【記事】リアルトのシアトル新生活 | Rescued Pup Rialto Settles into New Digs

本日2つ目の記事は、2016年9月20日付けのVancouver Aquarium Blogから、"Rescued Pup Rialto Settles into New Dig"をお届けいたします。シアトル水族館とバンクーバー水族館は保護直後から協力し、リアルトのケアを行なってきました。バンクーバー水族館に到着したリアルトは、元気に過ごしているようです。シアトル水族館でのお別れの記事は【記事】さよなら、リアルト | A Fond farewell to sea otter pup Rialtoをご覧ください。

8月1日、ワシントン州オリンピック国立公園の端の辺鄙な浜にただ一人打ち上げられているのを発見された時、ラッコのリアルトは消耗し、肺炎と消化器系の感染症を起こしていました。病気で、母親もなく座礁していた小さなラッコが生き延びるチャンスはほんのわずかでした。

シアトル水族館で、ローテーションで参加したバンクーバー水族館海洋科学センターの専門家のチームを含むスタッフにより24時間体制でのケアを6週間以上受け、リアルトは現在元気になり、昨日バンクーバーの新しい家へと旅してきました。

バンクーバー水族館の主任獣医師、マーティン・ハウリナ博士は、保護直後からリアルトのケアについて相談に乗ってきました。「野生のラッコの子どもの生存率は低いです。この子は本当にひどい病状で、難しいと思われました」

マーティ博士といえども、リアルトのかわいらしさには抗えない
マーティ博士といえども、リアルトのかわいらしさには抗えない

生まれたばかりのラッコは無力です。数週間は母親が子どもをお腹の上に乗せ、グルーミングしたりミルクを与えたりします。それから泳ぎや潜水、エサの獲り方を教えるのです。自分ひとりで生きていくだけのスキルが身につくようになる8ヶ月ごろまでは、子どもは母親と過ごします。リアルトは生後わずか数週間で座礁してしまいそうしたスキルを身につけていないので、野生に返しても生きていくことができません。そのため、アメリカの当局はリアルトは野生に返すことができないと判定しました。

バンクーバー水族館が親を失ったラッコの赤ちゃんのリハビリをアシストするのはこれが最初ではありません。80年代以降、バンクーバー水族館と当館の海洋哺乳類レスキューセンターはラッコのリハビリをサポートし、野生に返すことができないラッコに住む場所を提供してきました。リアルトはもうすぐ当館でクラスアラスカラッコのエルフィン、タヌ、カトマイと面会することになるでしょう。

まず、リアルトは健康になり、体重を増やし、落ち着く必要があります。リアルトはラッコ水槽の裏に新しく設置された養育施設に引っ越します。水族館の来場者はまだリアルトに会うことはできませんが、リアルトにエサを与えている様子はラッコの展示エリアやオンラインでライブ映像が流されています。

水族館のバックヤードに新しく設置された養育室で
水族館のバックヤードに新しく設置された養育室で

バンクーバー水族館の海洋哺乳類のキュレーター、ブライアン・シーハンは、リアルトを徐々に他のラッコたちに紹介する予定だと言います。「リアルト本人と進捗状況次第ですが、短い時間でも少しずつ大きな水槽で泳がせ、それから他のラッコに1頭ずつ紹介するような形をとるでしょう」

その間、リアルトのファンの皆さんはリアルトの進捗状況についてオンラインでフォローしたり、バンクーバー水族館のソーシャルメディアアカウント(Facebook、Twitter、Instagram)で最新情報を見ていただけます。

ラッコはエネルギー需要が高く、エサの種類も幅広いので、水族館においては最もお金のかかる動物です。リアルトは貝、エビ、ミルクをエサとしていますが、成長するにつれその費用は大きくなっていくばかりです。現在行なわれているリアルトのリハビリとケアにお力添えをいただける場合は、こちらをご覧ください。support.vanaqua.org/Rialto

Vancouver Aquarium Blog
Rescued Pup Rialto Settles into New Dig
September 20, 2016