【記事】ラングリーとスプラウト、新しい生体トランスミッターを装着 | Pair of Rehabbed Otters to Carry New Biological Transmitters

本日は2019年1月3日付のNBC Bay Areaのニュースから、Pair of Rehabbed Otters to Carry New Biological Transmittersをお届けします。サンフランシスコの北にある海洋哺乳類センターでリハビリを行っているラングリーとスプラウトは今月末リリースされる予定です。

瀕死の状態から命を取り留めた2頭のラッコたちは、生涯にわたり生体情報を記録する新しい追跡技術の大使となる。

 

この新しい追跡タグはマーカス・ホーニングが開発したライフヒストリートランスミッターとして知られている。メスのラッコ、ラングリーとスプラウトはカリフォルニア州サウサリートにある海洋哺乳類保護センターで一緒になったが、この2頭に最近行われた手術で新しいタグが体内に埋め込まれた。

 

今月後半に野生に戻った歳、このタグのセンサーが明るさや温度、体内の働きなどを記録する。これらのデータはラッコがいつどのように繁殖活動を行うかや、死因などを理解する手がかりとなる。唯一ひっかかるのは、ラッコが死んで体が分解される中でタグが放出され、衛星に送信されるまでこうしたデータを手に入れることができないということだ。

 

「こうしたタグで集められた様々なデータにより、ラッコの生涯に関して多くを推察することができます」と獣医部のディレクター、ショーン・ジョンソンは言う。

サウサリートの海洋哺乳類センターで新しいライフヒストリートランスミッターの装着手術を受けている。このタグは生涯にわたり生体情報を追跡することができる。Photo credit: Joe Rosato Jr./NBC Bay Area

海洋哺乳類センターの獣医師らはラッコの移動情報を短期間送る通常の無線タグに加え、ライフヒストリートランスミッターを埋め込んだ。

 

「これらの(ライフヒストリー)タグはラッコの最期に関する情報を私たちにもたらしてくれます」とジョンソンは言った。「そして無線タグはその生涯の初めの情報を与えてくれるのです」

 

ラングリーはサンルイスオビスポ近くの中央沿岸部で発見された。浜でサメに襲われた母親にしがみついているところを発見されたのだ。海洋哺乳類センターの獣医師がこのラッコの健康を取り戻した。

 

スプラウトはモントレー湾で痩せて衰弱し、自然発生する生体毒素で海洋生物に影響を与えるドウモイ酸の影響で苦しんでいた。モントレーベイ水族館の獣医師が治療を行い健康を取り戻し、スプラウトを海洋哺乳類センターへ移送した。

 

「私たちはお互いに良く話し合いを行いました」と海洋哺乳類センターのカラ・フィールド博士が言う。「それで、2頭は良き仲間となるだろうと判断し、ともにここサウサリートへ連れてきたのです」

 

 

その数は乱獲された頃からは大きく戻ったものの、研究者らは、カリフォルニアには約3,000頭だけラッコが生息していると推測している。しかし専門家はラッコの今後の回復は、同じ海の生き物であるサメに遮られてしまっているという。

 

新しいライフヒストリートランスミッターは、ラッコの生涯にわたり生体の記録を追跡することができるタグだ。ラッコが死んでトランスミッターが身体から離れると、情報が送信される。Photo credit: Joe Rosato Jr./NBC Bay Area

「今現在はラッコが生息域を広げるのを妨げているのはサメです」とジョンソンは言う。

 

カリフォルニアのラッコは中央沿岸部周辺やモントレー湾に生息している。それ以上は、研究者によると、ラッコの生活を研究するのには難しい場所へ移動しているようだ。望むべくは、新しいタグがラッコの軌跡により光を当て、可能ならば、例えばサメに噛まれて突然死するなど、その死因の判別の手助けとなることだ。

 

「ラッコにずっとくっついていてもラッコには害がなく、その一生涯にわたりデータを集めることができるこのようなタグを装着できることは、ラッコの生息域の他の場所で何が起こっているかをより理解できる素晴らしい手段です」とモントレーベイ水族館の獣医師、マイケル・マリーは言う。

 

新しいライフヒストリートランスミッターは以前にテストを行っているが、今回は野生に戻されるラッコに初めて装着される。研究者は2頭を今月終わり、モントレー湾へ放流する予定だ。

 

「2頭はともにメスで、ラッコの個体群にとって有益です」とジョンソンは言う。「2頭が元気でうまく繁殖しれくれるのを見届けたいです」

NBC Bay Area

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June 19, 2017