【記事】ラッコを撃った男に判決 | California Man Sentenced for Harassing Federally Threatened Southern Sea Otter, Violating Endangered Species Act

 本日はVentura Fish and Wildlife Officeのニュースリリースから、"California Man Sentenced for Harassing Federally Threatened Southern Sea Otter, Violating Endangered Species Act"をお届けします。昨年ラッコに向かって銃を撃ったという男に判決が言い渡されました。
ひょっとしたら昨年お伝えした事件(【記事】ペレット銃でラッコが狙撃された事件、国が捜査 | Sea otter shot with pellet gun prompts federal probe)のことかもしれません。

Southern sea otter. Photo by Lilian Carswell/USFWS
Southern sea otter. Photo by Lilian Carswell/USFWS

カリフォルニア州モスランディングで、カリフォルニアラッコを意図的にハラスメントしたとして、カリフォルニアの男が150時間の公共奉仕、500ドルの罰金、6か月の執行猶予を言い渡された。カリフォルニア州モスランディングのリチャード・ニスウォンガー(71歳)は、絶滅の危機に瀕する種の保存に関する法律のB級の軽犯罪を犯したとして、2015年9月11日、アメリカ微罪判事Nathanael M. Cousinsにより有罪と宣告された。


2014年12月、州と国の当局職員はニスウォンガーがカリフォルニア州中央部沿岸のモスランディング・ハーバーでカリフォルニアラッコに向けライフルを発砲したとの通報に対応した。ニスウォンガーは警察官に対し、赤ちゃんラッコが何週間も鳴いており、鳴き声を聞くのにウンザリしイライラしていたと話した。その事件の晩、目撃者が幼いラッコが鳴いているのを聞いており、ニスウォンガーがそのラッコを狙って撃ったのを見た。2015年5月、ニスウォンガーは告発され、カリフォルニアラッコに向かってライフルを発砲したという故意のハラスメントに対し、悪かったと思っていると2015年9月に弁解した。


絶滅の危機に瀕する種の保存に関する法律の下では、何人(なんぴと)も特別な許可なく国で定められた絶滅の危機にあるもしくは近い将来絶滅の危機になると思われる魚や野生生物を「とる」ことは法に抵触する。「とる」とは同法によりハラスメントをすること、害を及ぼすこと、追いかけること、狩ること、狙撃すること、傷つけること、殺すこと、罠にかけること、捕獲すること、収集すること、もしくはこのようなことをしようと試みることと規定されている。


判決に続き、アメリカ魚類野生生物局警察太平洋南西地区の特別官ジル・バーチェルは「私たちはこの事件の判決に満足している。国で国で定められた絶滅の危機にあるもしくは近い将来絶滅の危機になると思われる野生生物にハラスメントを行うことは犯罪です。皆、意図的であるにせよないにせよ、自分の行為がラッコに対して明らかな結果をもたらし、国により罪を負わされるということを意識すべきです」


この事件はアメリカ魚類野生生物局およびカリフォルニア州魚類野生生物局による調査の結果だ。カリフォルニア州北部の連邦地検の連邦検事補Jonas Lermanにより起訴された。


ラッコはカリフォルニア州、ワシントン州、アラスカ州沿岸域で見ることができるが、中には港のような人間活動が盛んな場所も含まれる。絶滅の危機に瀕する種の保存に関する法律による保護に加え、ラッコは海洋哺乳類保護法にも守られている。これは海洋哺乳類に対しハラスメントをすることや、狩り、捕獲、殺傷を禁じるものである。近づきすぎてラッコが行動を変えてしまうようであれば、法への抵触となる。


当局は人間とラッコの両方の安全のため、下記のようなガイドラインを守るよう推奨している。

  • ラッコ及び他の野生生物と安全な距離を保つこと。ラッコがあなたに気づいたらそれは近づきすぎることを意味するので、後ろに下がらなければならない。カヤックに乗る人は少なくとも50フィートは離れて休んでいるラッコの邪魔をしないようにし、ラッコに平行に通り過ぎなければならない。
  • ドックや港ではペットは紐に繋ぎ、遊んでいるように見えるかもしれないが、決して接触させてはならない。
  • ラッコや他の野生生物にエサをやってはならない。野生生物はエサをもらうと攻撃的になることがある。

カリフォルニアラッコは国により、絶滅の危機に瀕する種の保存に関する法律の下で1977年に絶滅の危機に瀕すると制定された。18世紀から19世紀にかけ、ラッコはその毛皮のために乱獲され、1900年代初頭にはカリフォルニアにおいてラッコは絶滅したと思われていた。1930年代にビッグサー沿岸で群れの一部が発見され、現在のカリフォルニアラッコの個体数はその群れからゆっくりと広がり、約3,000頭となっている。乱獲以前のカリフォルニアラッコの数は、約16,000頭にのぼったと考えられている。


アメリカ魚類野生生物局は他の機関と協働し魚類、野生生物、植物とその生息域をアメリカの市民に永続的に教授してもらうため、保全、保護、増進している。わたしたちは魚や野生生物におけるリーダーでもあり信頼できるパートナーでもある。科学的専門性に優れ、陸や自然資源のスチュワードシップであり、献身的な専門家であることで知られており、公共サービスに献身している。詳しくはこちらhttp://ventura.fws.gov.