【記事】アラスカでオオカミがラッコを捕食 | WHERE LAND MEETS SEA, ALASKA'S WOLVES SOMETIMES EAT OTTERS

 本日は2016年5月29日付のEarth Touchより、"WHERE LAND MEETS SEA, ALASKA'S WOLVES SOMETIMES EAT OTTERS"をお届けします。以前、カナダのバンクーバー島でオオカミがラッコを捕食しているのではないかという記事をご紹介しましたが、アラスカでも同様のことがあるようです。

カトマイ国立公園は北アメリカの中でもっとも手つかずの野生動物保護区の一つである。アラスカ州の太平洋沿岸に位置し、1,000種以上の生き物が暮らしている。その生物多様性の中に、普通ではない捕食者ー被捕食者の関係が見られることがある。

Image: National Park Service
Image: National Park Service

ケイトリン・クンスがそのような発見をしたのは最近公園内で海の漂着物調査をしている時だった。クンスとその同僚はハイイロオオカミが獲物を運んでいるのを見て目を奪われた。見たことがないエサをチョイスしていたからだ。オオカミの顎の間に挟まっていたのは、幼いラッコの子どもだった。

 

「そのオオカミは水際から遠く離れた浜をラッコを加えて移動中でした。私たちのそばを通りすぎ、ちらりと振り返って、それからまた先へと歩いていきました」とクンスは思い出す。「陸の捕食者と海の捕食者。オオカミとラッコの関係はほとんど知られていませんが、それを垣間見ることができました」

 

太平洋北西部沿岸に住むオオカミは、海とユニークな関係を持つことが以前から知られている。毎夏、カトマイの海は産卵のため海から戻ってきたサケでいっぱいになる。地元のイヌ科の動物にとって、サケはちょっと潜る距離にあるシーフードスナックなのだ。ニシンの卵もまた、よくエサとなるものの一つだ。

 

しかしクンスにとって、ラッコを食べるオオカミというのは目新しいものだった。

Image: National Park Service
Image: National Park Service

ここ数年、オオカミがラッコを捕食しているという裏付けの乏しい報告やはっきりしない証拠があり、科学者らは答えよりも疑問のほうを多く持っていた。オオカミは積極的にラッコを獲っているのか、単に時々打ち上がる死体を食べているのか。クンスが目撃したケースでは、オオカミのアンダーファーは肩の辺りまで濡れていたため、その普通でないエサを獲るために少なくとも浅瀬に入っていっていたようだった。

 

ラッコは通常、アワビやウニなどの無脊椎動物が豊富な沿岸部に生息しているが、時には休むために浜に上がることがある。子どものラッコは1年近く母親と一緒に過ごすが、母親は危険に直面した場合、子どもを守るために攻撃的になることがしばしばある。

 

この幼いラッコは病気か怪我をしていたかもしれないし、あるいはオオカミが見つける前に母親とはぐれていた可能性もある。

 

しかし、サケについては、オオカミはサケの死体を漁るだけではないことが分かっている。アラスカ魚類狩猟局の生物学者デイブ・パーソンは過去5年以上、このエリアでオオカミの群れがサケを捕まえて殺し食べているところを観察している。「魚を獲ることに関しては、クマほどの技術はないようです」とパーソンは言う。「魚を獲るのはたいてい干潮時で、小川と潮の満ち引きがある場所が交差している平地です」

ラッコを捕食しているのを目撃するのは恐らく普通ではないだろうが、これはまた励みになるサインでもある。10年前までは野生のアラスカオオカミを目撃すること自体非常に難しいことだった。だから、ここに活動的なオオカミがいるということはカトマイの生態系全体が健全であるという、素晴らしい証なのだ。

 

20世紀の始め、アラスカのオオカミ猟は規制なく行われており、報奨金が支払われるのは普通だった。1970年代に入り、増加する狩猟人口を目的とした誤った管理規制が悪い結果を導くこととなった。罠や毒殺、上空からの射殺などによりこの地域の最大のオオカミの群れが影響を受け、この捕食者が再び戻ってくるまで30年以上の月日を必要とした。

 

今日、オオカミや他の頂点捕食者の管理基準は州内でも最もよく議論されている議題の一つだが、農家や猟師らとの軋轢を少なくすることに集中した結果、アラスカはアメリカで最もオオカミが生息する場所の一つとなった。個体数は7,000頭から12,000頭と推定されており、公園当局はそれを維持する構えだ。

 

国立公園局はカトマイ全域にリモートカメラシステムを設置し、このような捕食者ー被捕食者の相互関係についてより多く学ぶことができるのではないかと期待している。「他にも陸上動物と海洋動物の関係で私たちが知らないことがあります」とクンスは言う。地元のクマが海洋哺乳類を捕食していることを示す証拠もあるという。

 

「恐らく、クマがラッコやアザラシを獲っているところを見ることがあるかもしれません」とクンスは言う。「もっといろいろなものを目撃するでしょう。オオカミがラッコを捕らえるところや、他にも初めてのものを」

 

このプロジェクトとそこでの発見については、NPS Chaging Tides のウェブサイトで見ることができる。

Earth Touch
WHERE LAND MEETS SEA, ALASKA'S WOLVES SOMETIMES EAT OTTERS

BY SARAH KEARTES MAY 29 2016

 

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コメント: 2
  • #1

    甘露寺蜜璃 (水曜日, 08 9月 2021 07:49)

    ラッコ大好き

  • #2

    ラッコのメイとキラ (水曜日, 08 9月 2021 07:58)

    ラッコは交尾がひどい.個人的にオオカミもラッコも大好きだからどう回答すれば良いかわからん ラッコのオスがアザラシの子を殺すのは納得いかん 普通に残酷 わざわざ他の命を奪って カリフォルニアラッコがよくするらしいからアラスカラッコの方が良い メイトキラもそうだし