【記事】ワシントン州沖のラッコ個体数調査 | Counting Sea Otters Along Washington’s Coast

本日は2019年7月31日付のシアトル水族館のブログより、"COUNTING SEA OTTERS ALONG WASHINGTON’S COASTをお届けします。6月に行われたワシントン州沖のラッコ個体数調査。最終的な結果が出るのは年末とのことですが、過去最高の個体数になりそうだということです。ワシントン州のラッコが順調に回復しているということだといいですね。

シアトル水族館、ラッコ個体数調査に参加して19年

さる6月、ワシントン州魚類野生生物局、シアトル水族館、ポイントデファイアンス動物園水族館、キノーインディアンネーションからの参加者とともに行うワシントン州のラッコ個体数調査にシアトル水族館の5人の生物学者が米国魚類野生生物庁が参加した。

 

シアトル水族館は2001年からラッコ個体数調査に参加している。今年のチームには、保全研究キュレーターショーン・ローソン博士、動物ケア専門家キャロライン・ヘンプステッド、研究所専門家エイミー・オルセン、動物ケア専門家オーブリー・タイス、客員研究員ジェニファー・バンブロックリンがいる。彼らの任務は地上2か所の調査地からラッコの数を数えることで、ワシントン州魚類野生生物局の生物学者は米国魚類野生生物庁の飛行機から目にしたラッコの群れを撮影した。地上カウンターの仕事は、飛行機から撮影された写真の確認を助けることで、遮るもののない視界の中にいるラッコの総数を特定し、幼獣を数え、天候の状態とラッコの行動を記録することだ。また、カウントの正確性について評価し、カウントに影響を及ぼす可能性のある潜在的なラッコへの妨害(その場にいた船など)を注記することだ。

 

6月24日

エイミー、ショーン、ジェニファーは食料を積んだ後、ハイウェイ101に沿ってワシントン郊外の海岸に向かった。キャロラインとオーブリーは別に車で向かった。シアトル水族館は今年、サウス・ビーチ・キャンプ場とジャイアンツグレイブヤードの二つの異なる場所を調査するよう指示されたのだ。調査が正式に開始されたのは翌日の朝だったため、研究チームはエサをとるラッコを探し、独自の調査のためのデータを集めることにした。南に向かうと、エイミー、ショーンとジェニファーはサイド・オブ・ザ・ロード(文字通り101年のプルアウト)と呼ばれる場所ではゼロ、スティームボートで2頭、ビーチフォーで4頭、カラロッチロッジで20頭、サウスビーチキャンプ場で160頭以上見た。唯一エサを食べていたのはサウスビーチキャンプ場のラッコで、キャロラインとオーブリーは他の調査員が到着したときにすでにデータを集めていた。ラッコが二枚貝を採っているところで50回の潜水を記録することができた。

実地調査に使う道具:GPS、ストップウォッチ、データシート、筆記用具、調査許可証

6月25日

翌日、チームは別のグループに分かれた。オーブリーとエイミーはサウスビーチのキャンプ場に、ショーンとキャロラインとジェニファーはジャイアンツグレイブヤードに向かった。サウスビーチキャンプ場では幾つかの群れを数えると合計550頭以上になった。また、52回の採餌潜水を記録することができたが、そのほとんどはマテ貝だった。天候が良かったので、飛行機は全ての範囲の上空を飛び、大きな群れの写真を撮ることができた。

 

ショーン、キャロライン、ジェニファーは丘を越え、手入れされていない森の小道を通って、ジャイアンツグレイブヤードへ至る5マイルの往復路へ向かった。ラッコへの視界が遮られないよう、ロープを張って観測点まで登らなければならなかったため、彼らは少なくとも飛行機の1時間前に到着した。飛行機が飛んできたとき、彼らはたくさんの母子ラッコを含む59頭のラッコを数えることができた。残念なことに採餌をするラッコがいなかったため、独自の調査のためのデータを収集することはできなかったが、調査のための正確なカウントを得ることができた。

 

ラッコの個体数を数える際にはスポッティングスコープと三脚を使う。サウスビーチキャンプ場にて。

ジャイアンツグレイブヤードの調査地にいるキャロライン、ショーン、ジェニファー

ジャイアンツグレイブヤード、ビーチからの眺め

6月26日

今日はチームの一部のメンバーを交替し、オーブリーとエイミーはジャイアンツグレイブヤードへ向かった。幸運なことに天候に再び恵まれ、飛行機が飛ぶことができた。数えたラッコは55頭だったが、採餌をしているものはいなかった。キャロラインとジェニファーはサウスビーチキャンプ場沖に326頭のラッコ数え、採餌潜水30回を記録した。

ジャイアンツグレイブヤードの眺め

米国魚類野生生物庁へ提出された正式な調査地図

6月27日

ついに天気が変わった。雲と激しい雨のため飛行機は飛べなかったが、チームは最後のカウントとデータ収集に向かった。オーブリーとエイミーは再びサウスビーチキャンプ場を訪れ、50頭のラッコを数え、25回の採餌潜水を記録した。ショーンとジェニファーはジャイアンツグレイブヤードに戻ったが、ラッコの数を数える前にカヤックの一団がラッコの群れを壊してしまった。4人のカヤックのグループによりゼニガタアザラシとラッコの両方の群れが散り散りになってしまった。全ての海洋哺乳類はアメリカ海洋哺乳類保護法で保護されており、休息している場所から散り散りにしたり、ラッコの群れを崩したりなど、海洋哺乳類に対するハラスメント行為は許されないと規定されていることを思い出せるものだった。

 

シアトル水族館からの地上カウントクルー、2日間の飛行と地上カウントを行い、今年の調査は全般的に成功だった。次に、米国魚類野生生物庁とワシントン州魚類野生生物局は、飛行機の写真からラッコを数え、可能な場合は地上の数と比較することになる。最終的な調査は、最も多く数えたものが採用される。私たちhは年末までに最終結果を得られればと考えている。最後に公式調査が行われたのは2017年で、その時には全範囲で合計2,058頭のラッコが数えられた。今年の調査は過去最高になると予想されている。

 

Seattle Aquarium Blog

COUNTING SEA OTTERS ALONG WASHINGTON’S COAST

July 31, 2019