本日は2019年10月10日付のPoint Defiance Zoo Blogより、"One, Two, 200! The 2019 Sea Otter Count"をお届けします。ポイントデファイアンス動物園水族館のスタッフが、今年のワシントン州のラッコ個体数調査に参加した際の記録です。
今年の夏のある晴れた日、当園のロッキー・ショア・ハビタットのスタッフ生物学者ステファニー・レイガ―はハイキングに出かけた。ワシントン州オリンピック半島の遠く離れた端を3マイル、上り坂を何度も歩いた後、レイガ―は他の2人の女性と一緒にサンド・ポイントの岩場に到着した。そこで彼らはスコープ、双眼鏡、クリップボードを設置し、ラッコを数え始めた。
これは毎年恒例のワシントン州のラッコ調査で、レイガ―はポイントデファイアンス動物園水族館でラッコやアシカなどの海洋動物の世話をしているが、今回その調査に初めて参加した。
サンドポイント沖のラッコの群れ。調査の飛行機が上空を飛ぶ(雲下の白い斑点)
オッター・スポッティング
「とても面白かったです」と言うレイガ―は、カウントチームとともにサンドポイントへのハイキングに三日間を費やした。
「私たちが最初に到着したとき、以前にカウントに参加したことのあるチームメートが、双眼鏡ごしにたくさんのラッコを見て、何頭いるか推測してみてと言いました。たぶん80?90?ぐらいかしら?それからそのチームメイトは 「さあ、スコープを覗いてみて」と言いました。私はスコープを覗き、カウンターを使って数え始めました。クリックし続け、その数は200回に達しました。すごいことでした。遠くには、700頭からなる更に大きなラッコの群れがあると聞きました」
ラッコの母親と子どもたちは群れ、あるいは「ラフト」を作り、たいていは好物の食べ物であるムラサキウニが見つかるケルプ床の近くに集まっている。近くには独身のオスがたむろしている。
ほとんどの人が毎日やっていることではないが、ワシントン沖で200頭のラッコを見るのはもはや珍しいことではない。1792年の毛皮取引の開始から乱獲されたこの愛らしいふわふわの哺乳類(北日本、ロシアからアラスカとカリフォルニアまで太平洋に沿って分布している)は、1910年にワシントンで絶滅してしまった。1969年から70年にわずか59匹が再導入され、1989年にワシントン州魚類野生生物局は、その個体群の成長を追跡するため、上空および地上調査を開始した。
ラフトとラフト
現在、ワシントン州沖には約2,000頭のラッコが生息しており、毎年平均9.5%ずつ成長している。ポイントデファイアンス動物園のロッキー・ショア・ハビタットの飼育係は、少なくとも10年間ラッコの数を数える手助けをしててきた。そして、それは誰にとっても良いことだということがわかりました。
「毎日、正確性を高めるために、飛行機からのカウントと一致するものを含め3つのカウントを行います」とレイガ―は説明する。「それぞれのカウントは約20分かかります。その合間に通りすがりのハイカーと話をしました。普段ラッコがいるなんて知らなかった人たちです。私は自分の仕事の中でそうした人たちのことをよく知っているので、本当に彼らをを引き込んで教育することができました」
ラッコ調査時、レイガ―のスコープから覗いたラッコの群れ
健全なラッコ、健全な海
カニを食べるモエア
ラッコは健康な海に欠かせない。棘のある棘皮動物であるウニを食べることで、ウニがケルプの森を完全に破壊するのを防ぐ。ケルプは多くの海洋生物にとって不可欠な生息地であり、また地球の二酸化炭素の大部分を吸収するのだ。
ラッコは、国の海洋哺乳類保護法によって狩猟やハラスメントから保護されており、ワシントン州絶滅危惧種保護法で絶滅のおそれがあるとみなされている。彼らの最大の脅威は油で、海中に漏れればラッコの密度の高い毛皮を詰まらせてしまう。ラッコは寒冷な海から体を守る断熱材がなく、グルーミングしようとして油を飲み込んでしまう。ポイントデファイアンス動物園の3頭のラッコのうちの1頭であるモエアは、まさにそのような油の流出の際に沿岸部で救出された。
レイガ―にとって、ラッコの数を数える手伝いをしたのはこの夏のハイライトだった。
「ラッコの再導入に成功したのは本当に素晴らしいことです」とレイガ―は言う。「餌を探したり、潜ったりする姿を見るのはとても楽しい。私たちは当園のラッコの1頭の名前の由来であるセキウという町に滞在しました。そして、私はコククジラも何頭か見ました。何よりも、この調査の経験をし、当園にいるラッコたちをもっと素晴らしいと思うようになりました。当園のラッコは野生のラッコと素晴らしいつながりを持っています。私たちはいつも来場者の皆さんとそのつながり、つまり汚染を減らすことが野生のラッコを守る方法であるということについて話します。野生のラッコを見て、毎日自分が何をしているかを知ることで、ラッコが元通りになることを助けるのです」
Point Defiance Zoo Blog
One, Two, 200! The 2019 Sea Otter
Count
October 10, 2019
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