【記事】Facebookラッコ観察イベントに懸念 | When a Facebook event goes otterly bad

本日は2018年3月14日付のSanta Cruz Sentinelから、"When a Facebook event goes otterly bad"をお届けします。
Facebookで個人的に立ち上げたラッコ観察のイベントが、あっという間に数百人規模に。予想外の広がりように、ラッコハラスメントへの懸念が持ち上がりました。

モスランディングハーバーでラッコの群れのそばを通り過ぎるカヤック Vern Fisher - Monterey Herald file
モスランディングハーバーでラッコの群れのそばを通り過ぎるカヤック Vern Fisher - Monterey Herald file

モスランディング>>「ラッコの赤ちゃんとカヤック」というフェイスブックのイベントを企画した時、ケビン・ワグターは数人の友人たちとモントレー郡のモスランディングでゆったりとした午後を過ごす程度に考えていた。

 

273もの参加者は予想外だった。

 

「このイベントは何年も企画しているのです。もともとの参加者は8人から12人の間です」とオークランドに住むワグターは言う。今年、Facebookでワグナーとは繋がっていない人がそのイベントに興味を持ったため、そのイベントを公開した。「ひとつ予想していなかったのは、自分近い「公開」とインターネット上の「公開」は違うということです」

 

このイベントは評判になり、議論も生じた。

 

公開して2週間ほどたち、先週、このイベントのページが爆発した。突然ワグターの交流範囲外の人々が「議論」を始め、そうした人々が友人たちにタグをつけた。月曜の午後6時まにでは、7,000人がそのイベントの「興味あり」ボタンを押し、273人が実際に「参加」を押した。

 

日曜日に友人から電話をもらって初めて、ワグターはそのイベントが注目されていることに気が付いた。「土曜と日曜はそれは衝撃でした」とワグターは言う。月曜の夜、ワグターはそのイベントページに投稿したが、その間にも興奮したカヤッカーや状況を懸念した環境運動家たちにより議論が膨れ上がった。ワグターは状況について完結に説明し、混乱させたことを詫びた。月曜日にその公開イベントを閉鎖し、新しくプライベートなイベントを設定した。

 

こうして大きなドタバタ劇は終わった。今月終わりに企画されたイベントはキャンセルされ、そのイベントに数百人現れるということもなくなった。

 

月曜日にそのイベントをクリックした人にとっては、イベントの詳細に記されたように3月31日に数百人がモスランディングに集結し、モントレーベイカヤックやカヤックコネクションでカヤックを借りるように思われた。273ものカヤックの一群が、非常に弱いラッコの親子に向かって一直線に突き進むことを想像して、地元の環境運動家らはキーボードに立ち向かった。

 

「これは、保育園で大騒ぎのパーティをやるようなもので、適切ではありませんし、非常に危険でもあります」と野生生物写真家のスージー・エスタハスが議論の投稿にそれぞれコメントしている。エスタハスは動物の赤ちゃんの写真で知られ、20年以上エルクホーン湿地帯でラッコの親子の写真を撮り続けている。エスタハスはフォトジェニックな動物を邪魔することなく撮影する方法を心得ているということなのだ。

 

「ラッコの赤ちゃんほど可愛らしいものはめったにいません。しかし、ラッコの加ちゃんは非常にもろく、弱いのです」とエスタハスは言う。「ラッコは絶滅危惧種です。ここにはわずか3,000頭しかいないのです」

 

エスタハスは、エルクホーン・スルー・サファリの船から望遠レンズを使って撮影している。ラッコへのハラスメントを避けるため、距離をとり、グループの参加者は減らさなければならない。水に近いため、カヤッカーたちはラッコに近づきすぎる傾向があるとエスタハスは言う。そして一度に273名も参加するというのはまさに「災難の元凶」だ。

 

エスタハスはアメリカ海洋大気庁(NOAA)やアメリカ魚類生物庁に対し、「ラッコの赤ちゃんとカヤック」するようなイベントについて警告した。ラッコは海洋哺乳類保護法で保護されており、ラッコにハラスメントを行い捕まれば召喚され、罰金、もしくは実刑になる可能性もある。

