【記事】海洋学者、ラッコに近づき保護観察違反 | Marine biologist violates probation when she gets too close to otter

サンノゼ>>ナンシー・ブラックはラッコに近づき過ぎたという理由で投獄される最初の人物になるかもしれない。

 

月曜日に行われた執行猶予の取り消しに対するヒアリングで、この海洋生物学者はアメリカ地方裁判所の判事エドワード・ダビラに対し、2頭のラッコの親子の50ヤード以内にいたとして執行猶予の条件を違反したことを認めた。

 

ブラックはモントレーベイ・ホエール・ウォッチの共同代表者だ。ブラックは鯨類を専門としており、モントレー湾におけるクジラやイルカについて30以上の論文を共同執筆している。

 

ブラックは、ラッコの子どもの健康状態について記録していたところ、親子のラッコがボートの近くを泳いでいたと言う。

 

「ラッコがこちらのほうへ泳いできたところを、誰かが写真に撮ったのです」とブラックは言う。「負けるようになっているのです。ラッコは野生動物であって、行動は予測不可能です。」

 

NOAA（国立海洋大気庁）の後援下にある非営利の教育団体であるベイネットのボランティアが、2015年4月、小さな船に乗ったブラックともう一人の女性がラッコの母子から50ヤード以内にいるのをビデオで撮影していた。証人はアンカーロープを引っ張って船を動かし、ラッコを追っていたと証言した。起訴は1月8日に行われた。

 

その時ブラックと一緒に船に乗っていたと言う写真家のスージー・エスターハズは、ラッコハラスメントはしていないと言う。

 

「私は海洋生物に対し敬意を持っている人としか仕事をしません」とエスターハズは言う。「彼女は私が一緒に仕事をしてきた人たちの中でもトップクラスの人です」

 

エスターハズは、スミソニアンマガジンや他にも国の出版物の撮影も行ってきた。

 

ブラックは12年前、モントレー湾国立海洋保護区のシャチのエサ場近くで、コククジラ（クジラの一種）の脂肪をロープに付け、それをボートに取り付けたとして、保護観察下にあった。ブラックはその脂肪の塊を投げ、インフレータブルボート（空気で膨らませる船）のそばに落ちた。

 

ブラックの行動は、野生のシャチに餌付けを禁止する海洋哺乳類保護法に直接的に違反していた。当初、25年の実刑判決に直面したが、ブラックには12,500ドル（約140万円）の罰金と執行猶予の3年が言い渡された。

 

ブラックはNOAAによる長年にわたる調査後に刑を宣告された。被告側は、ブラックは知る限り海洋哺乳動物にエサを与えたとして国により刑事告発された唯一の人物だと抗弁した。

 

NOAAは、ブラックの行動を非難する手紙を裁判官ダビラに送った。その手紙には、人間とエサを関連付けさせたこと、エサをシャチには消化できないロープに括り付けたこと、またシャチの通常の摂食パターンを変えてしまったことにより、シャチを危険に追いやったことが述べられていた。

 

「被告が行った行動は、シャチの健康や福祉を大きな危険に晒しており、それは野生生物にエサをやったりハラスメントをした点で海洋哺乳類保護法に深刻に違反している。また調査の許可プロセスにおいても、海洋哺乳類保護法に違反している」とその手紙は訴えている。

 

NOAAの鯨類専門の科学者らは、ブラックを支持する手紙をダビラへ送った。その手紙はNOAAの公式見解とは一致していなかった。科学者らは、裁判所に対し、ブラックのその分野における科学亭貢献を考慮してほしいと訴えた。

 

「総合的に、ナンシーの貢献により私たちの知識の大きなギャップが埋められてきた。こうした動物の保全に対する彼女の貢献は、疑う余地もないほど明らかだ」と手紙の一つは述べている。

 

もともとのブラックの保護観察期間は、2017年1月までの予定だった。ブラックの保護観察官は、保護観察違反で少なくとも3ヶ月から9ヶ月の拘留を勧めている。

 

検察は懲役の代わりとして罰金25,000ドルの選択肢を設けた。検察は公聴会にはコメントしなかった。

 

ブラックへの量刑の宣告は月曜日に予定されている。

Monterey Herald WILDLIFE

Marine biologist violates probation when she gets too close to otter

POSTED: 02/22/16, 7:08 PM PST 　By Adia White