【記事】アラスカラッコにカリフォルニア流のおもてなし | Northern Sea Otter Gets Some Southern Hospitality

本日は2017年4月7日付のGeorgia Aquariumのウェブサイトから、"Northern Sea Otter Gets Some Southern Hospitality"をお届けします。水族館どうしで飼育の技術を学びあい、また必要な協力をすることは、多くのラッコの受入れにきっと役立つでしょう。

ジョージア水族館のスタッフがアラスカシーライフセンターで親を失ったラッコの子どものお世話のお手伝い

アトランタの天気は温かくなってきていますが、ジョージア水族館の動物ケアスタッフのメンバーによるチームはこの数週間、寒いアラスカ州スワードで過ごしています。このチームはアラスカシーライフセンター(ASLC)で生後5週間の親を失ったラッコのリハビリのお手伝いをしています。この赤ちゃんラッコは、エサを探す母親と別れて栄養不足の状態となり、ケアが必須の状態になっていました。

 

ASLCに到着した時、このオスのラッコの赤ちゃんはアメリカ魚類野生生物局により野生に返すことができないと判定されました。ラッコが野生に返すことができないと判定を受けると、集中的なリハビリ過程が始まります。この親を失ったラッコは健康状態を確認するため定期的に獣医による検診を受け、3時間ごとにエサを与えられ、毎日のグルーミングが行われ、最終的には泳ぎ方や水の中で真っすぐ立つ方法を学びます。リハビリを受けたラッコは永住するための家が必要なため、動物園や水族館が多くの動物たちに第二の人生のチャンスを与えています。

 

ジョージア水族館は、飼育しているもの野生のものに関わらず、動物のケアに真摯に取り組み、アラスカシーライフセンターのような団体と協同しています。ジョージア水族館のチームはシーライフセンターで日々のグルーミングや、調合乳の飲み方を覚えたラッコにミルクを与えたりなどの手伝いを行っています。通常、母親がこのような必要なことを行いますが、親を失ったこの子どもに関してはASLCとジョージア水族館が現在母親の役割を果たしています。このラッコは最終的には自分でエサを食べられるようになり、密な体毛を守るために必要なグルーミングを覚えることになります。ラッコは動物の中で体毛が最も密で、寒冷な生息地で断熱するために定期的にグルーミングをしなければならないのです。

 

アラスカシーライフセンターのキャシー博士とジョージア水族館の動物ケア専門家メリッサによる、保護されたラッコのFacebookのライブ映像をご覧ください。

ラッコを全く知らないわけではありません。ジョージア水族館には4頭のラッコがおり、動物ケアスタッフは手を貸すだけではなく、こうした幼いラッコのような動物をケアする専門家なのです。ジョージア水族館の2頭のラッコは子どもの頃野生に返すことができないと判定されました。ブライトン、ビクスビー、クルーズはみな2010年にジョージア水族館へやってきました。ブライトンはメスで、生後12週間の時に発見され、母親から幼くして自立してしまい、スナガニを食べて寄生虫に感染してしまっていました。生後4週間で親とはぐれたメスのビクスビーも生後2週間で親とはぐれたオスのクルーズも、母親がサメに噛みつかれて死んでしまったあと、座礁していました。

 

ラッコの母親は、自分と子どものエサをとりに潜るとき以外子どもから目を離すことはありません。海水の酸性化や温暖化が進むにつれ、母親はより深く潜らなければならず、ついには子どものもとへ戻ることができなくなてしまうこともあります。ラッコの子どもは生後3か月から6か月までは親離れしないので、独りぼっちになってしまうと生存の可能性は大幅に小さくなってしまいます。

 

アラスカシーライフセンターは海洋研究、教育、野生動物対応をおこなう水族館です。施設は調査や教育が優先ですが、アラスカで唯一の恒久的な海洋哺乳類保護リハビリテーションセンターでもあります。

 

ラッコは種としてIUCN(国際自然保護連合)のレッドリストで「絶滅危惧IB類」に挙げられていますが、アラスカラッコは「絶滅危惧Ⅱ類」に挙げられています。アラスカラッコはアラスカ州およびブリティッシュコロンビア、ワシントン州の沿岸で見られます。カリフォルニアラッコと同様にアラスカラッコも商業漁業網などへの絡まりや原油流出、汚染、シャチによる捕食などの脅威に直面しています。カリフォルニアラッコについて詳しくは、ジョージア水族館の動物ガイドをご覧ください。

訳者注:IUCNによると以下のような説明になっています。
絶滅危惧IB類 Endangered(EN):ⅠA類ほどではないが、近い将来における野生での絶滅の危険性が高いもの。

絶滅危惧Ⅱ類 Vulnerable(VU):絶滅の危険が増大している種。現在の状態をもたらした圧迫要因が引き続いて作用する場合、近い将来「絶滅危惧I類」のランクに移行することが確実と考えられるもの。  

 

ジョージア水族館のFacebook、Twitter、Instagramをフォローし、最新情報をチェックしてください。また、アラスカシーライフセンターからの保護ラッコに関するジョージア水族館のFacebookライブをチェックしてください。

 

アラスカシーライフセンターの研究やリハビリテーションについてはこちらhttp://www.alaskasealife.org/.

 

この活動はアメリカ魚類野生生物局に認可されています LOA - 837414

Georgia Aquarium 

Northern Sea Otter Gets Some Southern Hospitality

APRIL 07, 2017