アメリカ:モントレーベイ水族館 Monterey Bay Aquarium
正式名称:Monterey Bay Aquarium
住所:886 Cannery Row, Monterey, CA 93940
モントレーベイ水族館は旧イワシ缶工場に1984年開館した。当初からラッコの保護・リハビリ・研究が盛んであり、世界で唯一ラッコの代理母プログラムを有し、また唯一代理母が育てた保護ラッコを海に帰すことを許可されている施設である。
現在、5頭のメスラッコを飼育している。全てのラッコは健康上や行動上の理由から野生に返すことができないラッコだが、みな交替で代理母として親を失った子どものラッコや教育係が必要なラッコが野生に帰るための仲間として野生ラッコの繁栄に寄与している。
Rosa
亜種:カリフォルニアラッコ
性別:メス
生年:1999年8月
保護日:1999年9月
座礁地:Santa Cruz, CA, USA
生後4週間で座礁、リハビリ後2000年4月に放流、約2年後に人間との接触が原因で、野生に返せないと判定される。2002年に展示ラッコの仲間入りをし、2018年6月現在で14頭の親を失った子どものラッコを育て上げている。
現在は養母業からはリタイアし、ラッコ展示水槽で来場者を楽しませている。現存する飼育下のラッコの中では最高齢。
Abby
亜種:カリフォルニアラッコ
性別:メス
生年:2007年
保護日:2007年7月
座礁地:
リハビリ後、カリフォルニア州サンディエゴのシーワールドで育ち、2012年6月にモントレーベイ水族館に戻る。
Ivy
亜種:カリフォルニアラッコ
性別:メス
生年:2011年
保護日:2011年11月
座礁地:Cayucos State Beach, CA, USA
7週間の集中ケアの後、代理母トゥーラのもとで育つ。様々な問題があり魚類野生生物局から野生に返すことができないと判定される。2012年12月展示ラッコの仲間入りをする。
Kit
亜種:カリフォルニアラッコ
性別:メス
生年:2010年
保護日:2010年1月
座礁地:Morro Bay Harbor, CA, USA
魚類野生生物局より野生に返せないと判定され、生後11週で最年少の展示ラッコとなった。2012年6月カリフォルニア州サンディエゴのシーワールドへ移動、2013年1月にモントレーベイ水族館へ戻る。
Selka
亜種:カリフォルニアラッコ
性別:メス
生年:20012年
保護日:2012年7月
座礁地:Cayucos, CA, USA
リハビリののち2013年6月放流されるが、サメに噛まれ再度座礁。手術、リハビリ後野生に返されるが、健康上の問題及び人間との接触が原因となり、魚類野生生物局より野生に返すことができないと判定される。2年間、カリフォルニア大学サンタクルーズ校で研究の手伝いをした後、2016年8月にモントレーベイ水族館の展示ラッコの仲間入りをする。
Ruby
亜種:カリフォルニアラッコ
性別:メス
生年:2015年9月11日
座礁日:2015年9月12日
座礁地:, CA, USA
座礁原因:
生後1日で座礁。モントレーベイ水族館で保護される。野生に返す試みがされるが、最終的に魚類野生生物局より野生に返せないと判定される。2017年3月、生後18か月の時オーデュボン水族館に合流。
オーデュボン水族館改装のため、2022年7月にモントレーベイ水族館に戻る。
飼育されていたラッコ
Giget
亜種:カリフォルニアラッコ
性別:メス
生年:2008年
没年:2019年2月4日
保護日:2008年10月
座礁地:Morro Strand Beach, CA, USA
リハビリ後、魚類野生生物局により野生に返すことができないと判定され、カリフォルニア州ロングビーチのパシフィック水族館へ移動。2013年1月にモントレーベイ水族館に戻り展示ラッコ及び代理母として活躍し、4頭の子どもを育て上げる。慢性関節炎を患い代理母から引退後もラッコ遺伝子の研究などに参加。
2019年2月4日死亡。関連記事はこちら