本日は2016年7月12日付、13日付のメディア報道をお送りします。
道路を渡る有名なラッコが車にはねられ死んだ事件ですが、なぜか10日ほどたってからニュースになりました。
モスランディング・ロードでラッコが車にひかれて死亡
※ニュース動画は埋め込みができなかったので、こちらからご覧ください
カリフォルニア州・モスランディング—7月3日モスランディング・ロードでラッコが車にひかれて死ぬ事故があった。
モスランディング港湾局長リンダ・マッキンタイアによると、日曜の夜夜間スタッフがラッコが轢かれたのを目撃したとのことだ。
この知らせにモスランディングの住民は怒りを隠せない。
「ラッコたちが再び数を増やそうと苦戦しています。ラッコが道路を渡るからといって車で轢かれる必要はありません」とジム・モンゴメリは言う。
モンゴメリはモスランディングにあるモントレーベイ水族館調査研究所(MBARI)に勤めている。最近防潮門(訳者注:潮の流れを防ぐ水門)が設置され、ラッコが道路の下を泳いで移動することができなくなってしまったため、モスランディング・ロードを渡ろうとすることが多くなったと言う。
ラッコはハーバーからモスランディング・ロードを挟んだ反対側にある塩性の湿地へ行くのが好きだったようだとモンゴメリは言う。
「明らかに、どうしても食べたくなるようなエサがそこにはあったのです。だからそのエサのために命がけで道路を渡っているのです」とマッキンタイアは言う。
港湾局長は湿地帯への海水の侵入を防ぐため、今年ハーバーと湿地帯の間の排水きょ(土管)に防潮門を設置したという。
モンゴメリは、新しい水門はラッコが泳いで道路の下を渡れないようにブロックしてしまうため、ラッコが道路を横断せざるをえなくなってしまうので問題だと言う。
複数の団体がモスランディング・ロードをラッコが渡ることが問題だということを理解している。この道はハイウェイ1号に非常に近く、ドライバーが時速25マイル(約40㎞)の制限速度を越えることも多い。
マッキンタイアは、モントレーベイ水族館、モントレー郡道路局、米国魚類野生生物局の代表らと先週会い、解決策を話し合っていると語った。
計画ではドライバーに注意を促す標識をたて、可能であれば電光速度計を設置しどのくらいスピードが出ているかドライバーに注意を喚起するとしている。
地元の顔だったラッコ、モスランディングロードで車に衝突し死亡
モス・ランディング>>モスランディングで最も写真に撮られたラッコが先週、ハーバーの交通量の多い道路を渡ろうとしていた際に車にひかれて死んだ。
「悲劇的なことです」とエルクホーン・スルー・ナショナル・エスチュアリン保護区でボランティアをしているロン・イービーは言う。「ミスター・エンチラーダはモスランディングの顔で、水族館の外でおそらくもっとも写真に撮られたラッコだったと思います」
このラッコは7月3日、モスランディングのサウスハーバーから交通量が非常に多いモスランディング・ロードを横断している最中に車にはねられた。
「ミスター・エンチラーダ」というあだ名は、このラッコが現れる場所に近いホール・エンチラーダとオート・エンチラーダというレストランの名前からつけられたとイービーは言う。
モスランディングの住民は、この地域の顔でもあったラッコの突然の死に、悲しみに沈んでいる。
水曜、アンドリュー・ドーランは3歳のワイルダー、8か月のソーヤーと一緒にモスランディング・ロードにいたが、その時事件がおこった。ドーランはラッコが道路を渡ろうとしたので、動きの遅いラッコのためドラーバーに止まってくれと叫んでいるビデオを撮った。ドーランは非常に憤慨していた。
ラッコは絶滅に瀕する種の保存に関する法律で絶滅危惧種に指定されているため、1頭のラッコの死も非常に重要です、とオッタープロジェクトのチーフ・エグゼクティブ、スティーブ・シメックは言う。
モスランディングのサウスハーバーに現れるラッコは、主にモロ・コホ湿地帯へ行く。この湿地帯はハーバーの南、ホール・エンチラーダレストランの裏にあり、モスランディング・ロードの下の排水きょ(土管)を抜けた先にある。しかし、新しく設置された防潮門により湿地帯へ行けなくなってしまったため、ラッコたちは排水きょを利用できなくなってしまった。
排水きょを使えないため、ラッコたちは湿地帯にあるエサを求めて道路を渡るようになったのだ。
「こうしたことは頻繁に起こることではないですが、ここでは珍しいことではありません」とイービーは言う。
排水きょが閉じられる前は、海水が湿地帯に流れ込み、ラッコをひきつけるエサをもたらした。
「湿地帯に住むのは、たとえばエサが豊富という点でも多くのメリットがあります」とシメックは言う。「排水きょが閉じられ、ラッコにとって質の高い生息地が利用しづらくなってしまったのです」
イービーは、湿地帯へ行くために道路を渡るラッコを守るため、地域でなんらかの手段を講じなければならないだろうと言う。
1973年以来、ラッコは絶滅に瀕する種の保存に関する法律で守られており、将来的に絶滅に瀕する可能性がある種と規定されている。ラッコは、生息地の破壊や変化が進み、危機に瀕している。
「エルクホーン湿地帯のラッコはそうしたラッコたちの一部です」とシメックは言う。
9月、アメリカ地質調査所とアメリカ魚類野生生物局は2015年春のラッコ個体数調査を発表し、2015年は合計3,054頭であるとした。ラッコの個体数は過去25年、堅調だ。
モスランディング港湾局長のリンダ・マッキンタイアは、こうした悲劇が二度と起こらないよう、ラッコ保護団体らと協働しているという。
「短期的には道路にラッコ注意の標識をすぐに設置する予定です」と港湾局長は語った。
Monterey Herald
Iconic sea otter struck, killed by car on Moss Landing Road
POSTED: 07/13/16 By Aidan Mathews
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