関係しています」ダイアンが初めて水族館を訪れた1996年から2011年までの15年間、そのラッコへの愛はどんどん大きくなっていき、隔年で行われているラッコ保全ワークショップのことを知り、出席を決めた。
「モントレーベイ水族館のマイク・マリー博士がその年の基調講演を行いました」とダイアンは語った。「博士がラッコ基金の必要性を語っていて、私の中で何かがひらめきました」ダイアンはすでに非営利の人的サービス分野で仕事をしていた。「動物や環境に関することにまた関わりたい」
ダイアンはただちに行動に入った。2013年のラッコ保全ワークショップで後のSOFTとなる団体のアイデアについてプレゼンテーションを行い、同じ年に基金が正式に発足した。
SOFTはラッコの研究や保全、教育に関するものに資金を提供している。「簡単に資金を提供してもらえない分野などに焦点を当てることができたらと思っています」とダイアンは言う。「ラッコに関する教育にとって頼りになる存在と考えてもらいたいと思っています」SOFTは毎年15から17の申請を受ける。資金提供を受ける対象の数は年によって異なるが、シアトル水族館はSOFTから資金提供の対象となっているものの一つだ。
ダイアンはラッコへの情熱を学生たちとも共有している。「小学校や高校へ行き、将来の海洋科学者への興味を育成しています」とダイアンは言う。こうしたことは、もっとも近くの野生のラッコが住んでいるところから1600kmも離れた州ではとても無理なことに思える。しかし、ダイアンには効果的な戦略がある。「ラッコとカワウソを関連付けています。コロラドにはカワウソが住んでいるので」とダイアンは説明する。「近くにいなくても、皆ラッコのことを積極的に知ろうとしてくれます。ラッコに関する感覚を人々に与えることができるのです」そしてこうも言う。「ラッコは可愛いから、みんな大好きなんです」
もちろん、このデジタル時代に場所はあまり重要ではない。コミットメントがより重要なのだ。そしてダイアンにはちゃんとコミットメントがたくさんある。ラッコ保全を提唱し、それをきちんと果たしてくれるダイアンの素晴らしい活動に、感謝したい。
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