本日は2015年4月3日付、Long Beach Postより"14-Year-Old Otter Undergoes Annual Physical and Dental Exam at the Aquarium"をお届けします。
アクアリウム・オブ・ザ・パシフィックに住むラッコ、マギーの定期検診の様子です。こうした検診により、水族館で暮らすラッコの健康が守られています。
ラッコが年に一度の健康診断と歯科検診を受けている様子を見ると、普通の人には少し怖いと思えるかもしれません。例えていえば、親友や家族が親知らずを抜く前にたくさん麻酔を打たれて眠りに落ちるのを見守っているような気分です。このような可愛らしくてフワフワした動物が沈静剤を打たれ、歯を研磨する機械がウィンウィンと音をたてて磨かれているのを見るのは最初はショッキングですが、このような手入れによって野生のラッコよりも10年も長く生きる秘訣だということを聞けば、すぐに魅力的に思えてきます。
木曜に14歳のラッコ、マギーの定期検診を行ったアクアリウム・オブ・ザ・パシフィックのランス・アダムス博士はこのように説明しています。「ここに来てから、マギーは非常に元気なラッコです。ほとんど問題がありません。年齢で言えば中年後期なので、今日行った検診は非常に重要です。マギーの歯石を全部取ってきれいにしました」
「若いラッコは、5歳になるまではこうしたクリーニングは必要ありません」アダムス博士は言います。「年を取ると歯が折れたり、欠けたり、歯石や歯肉炎増えますが、こうしたものはバクテリアの温床となり、身体の中に少しずつ入っていって内臓の炎症や他の問題を引き起こします。ですからそうしたものを取り除き、歯茎を健康に保ちたいのです。それによってマギーの身体はより健康になり、より長生きすることができるのです」
殆どの海洋哺乳類は脂肪層を持っていますが、ラッコはその代りに体毛を持っています。ラッコは体温を保持するために毎日ある一定量の餌を食べなければなりません。歯がだめになったため十分に食べられなくなってしまうと、野生では大きな問題となります。アダムス博士によると、飼育下であれば食べ物を小さく切って与えることもできるので、それほど大きな問題にはならないそうです。
博士は、野生におけるラッコの寿命は通常15年から20年で、飼育下は25年ほどまで生きる可能性があると述べています。この水族館はモントレーベイ水族館からマギーを貰い受けました。マギーはモントレーベイ水族館での、メスのラッコが親のいない子どもを育て、野生に返す代理母プログラムで育ちました。
マギーはこの水族館にいつ6頭のラッコの中で一番最初に検診を受けました。皮膚、目、耳、鼻、喉、腹部、心臓、肺、関節、筋骨格系、そして歯と歯茎に異常がないかチェックされました。異常が発見されれば、水族館のスタッフが詳しく調べることになります、と博士は言います。しかし、全てが正常でうまくいっているようなら、麻酔から醒まして展示水槽へ戻されます。
検査の前に博士はこのように言いました。「上の階でラッコを捕まえて、私が麻酔を注射ちます。ラッコが落ち着くまで12分から15分ほどかかります。それからラッコを下の階の医務室に下ろし、ラッコを出して様々な機械につなぎます。そうしてバイタルサインを監視し、呼吸の際器官内チューブから麻酔ガスを供給します。それから、検査を始めるのです」
検査が終わると、ラッコには麻酔の拮抗薬(ある薬物の作用に対して相反する作用を持つ薬物)が与えられ、ゆっくり意識を取り戻す時間と場所が与えられます。「ラッコが注意深くなり、状態がきちんと安定すれば展示に戻します。1時間ほどは裏の水槽でひとりにしておき、それから餌をやります。餌を持って食べ、通常通りに回復したと思われれば、他のラッコたちと一緒の展示水槽へ戻します」とアダムス博士は言います。
マギーは小さな鳴き声を上げ、目が覚めるのを我慢強く待っていた水族館の6人のスタッフに目くばせしました。顔を左右に動かし、博士が頭をなでるとケージの端に鼻をつけました。窓の向こう側では、水族館を訪れている子どもたちが水族館で一番かわいい動物を一目見ようと群がっていました。
Long Beach Post
14-Year-Old Otter Undergoes Annual Physical and Dental Exam at the Aquarium
byASIA MORRIS APRIL 03 2015 13:42
コメントをお書きください