【記事】パシフィック水族館、ラッコ代理母プログラムを導入 | Aquarium Welcomes a Special Sea Otter and Announces New Role in Helping Sea Otter Pups

本日は2020年2月27日付のThe Aquarium of the Pacific のAquarium NewsよりAquarium Welcomes a Special Sea Otter and Announces New Role in Helping Sea Otter Pupsをお届けします。ついにモントレーベイ水族館に次いでパシフィック水族館が保護ラッコの子どもの代理母プログラムを開始します!これまでモントレーベイ水族館の代理母プログラムに入れないラッコの子どもは飼育ラッコとして他の水族館の受け入れ先を探すか、あるいは安楽死となっていました。このプログラム開始により、野生のカリフォルニアラッコの回復や海洋生態系の改善にさらに貢献してもらえることが本当にうれしく、楽しみです!

モントレーベイ水族館とパシフィック水族館はラッコの代理母プログラムに関するパートナーシップを結び、絶滅に瀕するラッコのカリフォルニア沿岸における回復に貢献

パシフィック水族館は本日、保護ラッコの赤ちゃんのリハビリを行い、代理母の手を借りて自立させ、野生に戻すコーディネートを行う協力施設となることを公式に発表した。当水族館はまた、親を失ったラッコの養母となることが期待される新しいラッコ、ミリーを受け入れる。「私たちはモントレーベイ水族館のパートナーとなり、この絶滅に瀕するラッコの回復に貢献できることを嬉しく思います。このプログラムは野生の親を失ったラッコの生存機会を高めるだけねなく、またカリフォルニア沿岸の生態系の回復にも役立つものです」とパシフィック水族館の動物飼育副部長、サンディ・トラウトワイン博士は言う。

 

このプロジェクにより、当館はラッコの代理母プログラムにおいてモントレーベイ水族館のパートナーとなることになる。モントレーベイ水族館は、1980年代から親を失った赤ちゃんラッコの救助やリハビリを行い野生にリリースしている。このプログラムは野生に返した成功記録を確立しており、野生の個体群の回復に貢献していることが分かっている。2019年の研究では、このプログラムを通じて野生に戻ったラッコたちの子孫は、モントレー湾にある重要な河口域であるエルクホーン湿地帯におけるラッコの個体群の2002年から2016年にかけての成長の半分以上を占めている。

 

「私たちは30年にわたり、ラッコの赤ちゃんに最も良いケアを与える方法を学び、そうしたラッコたちが海洋生態系にもたらす可能性のある利点を理解しながら、この代理母プログラムの成功を推し進めてきました。またパシフィック水族館をパートナーとすることにより、私たちがより多くのラッコを助けることができ、またカリフォルニア沿岸の海洋の健全性によい影響をもたらす手助けとなるでしょう」とモントレーベイ水族館ラッコプログラムのマネージャー、ミシェル・ステッドラーは言う。

 

パシフィック水族館における新しいラッコの代理養育エリアはモリーナ動物ケアセンターの裏に建設され、毎年3~4頭のラッコの赤ちゃんを収容することができるようになる。また、当水族館は来場者に対しこの代理母プログラムやカリフォルニアラッコの回復の重要性に対する説明資料の開発を行う。カリフォルニア州の沿岸保全局グラントプログラムがラッコの代理母施設の初期建設費用を支援することになっている。当館はまた代理母プログラムを支援するための募金会糖度開始する。この重要な自然保護活動への参加や支援に関心のある方はこのリンクからオンラインで寄付を行うか、あるいは562-951-1701へお問い合わせをお願いします。

 

2月27日、ミリーはパシフィック水族館の北太平洋ギャラリーにあるラッコ水槽に住むほかのラッコたちと一緒になる予定だ。ミリーは4歳になるメスで、以前子育てを成功させたことがあり、その経験と性格から代理母を務めるのに理想的だ。

 

カリフォルニアラッコ(Enhydra Lutris nereis)はイタチ科の海洋哺乳類である。サンフランシスコ湾のすぐ南にあるハーフムーン湾からサンタバーバラ郡のコンセプション岬までの北米西海岸沿いでみられるが、歴史的な生息範囲のごく一部だ。ラッコは海洋生息域において生態系のエンジニアとして重要な役割を果たしている。ラッコは1900年代初めまで乱獲され絶滅寸前になってしまった。現在は保護種となっているカリフォルニアラッコは、1938年の50頭の小さな群れから今日の約3,000頭まで増加した。このような進展はあっても、近年その個体数の成長は停滞しており、原油流出や汚染、気候変動などの深刻なリスクに直面し続けている。

 

パシフィック水族館の新しいパシフィック・ビジョンズ・ウイングでは、気候変動の海洋への影響、海で暮らす動物や人々、またより持続可能な未来にするために何をすべきかなど、来場者が学べるようになっている。パシフィック水族館はまた、ウミガメにリハビリを行い野生に返したり、絶滅危惧種である白アワビの産卵放流施設としても機能している。

 

The Aquarium of the Pacific / Aquarium News

Aquarium Welcomes a Special Sea Otter and Announces New Role in Helping Sea Otter Pups

February 27, 2020