【記事】小クリル列島でラッコの個体数が増加 | OНа Малой Курильской гряде растет численность каланов

 本日は2016年6月6日のロシアメディアastv.ru НОВОСТИの記事より"OНа Малой Курильской гряде растет численность каланов"をお届けします。今年の調査で歯舞諸島のラッコの数は過去最大だったそうです。ロシア語→英語にgoogleで変換してから翻訳しましたので間違いがあるかもしれません。発見された方はご指摘いただけましたら幸いです。

最近の個体数調査で、3島の近海で126頭を数える

今年5月、小クリル列島の島々の近海におけるラッコの個体数調査が千島自然保護区とロシア非常事態省、GIMS(小型船を調査する機関)の共同事業として行われた。春苅島(はるかるとう)で64頭、勇留島(ゆりとう)で41頭、志発島(しぼつとう)で21頭と、ここ数年で最大の個体数を観測した。ほぼ全ての場所で成体のラッコや幼獣が観察された。

 

1999年ごろまでは国後島や小クリル諸島の近海ではラッコは非常に珍しく、数頭の個体がみられるだけだった。1999年、小クリル列島(訳者注:歯舞諸島および色丹島)の保護区春苅島で初めて6頭のラッコが観測された。その後数年、同島では成獣24島と幼獣7頭が観測された。2001年になるとラッコは小クリル列島の他の島でも観測され、個体数は34頭だった。個体数は年々増加している。

Wikipedia
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ラッコはイタチ科で最大の動物で、ロシアのレッドブックに記載されている。オスの成獣は最大150㎝、体重45kgに達する。他の海洋哺乳類とは異なり、ラッコには実質的に脂肪層がないため、海洋環境で体温を保持するために非常に密な(1平方センチメートル当たり10万本)体毛を持つ。ラッコはその一生をほとんど海で過ごすが、常に沿岸近いところで暮らしている。ラッコは海で食べ、眠り、子育てをする。他の海洋哺乳類にしてみれば普通でない体勢ー仰向けーでいるところがよく見られる。ラッコは海に流されないよう海草を巻き付けて眠る。

ラッコの食生活は多岐にわたり、約80種をエサとするが、基本は貝、ウニ、カニ、タコで、少ないが魚も食べる。寒冷な海で失われるエネルギーを補てんするため、日々の代謝率は高く、体重の33%にも及ぶ。エサは深さ20mほどのところにある。貝をいくつか集めると、仰向けになり胸の上をテーブルにする。またラッコは体についた食べくずを取り除くため、360度体をくねらせる。これは体毛を常に清潔に保つために重要な仕草だ。15%の時間を体毛の掃除に費やしている。体毛が熱を保つのに中心的な役割を果たしているため、体毛を清潔に保つことが必要なのだ。

18世紀から19世紀にかけて、貴重な毛皮のため乱獲され、ラッコは絶滅の危機に瀕することになった。20世紀になりラッコはソ連のレッドブックに記載され、他の国でも絶滅危惧種として記載された。

クリル列島(千島列島)のラッコの総数は1870年には約1万頭と見積もられていたが、数十年の乱獲の後1913年には750頭に激減した。1970年後半から個体数はゆっくりと増加している。

 

クリル列島の春苅島、勇留島、志発島は国立保護区小クリル列島にある州立保護区の一部である。