【記事】ラッコの経済的価値 | What is the Value of a Sea Otter?

本日は2020年2月4日付のMiddlebury Institute of International Studies /  CBE Newsより、"What is the Value of a Sea Otter?"をお届けします。
カリフォルニアでラッコが復活するにつれ、観光産業などラッコに関する経済活動も興ってきました。ミドルベリー国際大学院モントレー校がその経済効果の調査を行っています。

モスランディングおよびエルクホーン湿地帯におけるカリフォルニアラッコの経済的価値とは?センター・フォー・ブルーエコノミーがその価値を見出す手助け

20年以上にわたり、モントレーベイ水族館はカリフォルニアラッコを救助し育て、野生に返すことに寄与してきた。その影響は、モントレーから20マイル北にあるエルクホーン湿地帯の健全性に明らかにプラスとなってきた。しかし、観光や余暇産業に対する経済的影響はどうだろうか。2019年夏、センター・フォー・ブルーエコノミーがその影響を見つける手助けを行った。

 

カリフォルニアラッコは米国絶滅危惧種法により絶滅危惧種に指定されている。モントレーベイ水族館は代理母を使いラッコの子どもを育て、また座礁したラッコのリハビリを行い、野生に返してきた。2000年から2017年にかけ、代理母に育てられたラッコの多くはエルクホーン湿地帯にリリースされ、この河口域生態系の健全性に明らかにプラスの影響を与えてきた。

センター・フォー・ブルーエコノミーは、エルクホーン湿地帯におけるラッコに関連する観光業や余暇産業により作られる経済的価値のアセスメント調査を行った。経済的価値とは、ラッコに関連する観光から得られる観光客およびビジネスや地域経済の価値を含むものと定義される。こうした情報は、モントレーベイ水族館が過去から現在にかけて行ってきたラッコの個体群を持続させるための努力が経済的にどのような結果を生んでいるか、あるいは将来的にラッコを回復させるための努力に関する経済的な価値を理解する手助けとなるだろう。

 

センター・フォー・ブルーエコノミーはエルクホーン湿地帯周辺のいくつかの場所において実地調査を行った。インタビューはミドルバリーインスティテュートの学生及び、当校のパートナー研究所であるアイルランド国立大学ゴールウェイ校の学生で行った。調査では、観光客の特性、当地での消費額、エルクホーン湿地帯における観光客の体験の価値に対するラッコの貢献度について情報を集めた。

「最終報告書はまだ査読の段階にあるが、初期的な結果ではエルクホーン湿地帯への観光客はモントレー・サンタクルーズの経済に1100万ドル以上貢献しており、エルクホーン湿地帯を訪れラッコを見る体験は、年に250万ドル以上に及んでいる」とセンター・フォー・ブルーエコノミーのリサーチディレクター、チャールズ・コルガン博士は書いている。

研究の結果はエルクホーン湿地帯の海面上昇およびモスランディングを通るハイウェイ1の影響を管理するためのオプションを見極め、評価する当センターの別のプロジェクトにも使われる。センター・フォー・ブルーエコノミーは過去3年に進んだ海面上昇の経済的評価に対する革新的なアプローチを用い、エルクホーン湿地帯を守りつつハイウェイ1を維持する最善策を見出す手助けをしている。

 

これは、当センターにとってモントレーベイ水族館と非公式での協同作業を何年も行った後の、水族館との最初のプロジェクトであり、この重要なキーストーン種であるカリフォルニアラッコに対し、私たちの研究が大きな影響をもたらすことを期待している。

 

Middlebury Institute of International Studies /  CBE News

What is the Value of a Sea Otter?
February 4, 2020

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コメント: 1
  • #1

    海音:kaine (月曜日, 01 2月 2021 06:20)

    観光の利益に大いに貢献しているのですね!!