【記事】ラッコ調査のための資金源を広げる法案を提出 | Legislation introduced to extend funding source for sea otter research

本日は、12月2日付のSanta Cruz Sentinelの記事"Legislation introduced to extend funding source for sea otter research"をお届けします。現在、カリフォルニア州の住民は、確定申告の際、申告用紙の「ラッコ基金」の欄に数字を入れるだけで還付金の一部をラッコ保護に寄付することができます。確定申告用紙にその欄を載せることが、ラッコの保護や調査に必要な資金の大きな調達源となっています。2016年に期限を迎えるこの制度の延長を要求する法案が提出されました。

モスランディングハーバーに浮かぶラッコ (Vern Fisher -- Monterey Herald file)
モスランディングハーバーに浮かぶラッコ (Vern Fisher -- Monterey Herald file)

カリフォルニア州の住民が州税の確定申告をする際、ラッコ調査へ寄付を行うことができるとする法律は、2016年1月1日が期限に定められていました。


ビル・モニング上院議員とルイス・アレホ下院議員、マーク・ストーン下院議員は、カリフォルニアラッコ基金を5年間延長する法案を提出しました。


「この法案はカリフォルニアラッコ基金を将来的に継続させていくために非常に重要です」とその法案の唯一のスポンサーである非営利団体フレンズ・オブ・ザ・シーオターの啓蒙プログラムのディレクター、ジム・カーランド氏は述べています。「これは、ラッコの調査や保護、教育の主要な資金源なのです」


カリフォルニアラッコ基金は過去8年で230万ドル(約2億7000万円)の資金を調達し、ラッコが直面する脅威に対する研究や、ラッコ啓蒙週間やモントレー湾近郊の学校における教育支援をサポートしてきました。


アメリカ地質調査所の調査では今年カリフォルニア沿岸で2944頭のラッコが確認されました。これは昨年より5頭多くなっています。ラッコの個体数は増えていますが、ホホジロザメのような捕食者や餌の供給、環境汚染などがその回復を遅らせているとほとんどの研究者たちは言っています。


「カリフォルニアラッコ基金は非常にいい時に設立され、それ以来さまざまな面で非常に役立っています」とモントレーベイ水族館のラッコプログラム部長、アンドリュー・ジョンソンは述べています。「カリフォルニアラッコ基金の資金で他の機関との協同調査によって、新たな重要な研究領域が明らかになり、これまでなかった情報を得ることができ、また私たちに新たな方向性を与えてくれました」


基金に集められた資金の半分は魚類野生生物局へ、残り半分はラッコの回復に係る研究調査等へ資金を交付する州の機関であるカリフォルニア沿岸保護委員会へ送られます。


この基金は、モントレー半島やビッグサー付近でラッコの個体数が伸び悩んでいる要因に対する最近の調査をサポートしました。研究者たちは、ラッコの生息地のニーズやエルクホーン湿地帯における殺虫剤、ラッコたちが生態系に与える影響などについて調査しています。カリフォルニア州魚類野生生物局はラッコの死亡原因や州内で報告されたラッコの死に対する対応を行っています。その数は年間300頭に上ります、と魚類野生生物局の海洋野生生物獣医ケア研究センターのシニア環境科学者、レイアード・ヘンケル氏は述べています。


「炭鉱のカナリア」のように、ラッコは海岸近海の健全さを正確に測定する手助けをしてくれているのです。


「私たちはラッコの研究をしていますが、それは単にラッコの研究だけには留まらないのです」とアメリカ地質調査所西部環境研究センターのティム・ティンカー氏は述べています。「最初はラッコを助けたいということで研究を始めましたが、最終的にはこれは、わたしたち自身を助けることでもあるのです」

Santa Cruz Sentinel
Legislation introduced to extend funding source for sea otter research

By Samantha Clark 12/02/14