【記事】原油流出によるラッコの汚染対応訓練 | Annual sea otter oil spill drill focuses on new protocols

本日は2018年6月1日付のCDFW CAL SPILL WATCHより、"Annual sea otter oil spill drill focuses on new protocols"をお届けします。カリフォルニア州魚類野生生物局の油流出防止対策室では毎年、起こりうる原油流出によるラッコの汚染に備え、毎年油で汚染されたラッコの洗浄とケア、リハビリの訓練を行っています。

18名の獣医とリハビリ専門家を含むOSPR (Office of Spill Prevention and Response、油流出防止対策室)の科学者とその仲間たちは、サンタクルーズにあるOSPRの野生生物ケアセンターにおいて毎年行われているカリフォルニアラッコの脂流出訓練に参加した。

 

参加者はカリフォルニア州の団体や、ブラジルにおける油に汚染された野生生物を担当することになるブラジル人獣医師で獣医師の交換プログラムの一環でモロ湾の海洋哺乳類センターを訪れている者も含まれている。

 

「こうした訓練はラッコの専門家によって対応プロセスを検証したり最適化したり、また州内における油で汚染されたラッコのケアを統一したり、汚染されたラッコの洗浄に関する実践的なコツやアプローチについてお互いに学び合うことができる、非常に素晴らしい機会です」と野生生物ケアセンターwのスーパーバイザーであるレイアード・ヘンケルは言う。「参加者が協働し協力することが必須ですが、それにより油で汚染されたラッコへの対応を常に向上させていくことができるのです」

 

OSPRの野生生物ケアセンターは油で汚染された海洋哺乳類、特にカリフォルニアラッコに重点を置いた、保護、リハビリと研究に携わるアメリカで唯一の施設だ。野生生物ケアセンターは油で汚染されたラッコの手当てやリハビリを行うカリフォルニア州の専用施設で、洗浄したラッコを収容する大きな水に浮く囲いのような設備や、ラッコの生息地に似せた回復用の特別な水槽などの設備を備えている。

 

今年の訓練は、新しいデータフォームや、the Oiled Wildlife Care Network (油被汚染野生生物ケアネットワーク)及びMWVCRC(海洋野生生物獣医学ケア研究センター)のスタッフがthe Southern Sea Otter Research Alliance(カリフォルニアラッコ調査連合)の専門家によるインプットとともに準備し最近最終的にまとめられた「油に影響されたラッコのケアに関するプロトコル」に掲載されているプロトコルに焦点をあてている。

 

カリフォルニアラッコ調査連合は、主に6つの研究機関の研究員による、多分野にわたる協働チームであり、他州や連邦政府、非政府組織(NGO)の、絶滅危惧種であるカリフォルニアラッコやその生息域の保全や回復に関する専門家の協力を得ている。

 

ラッコのリハビリテーション専門家は油で汚染されたラッコのケアの各段階の例(現地での回復、現地での安定化、受入れとそのプロセス、洗浄、洗浄後のケアと自然への放流)を用いた新しいプロトコルを一通り確認し、評価を行う。プロトコルの評価の一部として、参加者は各ケアの段階を通じて必要な書類作成も行った。各ケア段階の終わりには、グループでそのプロトコルに関するディスカッションや分析を行った。

 

「この訓練は、準備と対応という点ではずば抜けています」とOSPRの環境科学者コリーン・ギブルは言う。「こうした協働と協力により訓練が行われたことは、特に注目に値します」