【記事】ラッコのトレーニングとエンリッチメント | Sea Otter Awareness Week: Training and Enrichment Leads to Excellent Care

本日は2017年9月27日付の>Huffpostから、"Sea Otter Awareness Week: Training and Enrichment Leads to Excellent Care"をお届けします。トレーニングとエンリッチメントは水族館において動物にとっても飼育する側にとっても最も大切なものです。

 

ラッコ啓蒙週間になるにあたり、一つ確かなことは、シェッド水族館のラッコたちは非常にラッキーだったということです。しかし、そのラッコたちは普通のラッコではありません。つまり、そのラッコたちは野生生物の専門当局から野生に返すことができないと判定されたため、動物対応チームにより保護されてきたラッコで、動物トレーナーらの直接のケアのもと、私たちシェッド水族館の認可を受けた施設で、一生を過ごすのです。ラッコたちはグルーミングや泳ぎ、エサの食べ方など教わらなければならず、また少しずつ羅のラッコたちに紹介されてきました。それらは全て、ラッコが本能的には知らない、生きていくためには必須のスキルで、通常は母親から教わるものです。このラッコたちは、実際野生のラッコであったこともほとんどなく、今後も野生のラッコになることはありません。

 

行動科学により、殆どの動物はソーシャリゼーションと呼ばれる発達にとって重要な時期を通過します。これは同じ種の他の個体たちが受け入れられる行動を学ぶ時期です。これが、私たちのトレーニングやエンリッチメントプログラムが非常に重要な理由です。私たちは、柔軟な若いラッコたちに自分できちんと自分の面倒が見られるようにし、他のラッコたちに紹介した際うまく受け入れられるようにするための行動を覚えてもらうのです。私たちはまた、私たちがラッコに最良のケアを与えることができるような行動も教えています。例えば、シェッド水族館ではラッコに展示水槽である場所から別の場所へ、あるいは水槽の裏ではターゲットに従ってもらうことで簡単に移動してもらうことができます。こうした行動は自ら健診に協力することや、動物ヘルスチームが定期的な診断や検査ができるようにすることを教えてくれるのです。展示水槽でアクリルの板の上にターゲットを高く掲げるとラッコたちは立ち上がり、足や体の腹側を調べることができます。こうしたことはラッコにとっても良いことです。トレーニングは全て遊びの一種のように行われ、食べ物やおもちゃ、口頭での誉め言葉などが頻繁にご褒美として、また正の強化として与えられるからです。

PHOTO CREDIT: ©SHEDD AQUARIUM/BRENNA HERNANDEZ
PHOTO CREDIT: ©SHEDD AQUARIUM/BRENNA HERNANDEZ

トレーニングやエンリッチメントの道具はまた、ラッコの全般的な福祉計画の一部として与えられます。肉体的な活動と精神的な刺激を通じて幸福感を持つことは、最高の健康状態を維持するためには非常に大切です。例えば、ラッコたちには、ラッコのために特別に作られた他に類をみないパズルがあります。数年前、ノースウエスタン大学ロバート・マコーミック工学院(工学および応用科学)の非常に有能なエンジニアリング専攻の学生たちのチームとともに、遊ばせつつ健康な行動を促す、本当にすごい方法を作り上げました。ラッコは手を使ってものを扱うのが非常に得意だということを私たちは知っています。ラッコはケルプ床や潮だまりでエサを探す際、石をひっくり返したり獲物であるカニやウニを追いかけます。この知識を利用し、学生らとシェッド水族館のスタッフは施設に永住するラッコにご褒美のエサに挑戦できるよう改造できるパズルを与えました。透明なアクリル板には設計された穴がたくさんあり、、実際にエサを取るときにやるように、板の間にあるボールを手を使ってとるのです。可動式のパネルがあり、それを動かすことで異なる迷路を作ることができ、ボールをとれるかどうかはそれらにかかっています。ボールがラッコのそばに落ちると、中にある好物のエサをご褒美としてもらうことができます。

ラッコは多くのメンテナンスを必要とする高エネルギーの素晴らしい動物です。毎日体重の30%もしくはそれ以上のエサをあたえなければならないほど、絶えず十分なカロリーを燃やしているようです。シェッド水族館で暮らすラッコの子どもたちは海で暮らす仲間のラッコたちの素晴らしい大使であり、来場者の皆さんに唯一の経験し、繋がりをもち、このカリスマ性の高い動物を大切にする機会を与えてくれるのです。また、私太氏がよりよくラッコや、ラッコがどこで暮らしていようとも、ラッコに何を与えなければならないかをより良く理解させてくれるのです。

 

トレーニングやエンリッチメントは私たちのハズバンドリーチームにとって中心になる仕事で、ラッコだけに限られることではありません。次に訪問される際はよく注意するとピグミーマーモセットが体重を測れるように体重計の上に立つよう指示されているのを見たり、私たちが歯を見ることができるようにオマキヤマアラシが「あー」と言っているのを見たりすることができるかもしれません。そしてもちろん、水棲動物のプレゼンテーションでトレーニングが行われているところを見ることができるかもしれません。

Huffpost

Sea Otter Awareness Week: Training and Enrichment Leads to Excellent Care

09/27/2017 

By Dr. Bill Van Bonn 

Vice President of Animal Health at Shedd Aquarium. Specializes in preventive medicine and clinical veterinary services for aquatic animals.