本日は2016年6月16日付のフランスメディアLe Point紙より、”Océanopolis : de l'Alaska à Brest, l'incroyable périple de trois loutres ” をお届けします。オセアノポリ水族館の3頭のオスのラッコたちのお目見えは夏ごろの予定だそうです。フランスにラッコが来るのは初めてだそうですので、公開時には大混雑になりそうです。
厳重に保護されたラッコたちは13,000kmを旅し、オセアノポリへやってきた。一般へのお目見えは夏の予定だ。
トレーナーを伴い、24時間以内で輸送するーこれがブレストのオセアノポリ水族館へ3頭の若いラッコたちを委ねるにあたり、アラスカシーライフセンターが決めた厳しい条件だった。アンカレッジからパリへは直行便がないため、輸送チームにとってこのラッコの輸送は大きな挑戦でもあった。単純だが、非常に費用のかかる(20万ユーロ(約2,360万円)解決策としてビジネスジェットをチャーターするにしても、カナダ北部のイカルイトに停機しなければならなかった。最終的には、2012年に中国からボバル動物園へパンダを輸送した経験もあるFedExが特別なラッコたちの輸送に応じ、その費用を負担してくれることになった。これは、世界中に小さな荷物を配達することで知られる輸送企業が、非常にセンシティブで通常とは異なるものについての取り扱いのノウハウを見せる機会となった。
通常以上にスケジュールの厳守が必須だった。アンカレッジでMD-11ジェット輸送機に乗る際も、テネシー州メンフィスで別のMD11機へ搭乗する際も、地上で待機する時間は2時間を越えないように図られた。最初のフライトでラッコたちは眠っていた。恐らく、気圧の保たれた機内で人間が眠くなるように、ラッコたちにも眠気を引き起こしたのだろう。ケスク、アトカ、プキクの3頭のラッコたちは特別に作られた輸送用のケージで旅をした。体温を最適に保つため、ラッコたちの下には砕いた氷が敷かれた。ラッコのケージは、ファーストクラスの乗客として輸送機の前方に置かれた。最後に乗せ、最初に下ろすことができるからだ。スワードのアラスカシーライフセンターのブレット・ロング、獣医師のキャリー・ゲツ、シーライフセンターのトレーナー、エミー・ウッドの3人の専門家がラッコたちを見守っていた。
時差と機内食
大西洋を横断中、ラッコたちはシシャモやイカ、貝を食べた。通常ラッコたちは夜間食べないため、付き添いの専門家らはアラスカにいた時から時差ぼけになるかもしれないと予想していた。輸送中ケージを定期的に清潔に保つため、予備のケージも運ばれた。
フランスのロワジー・シャルル・ド・ゴール空港は唯一動物を管理できる空港だったため、FexExのプライベート輸送機が対応することができた。これが"edge to edge"の輸送を可能にした。これは航空専門用語でVIPの乗客の輸送を迅速に行う表現だ。次に、ラッコたちはスイスの航空機製造メーカーASL社のATR42プロペラ機へ搭乗し、1時間余りでブレストに到着した。数分後、ラッコたちは飛行機からトラックへ下ろされ、水曜日の夜無事にオセアノポリ水族館のあるムラン・ブランへ到着した。「ラッコたちは隔離された部屋ですぐ泳ぎ始めました。全体的に、旅の目的は1時間という僅差で達成されました」とオセアノポリ水族館のアシスタント・キュレータ、ドミニク・バルテルミーは語った。
この3頭のラッコたちは怪我をしたり親とはぐれたりしたところを保護されたが、野生に帰すことができなかった。オセアノポリス水族館へのラッコの寄贈は米国議会によって承認されている。ブレスト・ウォーター・パークには180立法メートルの水槽が作られた。ラッコのために特別に作られたものだ。隔離期間が終了後、一般来場者に公開される予定だ。「ラッコがどんな動物か多くの人は目にしたことがないので、最初のうちは水族館の前には長蛇の列ができるのではないかと思います」とドミニク・バルテルミーは語った。
Le Point
Océanopolis : de l'Alaska à Brest, l'incroyable périple de trois loutres
PAR THIERRY VIGOUREUX Publié le 16/06/2016 à 14:13
コメントをお書きください