 

それにしても、実際ラッコを「ハラスする」とはどういうことなのだろう。ラッコに対する人間の邪魔を減らすことを目的とした団体、シーオターサビー(Sea Otter Savvy)のプログラム・コーディネーター、ジェナ・ベントールはそのイベントページに行き、人々が知っているかどうか念を押した。そして過去にあった大規模なラッコ・ビューイングイベントについて話したと語った。

 

「誰でも、いつでも行くことができます。モスランディングへ行くのに、こうしたイベントを企画する必要はありません」とベントールは言う。「どんなにちゃんとしていても、集団で出ていけば、野生生物を邪魔しないですむことはありません。湿地帯の構造上、物理的に不可能です」

 

週末、特に連休を挟んだ週末には、ラッコは1日に20回も邪魔されることがあるとベントールは言う。カヤッカーは多くても10名以内で行動し、群れを取り囲んだり、カヤックの先をラッコに向けたりすることを避け、ラッコの行動が変わっていないか常に注意を向ける必要がある。つまり、カヤッカーはみなラッコと十分距離をー少なくとも一番近くにいるラッコから90m(およそカヤック5つ分)とる必要がある。カヤックコネクションのマシュー・ホフも、同様にこの点についてオンライン上で警告している。カヤックコネクションでカヤックを借りる人はカヤックに乗る前に何度もこの情報を聞くことになっているとホフは言う。

 

ベントールはイベントページに参加している人々に、https://www.seaottersavvy.org/viewing-guidelines を見て、あらかじめ準備しておくよう促している。しかし、ベントールはすぐにSea Otter Savvyがそのページからブロックされてしまったことに気づき、自分の個人的なアカウントからコメント欄を通じて情報を広めている。ベントールは、団体のアカウントがブロックされ、そうした情報が必要な人々に情報をシェアすることができなくなってしかうことにフラストレーションを感じると語っている。ワグターに問い合わせてみると、「誰もブロックなんてしていない」とのことだった。

 

大したことがないように見えるディスターバンス(邪魔すること)でさえ、ラッコの健康に対するダメージは大きい。これに対し、エスタハスやベントール、その他の地元の人々が懸念の声を上げている。ラッコは脂肪層がないため、毎日体重の25%を食べ、代謝と体温を維持しなければならない。ウニなどを食べるのは非常に多くのエネルギーを必要とする。ラッコの母親は子どもに授乳したりエサを分け与えたりするために、通常の2倍ものエネルギーを消費する。カヤッカーたちがパドルで水を跳ねたり、カメラのシャッター音などでラッコを起こしてしまうと、それはラッコは生きるために必要な睡眠を奪うことになるのだ。

 

エスタハスは地元の人々がこの愛すべき動物を守ろうとしているのは嬉しいと語った。「個人的に非常に素敵だと思っているのは、理解してくれる人々がたくさんいるということです」とエスタハスは言う。「そうした人々はみんな一緒になって、ラッコの赤ちゃんがハラスされないようにしようとしています。素晴らしいことです」

 

一方で、ワグターは思いもしなかった声を振り返っている。

 

「面白いと思います。私はFacebookにすごく詳しいわけでもない」とワグターは言う。通常、イベントを企画するときは非公開にしており、公開するとどうなるか知らなかった。「友人が、『中国にいる人だって見られるんだよ』って言いましたよ」と笑う。ソーシャルメディアでの反応を受け、ワグターはカバー写真が可愛らしすぎるのではないかと気が付いた。その写真は、母親ラッコが仰向けに浮かび、お腹の上にいるフワフワの赤ちゃんラッコを鼻ですり寄っているものだ。

 

「この写真を載せていなかったら、こんなに話題にはならなかったはずです」

らっこちゃんねるより

ラッコへのハラスメントを避けるにはこちらのガイドラインをお読みください!

Santa Cruz Sentinel
"When a Facebook event goes otterly bad"

POSTED: 03/13/18